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4-フランケンシュタインの怪物に一握の温もりを
クソ野朗は微小世界に笑う
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リブロ、と男は名乗った。あと明るい場所に出た途端、ヒナに色目を使い始めた。
「いや、飼い慣らして調教した訳じゃない、あくまで制御だ。ナノマシンって知ってるかな?」
知っている訳が無い、まして勉強に励まねばならない期間を治療とリハビリに費やしたヒナは。
異形とはいえ動物、競走馬の厩舎のようなものを想像していたのだが、そこは見るからに研究所だった。複数の建物が寄り集まった施設で外周部分は廃ビルや廃材で賄いつつ、滅菌が必要な中枢部は白を基調とした新造施設、よくわからない、精密な機械だというのだけはわかる設備が並んでいる。
「目に見えないほど小さなロボットの事だ、血管内に注入されたこいつは各種細胞組織に働きかけて身体機能を強化、かつ脳を制御下に置く。マシンは無線信号で俺達の指示を受け……そっちは"キメラ"と呼んでるのかな?それを思い通りに動かしてる」
「ロボット……」
「安心してくれ、AIを搭載、ないしインストールする余地は無い」
ド派手な服の上から白衣を羽織って見た目だけは研究者になったリブロ、小瓶に詰められた液体を2人に見せるも、ただの水である、ロボットが入ってるとはまず思わない。小瓶は保管ボックスに戻して、部下らしいのにパソコンの操作を指示、壁のモニターに映像を流す。その際ヒナに向けてドヤ顔を決めていたが、スルーされた。
さっきのキメラがグリムリーパーやゴライアスを叩き潰したり八つ裂きにしたりするビデオだ、イヌだけでなくゴリラやイノシシっぽいのもいる。
「魔力、使ってるよねぇ」
「このサイズのものがそれ無しでAI兵器に対抗なんかできないからな、苦労したぞ、ここ最近になってようやく安定して発現するようになったんだ」
カマかけのつもりでフェルトは言ったものの、あっさり認めて彼は次の説明に移る。ナノテクノロジー、ナノテクしか研究していないらしい、魔力がどんなものかはどうでもよく、どうすればナノマシン制御で魔力を使用させられるかしか興味が無いのだ。良くも悪くも研究者であり、指定した条件下での実験結果しか知らない。ナノテク分野では突出しているかもしれないが、命がけで激戦地に展開し、あらゆる手段をもってAI兵器を薙ぎ倒してきた実戦部隊であるこちらとは知識の質が違うのだ。
「自然環境に放出されたナノマシンの危険性はぁ?」
「温度変化に弱いように作ってある、体外に排出されたマシンが生き延びて他の生物の体内に入るとは考えにくいが……どっちにしろ無線信号無しじゃ作動しないし無効化もできる、無用な心配だよ」
「ふぅん……」
「口で説明できるのはここまでだな、夜が明ければ実際に見せられる、ひとまず今夜はベッドを用意するから……」
「いやいい、朝また来る」
「そうか?外で寝るより絶対いいと思うがーー……あーちょっと……」
話が終わったと見るや、ずっと変な目で見られてたヒナは回れ右、つかつかと研究室から出ていった。軽く会釈を残したフェルトも遅れて後を追い、自動ドアを通って外へ。彼の視界から外れても超早足なヒナに食らいつき、ランタン点灯、キャンプへ戻る。
「いいの?」
「外のが絶対安全だわ、酒飲ませてくるか夜這いかけてきた時点で骨全部折っていいなら泊まるけど」
やりかねない、というかやれる。
「んで、問題点はどこにあるの? 知ってたでしょ」
「へ…?」
「到着前から」
速度このままメルの元まで戻るのだと思っていた、しかし研究所から十分離れたあたりで彼女は立ち止まり、ちょいちょいと、手招きしながら建物の影に寄っていく。
「会ったばっかの他人って訳でもないでしょう、どういう理由で喋りたがらないのかは知らないけど、困ってるならそう言って。ヤバい話なら守るし、戦う必要があるなら一緒に戦う、信用できない?」
「ん……や…そういうんじゃないけどぉ……」
そこからは無言の圧力だ、どこか悲しげな目で睨まれればごまかす手段も浮かんでこず、仕方ない、元々隠す理由も乏しかったのだ、目を伏せ息を吐く。
上への報告はどうするべきだろうか、想像していたものではなかった、およそ使い物にならなかった、いつかAI以上の脅威になり得るものだった。
「うーん……ヒナちゃん、あの子たちが操られてるの見て、可哀想って思った?」
「そりゃまぁ少しはね、自分の意思じゃないんだし。生きるか死ぬかの瀬戸際なんだから仕方ないとも思うけど」
「それが人間だったとしたら?」
「さすがに止める。いや……そこに差をつけちゃいけないってのはわかってるわよ? でも私達は人間だから……って……ぇ…?」
「確証はもう取ってるんだ」
唖然とした、いや絶句というのが正しいだろうか。突拍子が無さすぎる、何のヒントも無しにそこまで辿り着けというのは無理だ、アレは人間と大きく掛け離れすぎている。だがそれをやった、実現してしまったのだ彼らは。
