訳アリ兄妹 

いしぽよ

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第1章 妹との出会い

第4話 再婚

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克海「あああ!くそぅ!解の公式ってなんだぁ!」
難航する受験勉強。中学レベルもままならない克海は日に日に近づいてくる受験日に心が揺れ始める。
克海「はぁ、そもそも俺みたいなろくに勉強したことのない人間が、受験なんて無理なのかなぁ、、、。」
克海母「か、克海?いまいい?」
克海「ん?いいけど。」
克海母「ごめんね、勉強中に。ちょっと話したいことがあって。」
克海「何?」
久しぶりに見る母の明るい表情に、何か良い話に違いないと期待を膨らませる克海。
克海母「お母さんね、結婚することになったの!再婚よ再婚!相手の方があなたの奨学金肩代わりしてくれるっていうからこれでもうあなたにお金で苦労させずに済むし、お母さんも新しい旦那さんと暮らせるの!いい話でしょ?」
克海「へ?さ、再婚?」
克海母「いきなりすぎて色々びっくりしちゃうわよね。いいの。ゆっくり時間をかけて理解してくれれば。」
克海「うん。ちょっと急すぎて混乱しちゃってる。ていうか俺の奨学金を肩代わりってその人相当お金に余裕あるんだね。どこで出会ったの?」
克海母「学生の頃の元彼でね、この前ばったり駅で再会して、懐かしかったからつい長話しちゃってね。
話してるうちに彼もつい最近離婚したそうで今お互いバツイチってことがわかったの。彼もシングルファザーで一人娘さんを男手一つで育てているらしいの。それであたしと一緒の状況だなと思って、悩みとか色々話してたら盛り上がっちゃって、昔を思い出しちゃって、そ、それで、向こうも今独り身で相手を探してたみたいだから
復縁しようって話になったの。それで再婚することになったの。」
克海「話は分かったけど、その人今何の仕事してるの?」
克海母「商社で働いてるらしいわよ?」
克海「へー!なんかエリートって感じだね。それにしても、俺の奨学金を肩代わりできるくらいの財力があるだなんて、商社って要素以外にも何かありそうだな。」
克海母「じゃ、あした婚姻届を役所に出してくるわね!近いうちにお相手のご家族に挨拶しにいくからそのつもりでね!」
克海「あ、あした!?ちょっと早すぎない?もうちょっと時間をかけて、、、」
克海母「何言ってるのよ!あたしももう若くないんだから、さっかく見つけた最後の希望を、ぼさっとしてて取り逃がすなんてことあったらそれこそもう今度こそ終わりよ!こういうのはね、勢いが大事なのよ勢いが!」
克海「ああ、わかったよ。母さんがそれでいいなら俺はいいよ。じゃ、そのつもりでおくね。ていうか、お相手の一人娘さんはおいくつくらいの人?」
克海母「確か中学二年生だっていってたわよ?」
克海「中二か、俺の方が一回りも大きいのな。じゃ、新しく妹ができるってわけか。どんな子か楽しみだな。それに新しい父親もどんな人か楽しみ。」
克海母「わかった、できるだけはやく顔合わせの機会を設けるわね。」
克海「うん。」
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