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3-オルレアンの少女は湖畔に哭く
良かれと思ったら粛正された話
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戦いは調理前から始まっている、半日前に冷凍庫から冷蔵庫へ移し、30分程度前に冷蔵庫から出して、ゆーっくりと外気温まで温めておかねばならない。冷えたままでは焼きムラが出る、冷凍したままなど言語道断。できればキッチンペーパーで余分な水気を取り、"片面のみ"に切り込みを入れ、叩いて伸ばして厚みを均等にするべし。
次にフライパンを熱する、これでもか、これでもかと熱する。乗せた瞬間、まるでシンバルでも叩いたようにジュワーーッと鳴るまでだ。ただし節度はわきまえよ、家でキャンプファイヤーしたくなければ。
事前の下味は塩コショウのみ、焼き終えた後にソースをかけるつもりならそう多くふりかける必要は無い。塩には脱水効果があるので早すぎてはいけない、あくまで焼く直前だ、でないとパサパサになる。
さあいよいよ本番である、最大火力で焼いていこう。気にするのは焼き色だ、いい感じになったらひっくり返して反対側も同じ色にする。両側好みの色になったならよし、ここで内部を気にする必要は無い。次は火を弱火に、アルミホイルか鍋蓋をかぶせて1分ほど蒸し焼きしていく、オーブンがあるならそれでもいい。終わったらフライパンから上げる、ここからは余熱調理だ、アルミホイルで全体を包んで4分から5分放っておく。
ソースに関してはそれこそお好みだが、食べる直前に熱を加えて初めて完成するものもあるので注意のこと。北関東出身の某チェーン店のタマネギたっぷりな某タレがそれだ、本体ではなく熱々の鉄板にかけるように。
「どうぞ」
サーロインステーキ、そういう名前の料理が鉄板に乗り、フライドポテト、ニンジンのソテーを伴ってシオンの前にコトリと置かれた。続いて塩、コショウ、ステーキソースの容器、コンソメスープが後を追ってくる。
牛肉である、ヘビでもワニでもカエルでもなく、はたまた触手のぶつ切りでもなく牛肉である。しかもただの牛肉ではない、和牛である。実際にそれが出てきた瞬間、シオン筆頭のサーティエイトは少しばかり固まった。動き出したかと思うや顔を見合わせ、頰をつねり合い、現実と確信、ばたばたし出した。
ただし、メルを除く。何をしているのかは不明だが鉱山から帰ってきて以降、寝る間も惜しんでパソコンとにらめっこしている、牛肉ステーキと言っても反応は「私はいいや」だった、元からゲテモノという概念の無い舌だったので当然といえば当然といえようが。
「…!」
「…~……!」
「ーー…!!」
「冷める前に食べて……」
で、牛肉。
買ってきたのはシオンだった、が、調理担当フェルト氏が「絶対失敗したくない」とのたまるので、ここは内周部フェイ宅、焼いたのもフェイである。ちゃんとした骨組みと壁と屋根を持つ家だ、1DKの平家、広いか狭いかで言えばかなり狭いが、雨漏りはしないし窓にガラスははまってるし玄関先で焚き火しなくてもいい。
「すっごい柔らかいんだけどぉ……」
「ヘビもこのくらい美味しかったらいいのに……」
「ヘビ…!?」
「飼って肥えさせてみます? ネズミとか」
「ネズミ…っ!!?」
泣きそうな、いや実際泣いてる3人がステーキを味わいながら行う会話にフェイは終始ドン引きしていたが、やがて聞かなかった事にしてテーブルから離れ、調理器具の片付けを始めた。あっという間に食べ終えた後はフェルトも手伝い、最小限の水で洗われた食器がすべてシンク脇に並べられる。
「次食べられるのはいつだろうねぇ」
「ナイトメアクラスの仕事が入ればすぐにでも」
「いや一生に一度くらいで勘弁して……」
そう、ナイトメア討伐成功報酬だ、それによってこの贅沢は実現した。しばらく遊んで暮らせる、というほどではないが、まぁ、少しくらいはいいよね、と。
それぞれイスの背もたれに寄りかかってぽつぽつと会話、最大の功労者であるヒナだけは眉を寄せたものの、仕事の予定は現在無し、今日はまったりするだけだ。
「炸裂弾頭の8.6mmマッチグレード弾10発より牛肉一切れの方が高いっていう事自体をいい加減どうにかするべきだと思うけど」
「ああ、フェイ、あれ無かったらマジ死んでた」
「なら良かった」
ひとしきりぐでんとした後、ちゃんと座って、出されたお茶をすする。シオンの知らぬ間にヒナとの間で何かあったようだ、あんまり笑いたがらないフェイがほんの少しだけ微笑んだのを見るに、良い事のようなので別段追求しなくてもよかろう。
