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11-Bonus Round Fight!
とりあえず追い払う
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「帰ってきたよぉーぃ」
『お疲れ様です。丁度いい、余裕があれば病院に寄ってください、ちょっとした会議がありますんで』
手頃な廃墟でサイクロプスを放牧し、それから歩いてフェルトとヒナは外縁部集落の端っこまで辿り着いた。とはいえ草原の先のバンカーはまだ見えない、ここから徒歩で帰宅すると日が沈んでしまうので、シオンに迎えを要請、お土産を一時降ろす。
「という訳だから」
「どういう訳だ?」
「アンタらを壁の内側に入れる度胸はさすがに私にもないわ」
「そんな事言うなよーー」
「顔割れてんのよアンタら……」
車か何かが到着する前にこのアンドロイド姉妹を追い払わなければならない、落ち着いたあたりでヒナが言った。中隊規模の戦力と大立ち回りしたティオは当然、アトラも前のボディの残骸を撮った写真が本部に納められている。変装したとて隠し通すのは難しい、大した人数がいないので、見知らぬ人がうろついているととても目立つのだ。
「心配するなわたしゃ機械だぞ、声ならいくらでも変えられる(イケボ)、なぁ?(イケボ)」
「手握んな…顔近付けんな……」
重要なのは声じゃない、ナイトメアの声を知っている者は6人だけだ。急に男性の声になってヒナを口説き始めたアトラだったが、ヒナからは嫌がられ、拗ねたティオからは抱き付かれる。そうこうしてる内に車のエンジン音が聞こえてきてしまったので、蚊帳の外にいたフェルトは通信機へ向かって一言。
「メルちゃん」
『強制退去プログラム作動』
「ぐっ!? クソが覚えてろよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
「姉様ぁぁぁぁぁぁぁ!」
途端にアトラはヒナの両手をばっと離し、最大速度でその場を走り去っていった。当然、ティオもそれについていく。あらかじめ指定してあった侵入禁止ラインを跨げないようにした命令らしい、内側でいきなり起動するとあんな感じに、本人の意思を無視して外側まで全力疾走させられる。
「軽油探しときなさーーい!」
その背中にヒナが言った。彼女らの補給に関する話である、単独行動がデフォルトだったのだからバッテリー充電くらい自分でなんとかするだろうが、ディーゼル発電機に心当たりがあったためとりあえず言っておく。
完全に姿が見えなくなった数秒後、ハーフトラックが丘を駆け上ってきた。既に人が複数乗っており、何か他の仕事、荷台に積まれた資材を見る限り電波中継基地の設営に使われている車両に見える。すぐ近くだから拾ってこい、とでも言われたのだろう。
「こんにちはー!」
その荷台で少女が1人、超元気良く手を振っていた、見ない顔だ。そよ風の吹く草原がとんでもなく似合う白のワンピースと黄色の長髪をたなびかせ、停止したトラックからわたわたと降りる。ハイヒールシューズで草を踏み、フェルトとヒナの前へ立って、そして太陽が如き満面の笑顔。
「こんにちは!」
「こ、こんにちは……」
「あの! 鈴蘭って言います! ヒナさんとフェルトさんですよね!?」
「そうだけど……」
「よかったぁ! お話を聞いてからすごく会ってみたくて! 帰ってきたって聞いたら居ても立っても居られなくなって来ちゃったんですけど!」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁ眩しいぃぃぃぃぃぃ!!」」
太陽が如きじゃねえ太陽そのものだこれ、フェルトとヒナで一緒に顔を隠して仰け反ると少女はキョトン顔、両者を交互に見る。
「これ、運んでも?」
「あ、お願いしまぁす。ひとつ持ってっていいからねぇ」
この太陽のせいでまったく気付かなかったがいつの間にか表情の死んだ少年がヤク肉の冷凍パックを荷台へ積み込みしていた。まさしく陰と陽である、ほとんど喋らないアラドは鈴蘭さんの発する光に隠れている。
「なんぞこの組み合わせ……」
「月と太陽だねぇ」
「月と太陽!」
「…………」
「ちょっとは乗ってくださいよぉぉ!」
フェルトの呟きに反応して妙なポーズを決めた鈴蘭、アラドに無視されるやばたばた後を追っていく。
疲れる、疲れるぞ絶対これ。
「え、前までどこにいた人?」
「実は記憶喪失で、気が付いたら地下室で寝てて、今はレアさんのお宅に。でもここ数日はシオンさんにお仕事教わってました!」
