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第20話 研究者の来訪と牧場の謎
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朝露に濡れた草原が朝日に輝く中、悠真は納屋から出てきたところだった。手には餌の入ったバケツを持ち、牧場の動物たちに朝食を与える準備をしている。
「よし、みんな元気にしてるかな」
彼が声をかけると、フレアが小屋から飛び出してきた。赤い毛並みが朝日に照らされて、まるで小さな炎のように見える。火狐は軽やかに跳ねながら悠真の足元へと駆け寄った。
「おはよう、フレア。今日も元気だな」
悠真がフレアの頭を撫でていると、遠くから誰かが牧場に向かって歩いてくる姿が見えた。見覚えのない人影に、彼は眉をひそめる。
「誰だろう?」
近づいてくる人物は、若い男性のようだ。肩にかけた大きなバッグと、首からぶら下げた複雑な機械が目を引く。茶色の髪は少し乱れ、丸眼鏡の奥には好奇心に満ちた眼差しが光っている。
「あの、こちらが白石牧場でしょうか?」
男性は牧場の柵の前で立ち止まり、悠真に声をかけた。声は柔らかく、どこか知的な印象を与える。
「ああ、そうだけど。君は?」
「すみません、突然お邪魔して。私はエイド・ローレンスと申します。王立アスターリーズ学院の研究員をしています」
男性は丁寧に頭を下げ、懐から身分証明書を取り出した。確かに王立の紋章が刻まれている。
「研究員?何の用だ?」
悠真が警戒心を隠さずに問うと、エイドは少し緊張した様子で笑顔を見せた。
「実は、こちらの牧場で飼育されている珍しい生物について調査させていただきたいと思いまして…」
その言葉に、フレアは耳をピンと立てた。悠真は思わず火狐の前に立ち、男を警戒する。
「うちの動物たちを実験材料にするつもりなら、帰ってもらうぞ」
「い、いえ!そんなつもりは全くありません!」
エイドは慌てて両手を振った。
「ただ観察させていただくだけです。彼らの生態を記録し、魔法生物の研究に役立てたいんです。決して捕獲したり傷つけたりするつもりはありません!」
悠真は黙ったまま男を観察した。嘘をついているようには見えない。しかし、動物たちを守るのは自分の責任だ。
「見学だけならいいが、動物たちがストレスを感じるようなこと控えてくれよ?」
「もちろんです!本当にありがとうございます!」
エイドの顔が喜びに満ちた。彼は急いでバッグから小さなノートと筆記用具を取り出した。
「では、早速…あ…」
彼の視線はフレアに固定され、言葉を失ったように見つめている。
「こ、これは…本物の火狐…」
その驚いた様子に、フレアは首を傾げた。悠真は腕を組み、エイドを観察していた。
「火狐のことを知っているのか?」
エイドは興奮を抑えようと深呼吸した。
「はい…学術書には載っていますが、実際に見たという報告は百年以上ないんです。尻尾の先が白いのは非常に珍しい特徴で…」
彼は言葉を選びながら続けた。
「彼は火を操ることができますか?」
「ああ、炎を出したり消したりできるようだな」
悠真が答えると、エイドは震える手でノートに何かを書き始めた。
「記録の通りなのですね、素晴らしい…」
その時、リーフィアが納屋から現れた。銀色の髪が朝日に照らされて綺麗に輝いている。
「悠真さん、朝食の準備ができましたよ。あら、お客様ですか?」
エイドはリーフィアを見て一瞬息を飲んだが、すぐに礼儀正しく頭を下げた。
「初めまして、エイドと申します。王立学院の研究員です」
「リーフィアと申します。こちらでお手伝いをしています」
リーフィアは優雅に会釈した。悠真は二人を見比べて言った。
「彼は牧場の動物たちを研究したいそうだ。観察だけなら許可を出した」
「そうですか。では、お茶をお出ししましょうか?」
「ありがとう」
三人が納屋に向かう途中、エイドはヘラクレスの角から揺らめく炎を見て、足を止めた。しばらく無言で見つめた後、小さく呟いた。
