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やっていけない!妊娠したらいきなり態度が急変する夫に反撃開始

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愛する夫との間に子供ができた。
吐き気が酷いので、朝早く病院に行き、検査をしてもらったら、妊娠していると医師から伝えられた。
私は嬉しさのあまり、夫に早く知らせなければと、電話をかけた。
「きっと喜んでくれるわ」
あれだけ子供が好きって言う人だもの、すごく喜んでくれるんじゃないかしら。
そう思う私は、ソワソワする気持ちを抑えるのに必死だった。

「...なに?」
「あ、亮太、あのね。こど」
「早く用件を言ってくれよ」
「えっと、あたしね、子供がで」
「あ、悪い。もう行かなくちゃ。後でな」
一方的に電話を切ってしまう亮太に複雑な気持ちになる。
時間に余裕があるお昼ご飯のときに報告しよう。

ちょうど亮太がご飯を食べ終えたと思う12時半過ぎに電話をしてみた。
「あたしね、産婦人科で検査してもらったの。そしたら」
「悪い、後で聞くから」
また一方的に電話が切れてしまう。
なんだか悲しくなってくる。
もう一度、もう一度だけ仕事が終わった帰宅時間を狙って電話をしてみよう。
時間は過ぎ、時計の針は17時30分を指す。
私は亮太に電話をしてみた。
「おかけになった電話は電波が届かない場所にいるか」とのアナウンスが流れる。
「亮太、私を避けてるのかな?」
いつもは電話をかけると「なに?なんかあったの?」って言ってくれるのに。
まったく相手にしない夫に不安を感じてしまう。

夜、21時過ぎをまわった頃、亮太が帰ってきた。
でも、すごく落ち込んでいる表情を見せる。
「な、お前、妊娠したのか?」と聞いてくるから「そう、妊娠したのよ」と伝えた。
「なら、もうお前とはやっていけないから離婚しよう」と驚くことを伝えてくる。
「あたし、お腹の中に子供がいるんだよ?なのに、離婚したら私と子供はどうすればいいの?」
「んなこと、俺に言われたって知らないよ」
「知らない?亮太はお腹の子供の父親なんだよ?」
「だからなに?俺がいつ子供が欲しいって言ったんだよ!」
「子供が好きだって言ってたじゃない」
「それとこれとは違う話だろ?俺は子供なんていらないからな!」
「亮太」

お腹の子供がいらないと言われたので、「私はあなたがいらない」と伝えて、別居してやった。

半年後。

亮太から電話がかかってきた。
「な、やっぱり世間体にも悪いしさ、離婚だけは勘弁してくれよ」
「離婚しない代わりに、別居は続けさせて」
「それじゃあ夫婦の意味がないだろ」
「子供がいらないなんて言う夫と生活するのも意味がないでしょ」
「え?」
「ってことで、別居は続けますから。生活費は指定した口座へきちんと送ってくださいね。ブチッ」
一方的に、電話を切ってやった。
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