ジュンケツノハナヨメ

かないみのる

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はーい、みなさん揃いましたね。

今日は女子のみなさんに、大切なお話があります。

あ、佐藤さんはご家庭の用事で先に帰ったけど、先生が後から話しておくから心配しないでね。



さて、今日はみなさんの体に起こる大切なことについてお話ししたいと思います。

これからみなさんは大人になっていきますが、成長するにつれて体では様々な変化が起こります。

大切なところに毛が生えたり、オッパイが大きくなったり。

見た目だけでなく、体の中では赤ちゃんを産むための準備も始まります。



みなさんのお腹には、男の子にはない「子宮」という内臓があります。

この絵を見て。

この変な百合の花を横から見たようなのが「子宮」です。

え?百合に見えない?

そんなこと言わないで。

ね?見えるでしょ?


これはみなさんのおへその下のあたりにあります。

この百合の花びらのようなところの脇にあるのが「卵巣」といって、赤ちゃんの卵である「卵子」が作られます。

この赤ちゃんの卵ができると、この真ん中の部分、ここの内側に膜があるんですが、この膜が分厚くなって、赤ちゃんのベッドができます。

こうやって赤ちゃんを育てる準備がみんなの体の中で起こるんですね。

でもまだ「卵子」は赤ちゃんになりません。

え?そこの二人、なに話してるの?

どうやったら「卵子」は赤ちゃんになるのかって?

それはまた今度がお話しましょうね。



この「卵子」が赤ちゃんとならなかったとき、この赤ちゃん用のベッドは剥がれ落ちていきます。

すこしショッキングな話になりますが、このベッドは、みなさんの女性器のところから、血液と一緒に流れ出てきます。

お股から血が出てくるんですね。

これはだいたい一週間程度で終わります。

これを「生理」と呼びます。



この「生理」が初めて来るのは人それぞれで、だいたい小学校高学年か中学生くらいかな。

高校生になってから始まる人もいます。

初めての「生理」が来たら、その後も一ヶ月に一回くらいでまた同じように「生理」が来ます。

みんなそんなイヤな顔しないで。

少し怖いかもしれませんが、病気じゃないですよ。

女の子みんなの体で起こることです。

お腹で赤ちゃんを育てる準備です。



先生も初めて「生理」がきた時は、すごくびっくりして、病気か何かだと勘違いしちゃったの。

お母さんに泣きながら打ち明けたら、お母さんはすごく喜んでお赤飯を炊いてくれました。

それくらい生理はおめでたいことだから、なったらまずはお母さんに言いましょうね。



次に生理の時に必要なものをお話しします。

生理の時は、下着に血がつかないように、「ナプキン」という、下着に取り付ける女性用のオムツみたいなものを使います。

オムツっていうとカッコ悪いって思うかもしれないけど、大きさも色々あるし、可愛いデザインのものもあるから、自分に合ったものを選びましょうね。

あとは生理用のショーツも必要ですね。

お母さんと相談して準備しておきましょう。



他にも、生理の時以外にも、体は女性器を清潔に保つために、お股から粘液みたいなものを出してバイ菌から守ります。

その粘液用のナプキンもあります。

下着の汚れが気になったら使ってみるのもいいかもしれないですね。



そして、これは先生からのお願いです。
生理中は、人によってはお腹が痛くなったり、頭が痛くなったり、体調が悪くなったりします。

場合によっては体育の授業を見学したり、保健室で休む必要もあります。

そういう時は恥ずかしがらず、担任の先生に伝えてくださいね。

我慢してると苦しいですからね。



それと、生理の話はとてもデリケートです。

さっきも言ったように、始まる時期も人それぞれです。

早く来て悩む人もいれば、なかなか来なくて不安に思う人もいます。

だから、お友達に生理がきたかどうか聞いたり、生理中であることを言いふらしたりしたりするのはプライバシーの侵害です。

生理の話をされることを不快に思う人もいます。

ですからみなさん、生理のことを聞いたり大声で話したりしないようにしましょう。

不必要に生理の話はしない。先生との約束ね。



では、これで先生の話は終わります。

今日いなかった佐藤さんには先生からお話しするので、みなさんからは何も言わないようにしてくださいね。

間違ったことを伝えると佐藤さんも困ってしまいますから。

ね、約束ですよ。
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