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お粗末過ぎて笑うわ!同居する姑が嫁の私にしつこく嫌味をぶつけてくる…なら、私も嫌味で対抗します!

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「あなたがこの家に嫁いで来てよかったのかしら?」
いきなり姑が私に向かってこう言ってきた。
「え?」
「いえね、あなたが息子の辰郎ちゃんと結婚してからというもの、あの子の顔色が悪くなってるじゃない?それって、マズい料理のせいじゃないかって思ってね」
「そんなにマズくはないと思うんですけど」
「そうかしら?ちゃんと掃除もしてないから、あの子が埃を吸って病気になるんじゃないかって心配だわよ」
「掃除もちゃんとしてますし」
「でもね、あなたがこの家に来てからやたらと風が吹くようになったじゃない?これって、あなたが風を呼んでるんじゃないの?」
「呼んでませんよ」
「あとね、妙に地震も増えたじゃない?あなたがここに嫁いできてから。これもあなたに運がないからよね」
「…」
「辰郎ちゃんのお給料が減ったのも、ボーナスが支給されないのもあなたが足を引っ張ってるからだわね。お粗末過ぎて笑うわ」
「…」

「そうそう、トイレのタンクが壊れたのも、風呂場の水道が壊れたのも、あなたがこの家に来てからだわ!」
「きっと、この家があなたに住んでもらいたくないから、家のあちこちが拒絶して壊れてるんだわ」
「そ、そうじゃないと思います」
「いいえ、この前の大雨の日なんて、とうとう雨漏りしちゃったんだから。これはあなたの先祖の呪いよ」
「なんかうさん臭かったのよねえ、ご両親も。あんたみたいな出来損ないの嫁を貰ってやるっていうのに、ちっともまとまったお金を包んでこないで、全てにおいて残念な娘だけを渡してくるんだから嫌になるわ」
「…」
「あーあ、こんなことならお金をかけててでも結婚相談所に入れて、お嬢様と結婚させるんだったわ」
「あの、私のことそんなにお嫌いですか?」
「ん?そうかもしれないわね。なんだかあなたの全てが気に食わないっていうかね。初めて会ったときから嫌いなのよ」
もう私の全てを否定しているようだった。
だったら、私もお母様を全面的に否定しますわ。

「あの、私、お母様がこの家にいるだけでお腹が痛くなるんですけど。これってお母様から感じる強いプレッシャーのせいでしょうか?」
「はい?」
「それに、お母様と顔を合わすだけでストレスになってしまって、白髪がすごく増えてきたんです。これもお母様の間接的な嫌がらせですか?」
「あと、どうもこき使われて、体のあちこちが痛いんですけど、これはお母様が呪いをかけてるんですかね?」
「…」
「もうこんなことなら、いっしょには住めませんね!」
「ちょっと、どういうこと?あたしはこの家に住みたいのよ」
「いいえ、この家は辰郎さんがローンを組んで建てたんですよ。だから、嫁である私のものでもあるんです。そこにお母様を居候させてるんですけど、嫁がこんな状態になるのでは、同居は無理ですね。今すぐ自分の家にお引取りください」
「そんな…」

その後、お母様は生理的に無理なお父様がいる家へと帰って行った。
しかし、お父様にこき使われて体を壊し、入院したのでお見舞いに行くと、白髪だらけ、シワだらけの気の毒な容姿になっていた。
「悲惨ね。私の苦労を思い知ればいいんだわ」と思う私だった。












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