3 / 29
第1章 序章
第3話 元服
しおりを挟む
承久の乱から4年後、三寅は8歳となった。時代は1225年、いわゆる鎌倉時代中期と呼ばれる時代に突入していく。
この時代、三寅が生まれた九条家が3つの家に分離し、一条家と二条家が生まれ、三寅の親戚である近衛家が2つに分離し、鷹司家が生まれた。一条家、二条家、九条家、近衛家、鷹司家、いわゆる五摂家の成立である。
三寅の兄弟達は、それぞれ一条家、二条家、九条家の当主を務め、三寅にとって、強力な協力者となっていくのだが、それはまた後の話。
三寅が8歳になったということで鎌倉では、元服の話が出ていた。
北条氏にとっては、実朝亡き今、一刻も早く誰かを将軍職に就任させ、幕府としての体が欲しかった。
加えて、北条氏の貢献で三寅が将軍になれば、益々北条の力が強くなるというもの。
三寅は現在8歳。この時代と言えどもかなり早い部類、下手すれば歴代最年少の元服になるかもしれないくらいだが、北条泰時は、まだ早いのでは?という周囲の声を一蹴し、三寅元服を強行する。
以上の話を、零からの文で読んだ道家は、早すぎる元服に戸惑いながらも、我が子の元服に喜ぶ。
綸子は、三寅が元服するだの、将軍職だの、本音ではどうでもよく、とにかく得体の知れない三寅と離れられてご満悦といったところである。道家は、都より、お祝いの品を鎌倉へ送り、これを祝福した。
一方、鎌倉では、三寅元服の儀が行われ、三寅は元服し、名を頼経と改めた。ここに、藤原頼経が誕生した。
鎌倉で都からきた父からの祝福の品を受け取った頼経は、父の愛を感じ、涙ぐんだ。
それを見た零もまた涙ぐみ、一緒に道家の代わりに頼経の元服をお祝いした。
8歳になり、文字が書けるようになった頼経は、初めて直筆で父にお礼の文を書いた。
それを都で受け取った道家は、初めてみる我が子の文字に感動し、頼経の成長を感じて大いに喜んだ。(続く)
この時代、三寅が生まれた九条家が3つの家に分離し、一条家と二条家が生まれ、三寅の親戚である近衛家が2つに分離し、鷹司家が生まれた。一条家、二条家、九条家、近衛家、鷹司家、いわゆる五摂家の成立である。
三寅の兄弟達は、それぞれ一条家、二条家、九条家の当主を務め、三寅にとって、強力な協力者となっていくのだが、それはまた後の話。
三寅が8歳になったということで鎌倉では、元服の話が出ていた。
北条氏にとっては、実朝亡き今、一刻も早く誰かを将軍職に就任させ、幕府としての体が欲しかった。
加えて、北条氏の貢献で三寅が将軍になれば、益々北条の力が強くなるというもの。
三寅は現在8歳。この時代と言えどもかなり早い部類、下手すれば歴代最年少の元服になるかもしれないくらいだが、北条泰時は、まだ早いのでは?という周囲の声を一蹴し、三寅元服を強行する。
以上の話を、零からの文で読んだ道家は、早すぎる元服に戸惑いながらも、我が子の元服に喜ぶ。
綸子は、三寅が元服するだの、将軍職だの、本音ではどうでもよく、とにかく得体の知れない三寅と離れられてご満悦といったところである。道家は、都より、お祝いの品を鎌倉へ送り、これを祝福した。
一方、鎌倉では、三寅元服の儀が行われ、三寅は元服し、名を頼経と改めた。ここに、藤原頼経が誕生した。
鎌倉で都からきた父からの祝福の品を受け取った頼経は、父の愛を感じ、涙ぐんだ。
それを見た零もまた涙ぐみ、一緒に道家の代わりに頼経の元服をお祝いした。
8歳になり、文字が書けるようになった頼経は、初めて直筆で父にお礼の文を書いた。
それを都で受け取った道家は、初めてみる我が子の文字に感動し、頼経の成長を感じて大いに喜んだ。(続く)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる