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1章 商業都市フレンティア
案内人 ルーク
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長い銀髪に寒空のような淡い水色の瞳をもつ雪肌の少女、クレア=モルダナティスは商業都市フレンティアに来ていた。
フレンティアに入る際に悪さをしていた男を捕まえたことで、他の人よりも早くフレンティアへ入っていた。
その際、検閲を担当した検閲官の男がクレアの横を歩いている。
ちなみに、ついてこいともお供しますとも言われていない。つまり、完全につきまとわれている。
クレアは自分の横をピッタリと歩いてくる男に向かい合った。
「どこまでついてくる気ですか」
クレアの問いに男はやっと相手にしてもらえたことに笑顔を見せる。
そうして、男はその場で跪き、クレアの右手を取り、自身の額に近づける。
男は金髪で顔立ちが整っているからか、そうした行動をしているだけで道行く人から注目を浴びている。
クレアは嫌そうな顔をして右手を引き抜こうとするが離れない。
男はお構いなしに話す。
「クレア様、ご挨拶が遅くなり大変申し訳ございません。私は普段、ここ、フレンティアで警備を担当しているルークという者です。
フレンティアではあなたのお力になりましょう。以後、お見知り置きを」
「いや、結構です。あと、様はやめてください」
ルークの王子のような笑顔とセリフに、クレアは間髪入れずに断った。
今まで負け知らずだったのか、断られたのが意外な顔でルークはクレアを見た。
そして、クレアが本当に迷惑そうにしているのを見てすぐにクレアの右手を離した。
「失礼しました。では、クレアと呼ばせていただきますね。敬語や振る舞いに関しては、女性には紳士らしく接するよう幼い頃からしつけられており、直せないのでお許しを」
「はあ、そうですか……。もう行ってもいいですか」
クレアと目線を合わせるために跪いたまま、ルークは笑顔で謝罪した。
クレアはルークに握られていた右手をひっこめて、歩き出すと、ルークはクレアについてくる。
「ついてこないでください。迷惑です」
「フレンティアはガイドなしでは買うものが増えて大変ですよ?何せ、商業都市です。みなさん売り込むのが本当にうまいですから」
「私は旅に必要な物だけ買って出るので
余分なものは買わないかと思います」
「そういった必需品もいろんな場所で売られています。その分、どこの商品が一番評価がいいかわからない旅人のクレアさんは損な買い物をしてしまわないか心配です」
どうどう巡りが始まってしまい、クレアはめんどうな人に検閲されたと後悔した。
クレアが諦めてルークの同行を許可すると、ルークは顔を輝かせてクレアの横を歩くようになった。
【フレンティア 『さすらいの商店街』】
フレンティアで一番栄えているのが『さすらいの商店街』という場所だ。
名前に『さすらい』がある通り、各地からやってきた商人の珍しい商品が取り揃えられている。
また、フレンティアに来るまでに通ってきた国や町の気候や文化に応じた商品も売っていて、旅に向かう者にとっては重要な場所である。
クレアはルークに案内されて『さすらいの商店街』を訪れていた。
フレンティアの中心部から少し外れた場所ではあるが、多くの旅人が立ち寄っている。
「クレアはフレンティアの次はどこへ訪れる予定ですか?」
「……ルクレイシアに行くつもりです」
「西の方ですか。そうなるともう少し奥の方に行けばルクレイシアの物が売っていると思います」
「………はい」
クレアはルークの案内を拒否していたが、こうして案内してもらうと、ルークの案内は丁寧かつクレアに寄り添った満足のいくものだった。
今だって必要な物だけを買うためにクレアがこれから行く土地の商品が売ってる場所へ案内してくれている。
(…悔しいけど、案内を頼んで正解だったかも)
ルークはクレアのふてくされた顔に喜びながら案内を続けた。
商店街の入り口から3分ほど歩いたあたりで、売っている商品の雰囲気ががらりと変わった。
どうやら、売る商品がどこからやってきたかで区切っているようだ。
今までは水晶や白い皿といったフレンティアから南にある水辺の地域が特産の商品だったが、今歩いているあたりは掛け軸や陶磁器などが売られているため、東の地域から取り寄せた商品のようだ。
クレアは北から旅をしてきたため、南の特産も東の特産も縁がなかったようで、少し目が奪われる。
クレアが何度か足を止めるので、ルークはくすりと笑ってクレアに提案する。