そうしたらどっかから質問が飛ばされてきた、残りの報酬金は貯蓄かと。理想的とは言えるもののそういう訳にはいかない、4人が必要とするものは非常に多い。すぐ名前が挙がっただけでもフェルトのバーベキューコンロ、ヒナの温水シャワー。メルはなんかウェアラブルコンピュータとか言っていた。
「心配なさるな既に購入済みだこれを見ろぉー!!」
そんな中、シオンだけは何も提案しなかった、もう手に入れていたのだから当然である。牛肉の運搬に使ったバッグをまさぐって、買いたて新品のそれを取り出して、でん、とテーブル中央にそれを置いてみせる。
直径15cm、長さ20cm程度の円筒だ、黒色で、黄色い文字が書かれている。上部には突起があり、大きな乾電池、と言われるともうそれにしか見えない。
「電力-魔力変換器付き大容量バッテリー」
フェイは一目で言い当てた、彼女に大きく頷く。
そもそも魔力とは人体から常に発散されている、ヒト科生物の生存に適さない環境に長いこと置かれたせいで手に入れた"新機能"である。ある程度の放射線に抵抗し、4人が普段やっているようにAI兵器との戦闘で多用される。適切な訓練を積めば変換器も貯蔵器も無しに自身の魔力のみによって武器を強化する事も可能であるが、人体の魔力貯蔵量はそう多くない。
そこで考え出されたのが変換器だ、魔力だろうと何だろうと結局はエネルギー、ジュールのやりとりなので、貯蔵に適した状態へ変換して外部に貯めておけばいいのである。選ばれたのが電気だった、超普遍的なエネルギー形態で、電子機器、照明、調理、あらゆるものに使用できる。
改めて円筒を見てみよう、その電気を貯められるバッテリーと変換器のセットだ。戦闘は元より、普段の家事、炊事にも応用でき、武器屋魔力屋を介さず通常弾頭を魔力充填弾頭にする事ができる。しかも、こんなナリだが、今いるフェイの家で消費される全電力を、フル充電状態なら1週間は賄えるほど容量が大きい。付け加え変換できるのは電力→魔力だけではない、一切の訓練を受けておらずとも肌身離さず持ち歩けば僅かなりとも充電されていく。
長距離遠征を睨んでの投資だ、2日3日ならともかく、1週間以上の作戦行動をするとなると絶対に必要なものである。
「これさえあればもう充填工賃を払う必要はありませんよぉ! さらに電熱器と組み合わせればお湯も沸かせる! コンセント着ければヘッドギアの充電もできる! 明かりも点く!」
「まぁ、それはわかるけどアンタ…買う前に誰かに言った?」
「言ってない」
「報酬金どれだけ使った?」
「全部」
ぜんぶ、言った瞬間シオン以外の2人は立ち上がる。元から立っていたフェイは玄関に繋がるドア付近にあった観葉植物を移動させスペース確保、「お、なんだなんだ?」と言っているうちにシオンは立たされ移動させられ、確保したスペースでうつ伏せに寝かされた。極めてシンプルだ、伸ばした左腕をフェルトが跨ぎ、お尻で背中を固定、前腕を両手で掴み、上に持ち上げるだけ。
「そぉーれっ♩」
「痛だだだだだだだだ!! あ゛ーーっ!! ギブギブギブギブ!! 言い訳くらい言わせろぉーー!!」
「じゃかぁしいわ!! 私がやらないだけマシだと思え!!」
絶叫するシオンにヒナは叫び返し、その間フェルトは満面の笑みで関節をキメ続ける。確かにたぶん優しい方だ、ヒナにやられるのは本当にまずい、手首のスナップだけで人の骨を折る御仁である。
で、とかなんとか粛正されていたら、玄関のドアが叩かれる音がした。
「夕花さーん、夕花 桐乃さーん」
続けて誰かの呼び声である、郵便物か何か、ではないように見える。関節は緩まなかったが、目を揃えて玄関方向を見、次いでフェイの顔を見た。
「夕花?」
「桐乃?」
「何」
「あ、本名……」
この家の玄関に立って人を呼ぶ以上、該当するのは1人しかいない。それはわかっていたものの、フェイの本名だと確定するや割と意外なその名にじわじわきて、口元が段々とにやついていく。
「桐乃」
「ふふ…きりの…」
「きりりん……」
「変なあだ名付けないで……」
応答するべく、家主はシオンを跨いで玄関へ向かっていった。その後こちらはしばらくにやにや継続、微かな話し声に聞き耳を立てる。ただしシオンは除く。
「つか…フェルトさん…! そろそろ許…!」
「だぁーめ♩」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 折れるて!!」
「ストップ」
「おっ…?」