「あっ、ふぅーん」
「疲れそうって思いました?」
「思ってない」
「……」
「思ってない思ってない」
『お疲れ様です。丁度いい、余裕があれば病院に寄ってください、ちょっとした会議がありますんで』
手頃な廃墟でサイクロプスを放牧し、それから歩いてフェルトとヒナは外縁部集落の端っこまで辿り着いた。とはいえ草原の先のバンカーはまだ見えない、ここから徒歩で帰宅すると日が沈んでしまうので、シオンに迎えを要請、お土産を一時降ろす。
「という訳だから」
「どういう訳だ?」
「アンタらを壁の内側に入れる度胸はさすがに私にもないわ」
「そんな事言うなよーー」
「顔割れてんのよアンタら……」
車か何かが到着する前にこのアンドロイド姉妹を追い払わなければならない、落ち着いたあたりでヒナが言った。中隊規模の戦力と大立ち回りしたティオは当然、アトラも前のボディの残骸を撮った写真が本部に納められている。変装したとて隠し通すのは難しい、大した人数がいないので、見知らぬ人がうろついているととても目立つのだ。
「心配するなわたしゃ機械だぞ、声ならいくらでも変えられる(イケボ)、なぁ?(イケボ)」
「手握んな…顔近付けんな……」
重要なのは声じゃない、ナイトメアの声を知っている者は6人だけだ。急に男性の声になってヒナを口説き始めたアトラだったが、ヒナからは嫌がられ、拗ねたティオからは抱き付かれる。そうこうしてる内に車のエンジン音が聞こえてきてしまったので、蚊帳の外にいたフェルトは通信機へ向かって一言。
「メルちゃん」
『強制退去プログラム作動』
「ぐっ!? クソが覚えてろよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
「姉様ぁぁぁぁぁぁぁ!」
途端にアトラはヒナの両手をばっと離し、最大速度でその場を走り去っていった。当然、ティオもそれについていく。あらかじめ指定してあった侵入禁止ラインを跨げないようにした命令らしい、内側でいきなり起動するとあんな感じに、本人の意思を無視して外側まで全力疾走させられる。
「軽油探しときなさーーい!」
その背中にヒナが言った。彼女らの補給に関する話である、単独行動がデフォルトだったのだからバッテリー充電くらい自分でなんとかするだろうが、ディーゼル発電機に心当たりがあったためとりあえず言っておく。
完全に姿が見えなくなった数秒後、ハーフトラックが丘を駆け上ってきた。既に人が複数乗っており、何か他の仕事、荷台に積まれた資材を見る限り電波中継基地の設営に使われている車両に見える。すぐ近くだから拾ってこい、とでも言われたのだろう。
「こんにちはー!」
その荷台で少女が1人、超元気良く手を振っていた、見ない顔だ。そよ風の吹く草原がとんでもなく似合う白のワンピースと黄色の長髪をたなびかせ、停止したトラックからわたわたと降りる。ハイヒールシューズで草を踏み、フェルトとヒナの前へ立って、そして太陽が如き満面の笑顔。
「こんにちは!」
「こ、こんにちは……」
「あの! 鈴蘭って言います! ヒナさんとフェルトさんですよね!?」
「そうだけど……」
「よかったぁ! お話を聞いてからすごく会ってみたくて! 帰ってきたって聞いたら居ても立っても居られなくなって来ちゃったんですけど!」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁ眩しいぃぃぃぃぃぃ!!」」
太陽が如きじゃねえ太陽そのものだこれ、フェルトとヒナで一緒に顔を隠して仰け反ると少女はキョトン顔、両者を交互に見る。
「これ、運んでも?」
「あ、お願いしまぁす。ひとつ持ってっていいからねぇ」
この太陽のせいでまったく気付かなかったがいつの間にか表情の死んだ少年がヤク肉の冷凍パックを荷台へ積み込みしていた。まさしく陰と陽である、ほとんど喋らないアラドは鈴蘭さんの発する光に隠れている。
「なんぞこの組み合わせ……」
「月と太陽だねぇ」
「月と太陽!」
「…………」
「ちょっとは乗ってくださいよぉぉ!」
フェルトの呟きに反応して妙なポーズを決めた鈴蘭、アラドに無視されるやばたばた後を追っていく。
疲れる、疲れるぞ絶対これ。
「え、前までどこにいた人?」
「実は記憶喪失で、気が付いたら地下室で寝てて、今はレアさんのお宅に。でもここ数日はシオンさんにお仕事教わってました!」
「あっ、ふぅーん」
「疲れそうって思いました?」
「思ってない」
「……」
「思ってない思ってない」
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