「角から炎を…これも記録にあるだけで…」
納屋の中、テーブルについた三人。リーフィアがハーブティーを注ぐ間、エイドは興奮を抑えながら質問を続けた。
「白石さん、これらの珍しい動物たちはどのように見つけたのですか?捕獲方法や飼育法について知りたいのです」
悠真はカップを手に取りながら答えた。
「捕獲なんてしていない。みんな自分からやってきたんだ。最初はベルが現れて、それから次々と…」
エイドは信じられないという表情を浮かべた。
「自発的に?そんなことが…何か特別な要因があるはずと思うのですが…」
「特に何もしていない。ただ…牧場経営のスキルが関係しているのかもしれないが」
「牧場経営?」
エイドは聞いたことのないスキルに首を捻った。
「あぁ、俺は異世界から召喚されたんだ。その時に牧場経営のスキルを貰ったんだ」
「異世界から?…なるほど、聞いたことはありましたが、あなたが王家の召喚した勇者様だったのですか」
「いや、どちらかと言えば俺は外れスキルの一般人だけどな…」
納得するエイドに対して、白石は独り言ちるように呟いた。
「確かに王家の召還による固有スキルということであれば可能性はありそうです。しかし、それだけとも…」
尚も感考え込むエイドに、今度はリーフィアが意見を出した。
「悠真さんには『ネイチャーリンク』というスキルがあって、それも関係しているのかもしれません」
「ネイチャーリンク?」
エイドの目が好奇心で光った。
「動物と心を通わせるスキルですか?詳しく教えていただけませんか」
彼はノートを開き、ペンを握りしめた。
「特に説明することもないんだ。ただ、動物たちの気持ちが少し分かるような…そんな感じだ。俺もまだよく分かってないしな」
悠真は肩をすくめた。
その時、納屋の扉が開き、ミリアムが元気よく飛び込んできた。
「おはようございます!今日はハーブが豊作で…あれ?お客様?」
亜麻色の髪が揺れ、緑色のドレスが朝の光に映える。彼女は好奇心旺盛な目でエイドを見つめていた。
「こんにちは、エイドです。王立学院の研究員をしています」
「まあ、研究員さんですか!私はミリアム・ハーブライトです。村から来てるんです」
ミリアムは興味津々で近づいてきた。
「何を研究してるんですか?」
「魔法生物学です。特に珍しい種の生態について調査しています」
「そうなんですか!悠真さんの牧場には変わった能力を持つ動物がたくさんいるんですよ」
エイドは微笑んだ。
「そうですね。白石さんから少し聞きました。非常に興味深い生物たちです」
彼はノートをめくりながら続けた。
「特に不思議なのは、これだけの珍しい生物が一か所に集まっていることです。通常、異なる属性の魔法生物は共存しないものなのですが…」
悠真はそんな二人の会話を聞きながら、考え込んでいた。確かに、なぜ彼の牧場に珍しい動物たちが集まるのか。単なる偶然なのだろうか。
「白石さん、このあたりの地形や環境に何か特徴はありますか?」
エイドが唐突に質問した。その真剣な眼差しに、悠真は少し戸惑った。
「特に変わったところはないと思うが…なぜそんなことを?」
「魔法生物は通常、自分の属性に合った環境を好みます。火の属性なら火山の近く、水の属性なら湖や川の近くといった具合に。しかし、この牧場には様々な属性の生物が共存している。これは非常に珍しい現象です」
彼は懐から古い地図を取り出した。それは羊皮紙に描かれており、端が少し焦げている。
「これは、私が学術保管庫で見つけた古地図のコピーです。このあたりの地形が記されていますが、かつてこの地域は『四霊の交わり』と呼ばれていたようです」
「四霊の交わり?」
リーフィアが興味を示した。エイドは頷いた。
「はい。火、水、風、雷の四つの自然力が交わる場所と伝えられています」
「だから様々な生物が集まるというのか」
悠真は窓の外に広がる牧場を見つめた。そこには平和に暮らす動物たちの姿がある。もしかすると、自分は特別な場所に導かれたのかもしれない。