許して頂けた、いやそうは見えないが、玄関の様子を伺っていたヒナが急に真顔になってフェルトを静止した。シオンの左腕は解放され、何か起きたかとそっちを見てみれば、早足でフェイが戻ってくるところ。
「非常呼集、すぐ戻って」
フェイは壁にかかっていたヘリコプターの鍵を取る、こちらは跳ねるように立ち上がる。
「工作部隊が攻撃を受けてる」
次にフライパンを熱する、これでもか、これでもかと熱する。乗せた瞬間、まるでシンバルでも叩いたようにジュワーーッと鳴るまでだ。ただし節度はわきまえよ、家でキャンプファイヤーしたくなければ。
事前の下味は塩コショウのみ、焼き終えた後にソースをかけるつもりならそう多くふりかける必要は無い。塩には脱水効果があるので早すぎてはいけない、あくまで焼く直前だ、でないとパサパサになる。
さあいよいよ本番である、最大火力で焼いていこう。気にするのは焼き色だ、いい感じになったらひっくり返して反対側も同じ色にする。両側好みの色になったならよし、ここで内部を気にする必要は無い。次は火を弱火に、アルミホイルか鍋蓋をかぶせて1分ほど蒸し焼きしていく、オーブンがあるならそれでもいい。終わったらフライパンから上げる、ここからは余熱調理だ、アルミホイルで全体を包んで4分から5分放っておく。
ソースに関してはそれこそお好みだが、食べる直前に熱を加えて初めて完成するものもあるので注意のこと。北関東出身の某チェーン店のタマネギたっぷりな某タレがそれだ、本体ではなく熱々の鉄板にかけるように。
「どうぞ」
サーロインステーキ、そういう名前の料理が鉄板に乗り、フライドポテト、ニンジンのソテーを伴ってシオンの前にコトリと置かれた。続いて塩、コショウ、ステーキソースの容器、コンソメスープが後を追ってくる。
牛肉である、ヘビでもワニでもカエルでもなく、はたまた触手のぶつ切りでもなく牛肉である。しかもただの牛肉ではない、和牛である。実際にそれが出てきた瞬間、シオン筆頭のサーティエイトは少しばかり固まった。動き出したかと思うや顔を見合わせ、頰をつねり合い、現実と確信、ばたばたし出した。
ただし、メルを除く。何をしているのかは不明だが鉱山から帰ってきて以降、寝る間も惜しんでパソコンとにらめっこしている、牛肉ステーキと言っても反応は「私はいいや」だった、元からゲテモノという概念の無い舌だったので当然といえば当然といえようが。
「…!」
「…~……!」
「ーー…!!」
「冷める前に食べて……」
で、牛肉。
買ってきたのはシオンだった、が、調理担当フェルト氏が「絶対失敗したくない」とのたまるので、ここは内周部フェイ宅、焼いたのもフェイである。ちゃんとした骨組みと壁と屋根を持つ家だ、1DKの平家、広いか狭いかで言えばかなり狭いが、雨漏りはしないし窓にガラスははまってるし玄関先で焚き火しなくてもいい。
「すっごい柔らかいんだけどぉ……」
「ヘビもこのくらい美味しかったらいいのに……」
「ヘビ…!?」
「飼って肥えさせてみます? ネズミとか」
「ネズミ…っ!!?」
泣きそうな、いや実際泣いてる3人がステーキを味わいながら行う会話にフェイは終始ドン引きしていたが、やがて聞かなかった事にしてテーブルから離れ、調理器具の片付けを始めた。あっという間に食べ終えた後はフェルトも手伝い、最小限の水で洗われた食器がすべてシンク脇に並べられる。
「次食べられるのはいつだろうねぇ」
「ナイトメアクラスの仕事が入ればすぐにでも」
「いや一生に一度くらいで勘弁して……」
そう、ナイトメア討伐成功報酬だ、それによってこの贅沢は実現した。しばらく遊んで暮らせる、というほどではないが、まぁ、少しくらいはいいよね、と。
それぞれイスの背もたれに寄りかかってぽつぽつと会話、最大の功労者であるヒナだけは眉を寄せたものの、仕事の予定は現在無し、今日はまったりするだけだ。
「炸裂弾頭の8.6mmマッチグレード弾10発より牛肉一切れの方が高いっていう事自体をいい加減どうにかするべきだと思うけど」
「ああ、フェイ、あれ無かったらマジ死んでた」
「なら良かった」
ひとしきりぐでんとした後、ちゃんと座って、出されたお茶をすする。シオンの知らぬ間にヒナとの間で何かあったようだ、あんまり笑いたがらないフェイがほんの少しだけ微笑んだのを見るに、良い事のようなので別段追求しなくてもよかろう。
そうしたらどっかから質問が飛ばされてきた、残りの報酬金は貯蓄かと。理想的とは言えるもののそういう訳にはいかない、4人が必要とするものは非常に多い。すぐ名前が挙がっただけでもフェルトのバーベキューコンロ、ヒナの温水シャワー。メルはなんかウェアラブルコンピュータとか言っていた。
