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鬼のような形相の女性が現われて真実を伝えてくる。卑怯な浮気男の裏切り!

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「私、今まで付き合ってきた彼氏の中で、あなたが1番大好きよ」
「本当に?俺も君が大好きさ」
見つめ合う私たち。
ああ、こんな幸せなときがずっと続いたらいいのに。
抱き合う私たちは強い愛情で繋がっていると感じた。

2人が見つめ合っていると、「なにをしているの!」と部屋のドアが激しく開く!
ドアの方を見ると棒を持ち、怒りに満ち溢れた表情の女性が立っていた。
「お前!どうしてここにいるってわかったんだ?!」
「わからないとでも思ってるの?旅館から予約の確認の連絡があったのよ」
「あなた、独身じゃないの?」
「ど、独身だよ。当たり前だろ」

「あなた!子供が家で待ってるのよ?!こんな脳ミソがカラッぽな女と浮気なんてして」
「誰が脳ミソがカラッぽな女よ!会社ではそれなりの地位があるわよ」
「そんな地位のある人が浮気なんてしていいのかしら?聞いて呆れるわ」
「結婚してるなんて聞いてないわ!あたしが不倫するわけがないでしょ」
「でも、あなたはあたしの旦那と浮気してるじゃないの!」

気づけば目の前にいた彼がいなくなっていた。
「あ!あそこにいるわ!」
「あなた!なにをしてるのよ!」
驚くことに、彼がベランダから飛び降りようとしている。
「危ないわ!」
「あなた!」
次の瞬間、旦那はベランダの柵を乗り越えて、下に落ちていった。
ベランダの下を見ると、裸足で逃げて行く。

逃げた先は旦那の実家だった。
「俺はもう帰らない。離婚して、実家に帰る」と奥さんに伝えた。
「お母さん、浮気しておいて、逃げようとしてるんですよ!ちゃんと話し合う場を設けてください」
「あのね、うちのマコトちゃんが浮気なんてするわけがないでしょ?こんないい子なんだから、誘われると断れないのよ。昔から心の優しい子なんだもの」
どうも、彼はマザコンなのだろう。
こんな男を愛した自分が恥ずかしい。

その後、彼は「ごめん、俺が悪かった」と泣いて謝ってきたけど、私は相手にしなかった。
奥さんからも離婚届を突きつけられて、路頭に迷った彼は爆食いをしたために太り、醜い姿になってしまう。
醜い姿の息子に愛想つきた母親と、会社でも嫌われて、孤独になってしまった。
今では行方をくらまし、誰も現在の彼について知らない。
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