「はい。そして、恐らくは白石さんの『ネイチャーリンク』というスキルが、さらにその効果を高めているのでしょう」
エイドはそこまで言ったあと、しばらく何かを考えるような様子を見せて、決意したように続けた。
「白石さん。一つお願いがあります」
「何だ?」
「私をこの牧場の客員研究員として受け入れていただけませんか?定期的に訪問して、動物たちの様子を観察し、記録を残したいのです」
悠真は突然の頼み事に迷いを見せたが、エイドは悪い人間ではないだろうと考えて、受け入れることにした。
「客員研究員か。いいだろう。でも、その代わりに動物たちの世話を手伝ってもらうぞ」
「喜んで!ありがとうございます!」
エイドは嬉しそうに両手を合わせた。リーフィアとミリアムも笑顔で頷いている。
その後、エイドは最後にもう一度フレアたちの様子を見てから、帰路についた。
牧場に静けさが戻った夕暮れ時、悠真はヘラクレスに餌をやりながら、今日の出来事を振り返っていた。
「悠真さん、お疲れ様でした」
リーフィアが夕食の準備を終え、納屋から出てきた。彼女の銀色の髪が夕日に照らされて美しく輝いている。
「ああ、みんなもお疲れ」
「今日も色々ありましたね」
彼女は空を見上げた。夕暮れの空に、最初の星が瞬き始めている。
「そうだな」
牧場は穏やかな静けさに包まれていた。ヘラクレスの角の炎が優しく揺れ、フレアが軽やかに駆け回る。ベルは小さな雷を放ちながらのんびりと草を食み、アクアは小川の近くで水の結晶を作って遊んでいる。
「悠真さん、何を考えているんですか?」
リーフィアの問いに、悠真は微笑んだ。
「何でもない。ただ、これからもこの牧場と、みんなを守っていこうと思ってたんだ」
彼の言葉に、リーフィアも優しく微笑んだ。
「私もお手伝いさせてください」
「あぁ、もちろんだ。これからもよろしく」
夕日が沈み、星空が広がり始める中、白石の牧場は穏やかな一日の終わりを迎えていた。そして明日もまた、新たな発見と出会いが待っているのだろう。悠真はそう思いながら、仲間たちと共に納屋へと歩いていった。
「よし、みんな元気にしてるかな」
彼が声をかけると、フレアが小屋から飛び出してきた。赤い毛並みが朝日に照らされて、まるで小さな炎のように見える。火狐は軽やかに跳ねながら悠真の足元へと駆け寄った。
「おはよう、フレア。今日も元気だな」
悠真がフレアの頭を撫でていると、遠くから誰かが牧場に向かって歩いてくる姿が見えた。見覚えのない人影に、彼は眉をひそめる。
「誰だろう?」
近づいてくる人物は、若い男性のようだ。肩にかけた大きなバッグと、首からぶら下げた複雑な機械が目を引く。茶色の髪は少し乱れ、丸眼鏡の奥には好奇心に満ちた眼差しが光っている。
「あの、こちらが白石牧場でしょうか?」
男性は牧場の柵の前で立ち止まり、悠真に声をかけた。声は柔らかく、どこか知的な印象を与える。
「ああ、そうだけど。君は?」
「すみません、突然お邪魔して。私はエイド・ローレンスと申します。王立アスターリーズ学院の研究員をしています」
男性は丁寧に頭を下げ、懐から身分証明書を取り出した。確かに王立の紋章が刻まれている。
「研究員?何の用だ?」
悠真が警戒心を隠さずに問うと、エイドは少し緊張した様子で笑顔を見せた。
「実は、こちらの牧場で飼育されている珍しい生物について調査させていただきたいと思いまして…」
その言葉に、フレアは耳をピンと立てた。悠真は思わず火狐の前に立ち、男を警戒する。
「うちの動物たちを実験材料にするつもりなら、帰ってもらうぞ」
「い、いえ!そんなつもりは全くありません!」
エイドは慌てて両手を振った。
「ただ観察させていただくだけです。彼らの生態を記録し、魔法生物の研究に役立てたいんです。決して捕獲したり傷つけたりするつもりはありません!」
悠真は黙ったまま男を観察した。嘘をついているようには見えない。しかし、動物たちを守るのは自分の責任だ。