「ご飯にしましょうか。南も東も珍しいご飯ですが、相性が良くてやみつきになると思います」
「………試してみましょう」
フレンティアに入る際に悪さをしていた男を捕まえたことで、他の人よりも早くフレンティアへ入っていた。
その際、検閲を担当した検閲官の男がクレアの横を歩いている。
ちなみに、ついてこいともお供しますとも言われていない。つまり、完全につきまとわれている。
クレアは自分の横をピッタリと歩いてくる男に向かい合った。
「どこまでついてくる気ですか」
クレアの問いに男はやっと相手にしてもらえたことに笑顔を見せる。
そうして、男はその場で跪き、クレアの右手を取り、自身の額に近づける。
男は金髪で顔立ちが整っているからか、そうした行動をしているだけで道行く人から注目を浴びている。
クレアは嫌そうな顔をして右手を引き抜こうとするが離れない。
男はお構いなしに話す。
「クレア様、ご挨拶が遅くなり大変申し訳ございません。私は普段、ここ、フレンティアで警備を担当しているルークという者です。
フレンティアではあなたのお力になりましょう。以後、お見知り置きを」
「いや、結構です。あと、様はやめてください」
ルークの王子のような笑顔とセリフに、クレアは間髪入れずに断った。
今まで負け知らずだったのか、断られたのが意外な顔でルークはクレアを見た。
そして、クレアが本当に迷惑そうにしているのを見てすぐにクレアの右手を離した。
「失礼しました。では、クレアと呼ばせていただきますね。敬語や振る舞いに関しては、女性には紳士らしく接するよう幼い頃からしつけられており、直せないのでお許しを」
「はあ、そうですか……。もう行ってもいいですか」
クレアと目線を合わせるために跪いたまま、ルークは笑顔で謝罪した。
クレアはルークに握られていた右手をひっこめて、歩き出すと、ルークはクレアについてくる。
「ついてこないでください。迷惑です」
「フレンティアはガイドなしでは買うものが増えて大変ですよ?何せ、商業都市です。みなさん売り込むのが本当にうまいですから」
「私は旅に必要な物だけ買って出るので
余分なものは買わないかと思います」
「そういった必需品もいろんな場所で売られています。その分、どこの商品が一番評価がいいかわからない旅人のクレアさんは損な買い物をしてしまわないか心配です」
どうどう巡りが始まってしまい、クレアはめんどうな人に検閲されたと後悔した。
クレアが諦めてルークの同行を許可すると、ルークは顔を輝かせてクレアの横を歩くようになった。
【フレンティア 『さすらいの商店街』】
フレンティアで一番栄えているのが『さすらいの商店街』という場所だ。
名前に『さすらい』がある通り、各地からやってきた商人の珍しい商品が取り揃えられている。
また、フレンティアに来るまでに通ってきた国や町の気候や文化に応じた商品も売っていて、旅に向かう者にとっては重要な場所である。
クレアはルークに案内されて『さすらいの商店街』を訪れていた。
フレンティアの中心部から少し外れた場所ではあるが、多くの旅人が立ち寄っている。
「クレアはフレンティアの次はどこへ訪れる予定ですか?」
「……ルクレイシアに行くつもりです」
「西の方ですか。そうなるともう少し奥の方に行けばルクレイシアの物が売っていると思います」
「………はい」
クレアはルークの案内を拒否していたが、こうして案内してもらうと、ルークの案内は丁寧かつクレアに寄り添った満足のいくものだった。
今だって必要な物だけを買うためにクレアがこれから行く土地の商品が売ってる場所へ案内してくれている。
(…悔しいけど、案内を頼んで正解だったかも)
ルークはクレアのふてくされた顔に喜びながら案内を続けた。
商店街の入り口から3分ほど歩いたあたりで、売っている商品の雰囲気ががらりと変わった。
どうやら、売る商品がどこからやってきたかで区切っているようだ。
今までは水晶や白い皿といったフレンティアから南にある水辺の地域が特産の商品だったが、今歩いているあたりは掛け軸や陶磁器などが売られているため、東の地域から取り寄せた商品のようだ。
クレアは北から旅をしてきたため、南の特産も東の特産も縁がなかったようで、少し目が奪われる。
クレアが何度か足を止めるので、ルークはくすりと笑ってクレアに提案する。
「ご飯にしましょうか。南も東も珍しいご飯ですが、相性が良くてやみつきになると思います」
「………試してみましょう」
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