「心配なさるな既に購入済みだこれを見ろぉー!!」
そんな中、シオンだけは何も提案しなかった、もう手に入れていたのだから当然である。牛肉の運搬に使ったバッグをまさぐって、買いたて新品のそれを取り出して、でん、とテーブル中央にそれを置いてみせる。
直径15cm、長さ20cm程度の円筒だ、黒色で、黄色い文字が書かれている。上部には突起があり、大きな乾電池、と言われるともうそれにしか見えない。
「電力-魔力変換器付き大容量バッテリー」
フェイは一目で言い当てた、彼女に大きく頷く。
そもそも魔力とは人体から常に発散されている、ヒト科生物の生存に適さない環境に長いこと置かれたせいで手に入れた"新機能"である。ある程度の放射線に抵抗し、4人が普段やっているようにAI兵器との戦闘で多用される。適切な訓練を積めば変換器も貯蔵器も無しに自身の魔力のみによって武器を強化する事も可能であるが、人体の魔力貯蔵量はそう多くない。
そこで考え出されたのが変換器だ、魔力だろうと何だろうと結局はエネルギー、ジュールのやりとりなので、貯蔵に適した状態へ変換して外部に貯めておけばいいのである。選ばれたのが電気だった、超普遍的なエネルギー形態で、電子機器、照明、調理、あらゆるものに使用できる。
改めて円筒を見てみよう、その電気を貯められるバッテリーと変換器のセットだ。戦闘は元より、普段の家事、炊事にも応用でき、武器屋魔力屋を介さず通常弾頭を魔力充填弾頭にする事ができる。しかも、こんなナリだが、今いるフェイの家で消費される全電力を、フル充電状態なら1週間は賄えるほど容量が大きい。付け加え変換できるのは電力→魔力だけではない、一切の訓練を受けておらずとも肌身離さず持ち歩けば僅かなりとも充電されていく。
長距離遠征を睨んでの投資だ、2日3日ならともかく、1週間以上の作戦行動をするとなると絶対に必要なものである。
「これさえあればもう充填工賃を払う必要はありませんよぉ! さらに電熱器と組み合わせればお湯も沸かせる! コンセント着ければヘッドギアの充電もできる! 明かりも点く!」
「まぁ、それはわかるけどアンタ…買う前に誰かに言った?」
「言ってない」
「報酬金どれだけ使った?」
「全部」
ぜんぶ、言った瞬間シオン以外の2人は立ち上がる。元から立っていたフェイは玄関に繋がるドア付近にあった観葉植物を移動させスペース確保、「お、なんだなんだ?」と言っているうちにシオンは立たされ移動させられ、確保したスペースでうつ伏せに寝かされた。極めてシンプルだ、伸ばした左腕をフェルトが跨ぎ、お尻で背中を固定、前腕を両手で掴み、上に持ち上げるだけ。
「そぉーれっ♩」
「痛だだだだだだだだ!! あ゛ーーっ!! ギブギブギブギブ!! 言い訳くらい言わせろぉーー!!」
「じゃかぁしいわ!! 私がやらないだけマシだと思え!!」
絶叫するシオンにヒナは叫び返し、その間フェルトは満面の笑みで関節をキメ続ける。確かにたぶん優しい方だ、ヒナにやられるのは本当にまずい、手首のスナップだけで人の骨を折る御仁である。
で、とかなんとか粛正されていたら、玄関のドアが叩かれる音がした。
「夕花さーん、夕花 桐乃さーん」
続けて誰かの呼び声である、郵便物か何か、ではないように見える。関節は緩まなかったが、目を揃えて玄関方向を見、次いでフェイの顔を見た。
「夕花?」
「桐乃?」
「何」
「あ、本名……」
この家の玄関に立って人を呼ぶ以上、該当するのは1人しかいない。それはわかっていたものの、フェイの本名だと確定するや割と意外なその名にじわじわきて、口元が段々とにやついていく。
「桐乃」
「ふふ…きりの…」
「きりりん……」
「変なあだ名付けないで……」
応答するべく、家主はシオンを跨いで玄関へ向かっていった。その後こちらはしばらくにやにや継続、微かな話し声に聞き耳を立てる。ただしシオンは除く。
「つか…フェルトさん…! そろそろ許…!」
「だぁーめ♩」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 折れるて!!」
「ストップ」
「おっ…?」
許して頂けた、いやそうは見えないが、玄関の様子を伺っていたヒナが急に真顔になってフェルトを静止した。シオンの左腕は解放され、何か起きたかとそっちを見てみれば、早足でフェイが戻ってくるところ。
「非常呼集、すぐ戻って」
フェイは壁にかかっていたヘリコプターの鍵を取る、こちらは跳ねるように立ち上がる。
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