訳アリ兄妹 

いしぽよ

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第1章 妹との出会い

第2話 不倫

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ふぅ。
秋の試験に向け、自室で慣れない受験勉強に励む克海。しかし、表情は明るくなかった。
無理もない。これは、彼にとって人生初めての受検勉強だ。
そもそも勉強というものに真剣に取り組んだことのない彼は、かなり基礎の基礎からやり直しており、道は険しい。
「ああああ!わからん!因数分解?なんだれこれ!さっぱりわからん!やっぱり小学校くらいからやり直すべきか。あー、俺は受かるのかなぁ」

その頃、リビングでは、、、
克海母「ちょっとあなた!なんなのよこれは!!」
克海父「ん?なんだよ、あ!!こ、これは、、、」
克海の母が持っていたのは、克海の父が若い女性とホテルに入っていくところを写した写真だった。
克海父「だいだい、なんでこんなものお前が持っているんだよ!」
克海母「知らないわよ!うちのポストに入ってたんだから!そんなことより説明してよ!」
克海父「誰だよこんな写真勝手に取ってうちのポストに入れた奴は!!」
克海母「だからそんなこと知らないっていってるでしょ?それにそんなことどうでもいいわよ!ほら、早く説明して!これは誰なのよ!!」
克海父「...」
克海母「何よ、何とかいったらどうなの。」
克海父(ど、どうしよ汗)
克海母「黙ってないでなんとかいいなさいよ!?」
克海父「...」
克海母「何も言い返せないってことは、そういうことなのね。」
克海父「い、いやぁ、そ、そのぉ、、、」
克海母「目が泳いでるけど?」
克海父「うっ!」
克海母「黙ってるってことは、図星なのね?」
克海父「......ごめん、おっしゃる通りです。」
克海母「はぁ。あなたさ、克海が受験勉強頑張ってるっていうのに、あの姿を見て何とも思わない訳?息子の頑張る姿を見て、俺も仕事頑張ろうとかそういう感情は湧かない訳?」
克海父「...」
克海母「はぁ。もういいわ。」
克海父「...」
克海父(あー、やっちまったなぁ。これはマズいなぁ。それにしても、こんな写真撮ってうちのポストに勝手に入れやがったのは一体何処のどいつだ?
あいつも心当たりなかったみたいだし。誰かが俺たちの仲を引き裂こうとしてるのか?でもダメだ、俺も全く心当たりがない。)
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