「魔力を使えるのって人間だけだよ?」
「いや、飼い慣らして調教した訳じゃない、あくまで制御だ。ナノマシンって知ってるかな?」
知っている訳が無い、まして勉強に励まねばならない期間を治療とリハビリに費やしたヒナは。
異形とはいえ動物、競走馬の厩舎のようなものを想像していたのだが、そこは見るからに研究所だった。複数の建物が寄り集まった施設で外周部分は廃ビルや廃材で賄いつつ、滅菌が必要な中枢部は白を基調とした新造施設、よくわからない、精密な機械だというのだけはわかる設備が並んでいる。
「目に見えないほど小さなロボットの事だ、血管内に注入されたこいつは各種細胞組織に働きかけて身体機能を強化、かつ脳を制御下に置く。マシンは無線信号で俺達の指示を受け……そっちは"キメラ"と呼んでるのかな?それを思い通りに動かしてる」
「ロボット……」
「安心してくれ、AIを搭載、ないしインストールする余地は無い」
ド派手な服の上から白衣を羽織って見た目だけは研究者になったリブロ、小瓶に詰められた液体を2人に見せるも、ただの水である、ロボットが入ってるとはまず思わない。小瓶は保管ボックスに戻して、部下らしいのにパソコンの操作を指示、壁のモニターに映像を流す。その際ヒナに向けてドヤ顔を決めていたが、スルーされた。
さっきのキメラがグリムリーパーやゴライアスを叩き潰したり八つ裂きにしたりするビデオだ、イヌだけでなくゴリラやイノシシっぽいのもいる。
「魔力、使ってるよねぇ」
「このサイズのものがそれ無しでAI兵器に対抗なんかできないからな、苦労したぞ、ここ最近になってようやく安定して発現するようになったんだ」
カマかけのつもりでフェルトは言ったものの、あっさり認めて彼は次の説明に移る。ナノテクノロジー、ナノテクしか研究していないらしい、魔力がどんなものかはどうでもよく、どうすればナノマシン制御で魔力を使用させられるかしか興味が無いのだ。良くも悪くも研究者であり、指定した条件下での実験結果しか知らない。ナノテク分野では突出しているかもしれないが、命がけで激戦地に展開し、あらゆる手段をもってAI兵器を薙ぎ倒してきた実戦部隊であるこちらとは知識の質が違うのだ。
「自然環境に放出されたナノマシンの危険性はぁ?」
「温度変化に弱いように作ってある、体外に排出されたマシンが生き延びて他の生物の体内に入るとは考えにくいが……どっちにしろ無線信号無しじゃ作動しないし無効化もできる、無用な心配だよ」
「ふぅん……」
「口で説明できるのはここまでだな、夜が明ければ実際に見せられる、ひとまず今夜はベッドを用意するから……」
「いやいい、朝また来る」
「そうか?外で寝るより絶対いいと思うがーー……あーちょっと……」
話が終わったと見るや、ずっと変な目で見られてたヒナは回れ右、つかつかと研究室から出ていった。軽く会釈を残したフェルトも遅れて後を追い、自動ドアを通って外へ。彼の視界から外れても超早足なヒナに食らいつき、ランタン点灯、キャンプへ戻る。
「いいの?」
「外のが絶対安全だわ、酒飲ませてくるか夜這いかけてきた時点で骨全部折っていいなら泊まるけど」
やりかねない、というかやれる。
「んで、問題点はどこにあるの? 知ってたでしょ」
「へ…?」
「到着前から」
速度このままメルの元まで戻るのだと思っていた、しかし研究所から十分離れたあたりで彼女は立ち止まり、ちょいちょいと、手招きしながら建物の影に寄っていく。
「会ったばっかの他人って訳でもないでしょう、どういう理由で喋りたがらないのかは知らないけど、困ってるならそう言って。ヤバい話なら守るし、戦う必要があるなら一緒に戦う、信用できない?」
「ん……や…そういうんじゃないけどぉ……」
そこからは無言の圧力だ、どこか悲しげな目で睨まれればごまかす手段も浮かんでこず、仕方ない、元々隠す理由も乏しかったのだ、目を伏せ息を吐く。
上への報告はどうするべきだろうか、想像していたものではなかった、およそ使い物にならなかった、いつかAI以上の脅威になり得るものだった。
「うーん……ヒナちゃん、あの子たちが操られてるの見て、可哀想って思った?」
「そりゃまぁ少しはね、自分の意思じゃないんだし。生きるか死ぬかの瀬戸際なんだから仕方ないとも思うけど」
「それが人間だったとしたら?」
「さすがに止める。いや……そこに差をつけちゃいけないってのはわかってるわよ? でも私達は人間だから……って……ぇ…?」
「確証はもう取ってるんだ」
唖然とした、いや絶句というのが正しいだろうか。突拍子が無さすぎる、何のヒントも無しにそこまで辿り着けというのは無理だ、アレは人間と大きく掛け離れすぎている。だがそれをやった、実現してしまったのだ彼らは。
「魔力を使えるのって人間だけだよ?」
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