「見学だけならいいが、動物たちがストレスを感じるようなこと控えてくれよ?」
「もちろんです!本当にありがとうございます!」
エイドの顔が喜びに満ちた。彼は急いでバッグから小さなノートと筆記用具を取り出した。
「では、早速…あ…」
彼の視線はフレアに固定され、言葉を失ったように見つめている。
「こ、これは…本物の火狐…」
その驚いた様子に、フレアは首を傾げた。悠真は腕を組み、エイドを観察していた。
「火狐のことを知っているのか?」
エイドは興奮を抑えようと深呼吸した。
「はい…学術書には載っていますが、実際に見たという報告は百年以上ないんです。尻尾の先が白いのは非常に珍しい特徴で…」
彼は言葉を選びながら続けた。
「彼は火を操ることができますか?」
「ああ、炎を出したり消したりできるようだな」
悠真が答えると、エイドは震える手でノートに何かを書き始めた。
「記録の通りなのですね、素晴らしい…」
その時、リーフィアが納屋から現れた。銀色の髪が朝日に照らされて綺麗に輝いている。
「悠真さん、朝食の準備ができましたよ。あら、お客様ですか?」
エイドはリーフィアを見て一瞬息を飲んだが、すぐに礼儀正しく頭を下げた。
「初めまして、エイドと申します。王立学院の研究員です」
「リーフィアと申します。こちらでお手伝いをしています」
リーフィアは優雅に会釈した。悠真は二人を見比べて言った。
「彼は牧場の動物たちを研究したいそうだ。観察だけなら許可を出した」
「そうですか。では、お茶をお出ししましょうか?」
「ありがとう」
三人が納屋に向かう途中、エイドはヘラクレスの角から揺らめく炎を見て、足を止めた。しばらく無言で見つめた後、小さく呟いた。
「角から炎を…これも記録にあるだけで…」
納屋の中、テーブルについた三人。リーフィアがハーブティーを注ぐ間、エイドは興奮を抑えながら質問を続けた。
「白石さん、これらの珍しい動物たちはどのように見つけたのですか?捕獲方法や飼育法について知りたいのです」
悠真はカップを手に取りながら答えた。
「捕獲なんてしていない。みんな自分からやってきたんだ。最初はベルが現れて、それから次々と…」
エイドは信じられないという表情を浮かべた。
「自発的に?そんなことが…何か特別な要因があるはずと思うのですが…」
「特に何もしていない。ただ…牧場経営のスキルが関係しているのかもしれないが」
「牧場経営?」
エイドは聞いたことのないスキルに首を捻った。
「あぁ、俺は異世界から召喚されたんだ。その時に牧場経営のスキルを貰ったんだ」
「異世界から?…なるほど、聞いたことはありましたが、あなたが王家の召喚した勇者様だったのですか」
「いや、どちらかと言えば俺は外れスキルの一般人だけどな…」
納得するエイドに対して、白石は独り言ちるように呟いた。
「確かに王家の召還による固有スキルということであれば可能性はありそうです。しかし、それだけとも…」
尚も感考え込むエイドに、今度はリーフィアが意見を出した。
「悠真さんには『ネイチャーリンク』というスキルがあって、それも関係しているのかもしれません」
「ネイチャーリンク?」
エイドの目が好奇心で光った。
「動物と心を通わせるスキルですか?詳しく教えていただけませんか」
彼はノートを開き、ペンを握りしめた。
「特に説明することもないんだ。ただ、動物たちの気持ちが少し分かるような…そんな感じだ。俺もまだよく分かってないしな」
悠真は肩をすくめた。
その時、納屋の扉が開き、ミリアムが元気よく飛び込んできた。
「おはようございます!今日はハーブが豊作で…あれ?お客様?」
亜麻色の髪が揺れ、緑色のドレスが朝の光に映える。彼女は好奇心旺盛な目でエイドを見つめていた。
「こんにちは、エイドです。王立学院の研究員をしています」
「まあ、研究員さんですか!私はミリアム・ハーブライトです。村から来てるんです」
ミリアムは興味津々で近づいてきた。
「何を研究してるんですか?」
「魔法生物学です。特に珍しい種の生態について調査しています」
「そうなんですか!悠真さんの牧場には変わった能力を持つ動物がたくさんいるんですよ」
エイドは微笑んだ。
「そうですね。白石さんから少し聞きました。非常に興味深い生物たちです」
彼はノートをめくりながら続けた。
「特に不思議なのは、これだけの珍しい生物が一か所に集まっていることです。通常、異なる属性の魔法生物は共存しないものなのですが…」
悠真はそんな二人の会話を聞きながら、考え込んでいた。確かに、なぜ彼の牧場に珍しい動物たちが集まるのか。単なる偶然なのだろうか。
「白石さん、このあたりの地形や環境に何か特徴はありますか?」
エイドが唐突に質問した。その真剣な眼差しに、悠真は少し戸惑った。
「特に変わったところはないと思うが…なぜそんなことを?」
「魔法生物は通常、自分の属性に合った環境を好みます。火の属性なら火山の近く、水の属性なら湖や川の近くといった具合に。しかし、この牧場には様々な属性の生物が共存している。これは非常に珍しい現象です」
彼は懐から古い地図を取り出した。それは羊皮紙に描かれており、端が少し焦げている。
「これは、私が学術保管庫で見つけた古地図のコピーです。このあたりの地形が記されていますが、かつてこの地域は『四霊の交わり』と呼ばれていたようです」
「四霊の交わり?」
リーフィアが興味を示した。エイドは頷いた。
「はい。火、水、風、雷の四つの自然力が交わる場所と伝えられています」
「だから様々な生物が集まるというのか」
悠真は窓の外に広がる牧場を見つめた。そこには平和に暮らす動物たちの姿がある。もしかすると、自分は特別な場所に導かれたのかもしれない。
「はい。そして、恐らくは白石さんの『ネイチャーリンク』というスキルが、さらにその効果を高めているのでしょう」
エイドはそこまで言ったあと、しばらく何かを考えるような様子を見せて、決意したように続けた。
「白石さん。一つお願いがあります」
「何だ?」
「私をこの牧場の客員研究員として受け入れていただけませんか?定期的に訪問して、動物たちの様子を観察し、記録を残したいのです」
悠真は突然の頼み事に迷いを見せたが、エイドは悪い人間ではないだろうと考えて、受け入れることにした。
「客員研究員か。いいだろう。でも、その代わりに動物たちの世話を手伝ってもらうぞ」
「喜んで!ありがとうございます!」
エイドは嬉しそうに両手を合わせた。リーフィアとミリアムも笑顔で頷いている。
その後、エイドは最後にもう一度フレアたちの様子を見てから、帰路についた。
牧場に静けさが戻った夕暮れ時、悠真はヘラクレスに餌をやりながら、今日の出来事を振り返っていた。
「悠真さん、お疲れ様でした」
リーフィアが夕食の準備を終え、納屋から出てきた。彼女の銀色の髪が夕日に照らされて美しく輝いている。
「ああ、みんなもお疲れ」
「今日も色々ありましたね」
彼女は空を見上げた。夕暮れの空に、最初の星が瞬き始めている。
「そうだな」
牧場は穏やかな静けさに包まれていた。ヘラクレスの角の炎が優しく揺れ、フレアが軽やかに駆け回る。ベルは小さな雷を放ちながらのんびりと草を食み、アクアは小川の近くで水の結晶を作って遊んでいる。
「悠真さん、何を考えているんですか?」
リーフィアの問いに、悠真は微笑んだ。
「何でもない。ただ、これからもこの牧場と、みんなを守っていこうと思ってたんだ」
彼の言葉に、リーフィアも優しく微笑んだ。
「私もお手伝いさせてください」
「あぁ、もちろんだ。これからもよろしく」
夕日が沈み、星空が広がり始める中、白石の牧場は穏やかな一日の終わりを迎えていた。そして明日もまた、新たな発見と出会いが待っているのだろう。悠真はそう思いながら、仲間たちと共に納屋へと歩いていった。
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