61 / 62
Part 26-2
しおりを挟む
ルイの頭は、まどかのM字に開いた脚の間で規則正しく動いていた。
柔らかな舌で、丹念に秘裂を舐め回している。
「ふ……っ、ん……。あ、あっ……」
指がするりと中に入り込む。突然の侵入に反応し、まどかは体を枕に押し付けた。
(あ………また……)
中指が探るように恥骨の下あたりを動く。
「はぁ……っ!」
彼の指が粘膜のある一点をぬるりと撫でると、突然大きな官能の波が押し寄せた。
「ここだな」
彼は確認するようにまどかの顔へ視線を走らせると、指をさらに一本増やして、集中的に刺激を与え始める。
指がくいくいと細かく中を押し上げ、細かい振動を加えながら、攻め続ける。
「はぅうっ……ん………はぁ……だめ……」
「大丈夫。だんだん、中が膨らんできてる」
(えぇ……?)
ーー脚閉じるなよ、力抜いて……。
「声、もっと出して……おまえの声、かなり卑猥で最高。ずっと耳に残るんだよ……」
彼は少し指の力を強めて、緩急を付けながら動かしている。それでもだんだんそのリズムが小刻みに、速くなって行く。
「あっ、いや……なんか変……」
まどかは急にもよおす感じを覚えた。
(いやだ……膀胱がじんと重たくなっているような……このままいじられたら、きっとでちゃう………)
「ルイ……鎖外して……トイレに……」
「もうすぐだから……ほら、ぴちゃぴちゃって音がしてる」
「あっ、あっ……あン……いいの……いいの……すごく………」
違う、嫌だ、って言いたい。止めてと言いたいのに、本能がそれを許さず、さらなる愉悦を要求させる。
腰が自然にふるふると震えた。こんなに淫らな姿を曝け出されて、恥ずかしくて、気持ちよくて、まどかには、もう何がなんだからわからない。
「あっ……あっ………いい………もっとぉ……」
すでに入り口はなんだかむずむずとくすぐったいような、今にも漏れてしまいそうだった。
初めてルイに犯された時のことが頭をよぎった。ドアに背を押し付けたまま、まどかは意識を失った。ーーあのときの……。
「はぁあ……! あぁ……出ちゃう………」
彼は動きを緩めず、反ってぐいぐいと速度を上げた。まどかの思考がとろけた。
気持ちよすぎて……苦しくて。鎖で繋がれた腕が力む。
「いやっ……いや………はぁ……ゆるして……おねがい……」
「まどか……可愛いよ……もうこんなにびちょびちょに濡らして」
自分の体が言うことを聞かなかった。彼の激しい愛撫に溺れて、体中をがくがくと震わせながらも、貪欲にそれを求め続ける。
目を開けていても、まぶたの裏にも、幾つもの渦が浮かび上がって、ぐるぐると回り、自分がどこにいるのかわからない。
「きゃぁぁぁぁあ……!」
つま先から頭まで、全身を巨大な舌でざらりと舐められたような感覚が襲った。
ルイが触れている部分が熱くなり、激しい尿意をもよおす。瞬間、ふっと下半身の緊張が緩んだ。
「ああ……あぁ……いやぁあ……………」
お尻が濡れる……とろりとした蜜のような体液とは違って、水が流れるような……。
「そんなに飛ばなかったけど。随分出たよ」
体はまだぴくぴくと痙攣し、彼の声がどこから聞えるのかもわからなかった。ものすごい快感の余韻に、目を開けることが出来なかった。
まどかはあまりの羞恥に顔を覆い隠したくなった。でも、それも出来ないのだ。
まどかが無言でいることに、不安になったのか、彼は寄り添うと耳元で囁いた。
「もしかして、初めて?」
ーーなに……?
まどかの声は掠れていた。顔だけほんの少し彼の方へ傾けるのがやっとだった。
「こういうの」
ーーうん……。
ゆっくり瞬きして、答えた。声が出たかは、定かではない。
そしてやっぱり彼の顔を見れずに、顔を逸らした。彼の手が顎を軽く掴み、また自分の方へ顔を向かせる。
「なに、恥ずかしいの?」
「すごく……恥ずかしい………それに、汚れちゃう………」
「なんで? 汚くなんかないし、オレはめちゃくちゃ嬉しいけどな。それだけ気持ち良かったってことだろ。それに漏らそうが何しようが、おまえなら、いい。むしろそこまでやってもいい?」
彼の瞳は欲望で濡れていた。
(どうしよう………)
返事に困り、ただルイを見つめていた。彼は額に張り付いたまどかの髪をそっと払った。
「やばいな……その恍惚とした顔。今ので、また元気出たから……」
彼はそう言うと起き上がり、自由の利かないまどかの体を横向かせた。
「やっ……」
そのまま、まどかの片足を持ち上げ大きく体を開かせると、容赦なく貫いた。いつものようにねじ伏せ、傲慢に腰を振る。
「あぅ………だめ……だめぇ……」
ぐらぐらと頭が揺れる、彼はそれに構うことなくただただ、
何度も絶頂を迎えたまどかの体は、なにをされてもすぐに、過剰に反応した。
ぎゅっと収縮した隘路を、ペニスが苦しそうに掻き回す。
「いい……いいのっ………ルイっ………るぅい……」
まどかはもう、喘ぐことしかできない。
快感が渦巻く頭では何も考えられずに、彼の名前にすがっていた。
彼の名前を呼んでいれば、ここに自分がいるという実感だけはあった。
「まどか……ふぅ……っ、すごく、いい……すごく、締め付けて……」
彼の途切れがちの吐息に混じった声が、背中をくすぐった。鳥肌がたつ。
二人を繋ぐ場所に肌と肌が打ちあたる。時折彼は根元までペニスを捻り込むと、体を持ち上げるように、ぐいと突き上げた。ずんと子宮が揺さぶられるたびに、嬌声が溢れる。
「ルイ……るぅ……い……あン……っ……はぁ……」
断続的に波が打ち寄せ、喉が反り返える。
「あぁ……気持ちいい……っ……はぁぁあ!……好き……好きっ………」
びくびくっと全身が痙攣し、頭の中で光が明滅した。体がピンと張りつめた。それでも彼はまだ、力の抜けた脚を依然高く持ち上げ、貫き続けた。「はあ……っ……まどか……あぁ……んンっあ!!」
熱い。体の、彼の埋められているところが熱い。
彼の体が硬直した。ぐいぐいっとさらに捻り込まれーーやがて、果てた。
彼は掴んでいた脚を下ろして、繋がったまま、まどかの頭上に手を伸ばす。
長時間、散々快楽に打ちのめされたまどかの体は、ずっしりと重い。
まどかは下から彼の顔を見ていた。彼のにおいがふっ、と香った。
かちんかちん。
鎖を外している。二人の十分すぎる交わりが、やっと終わった。
今までのセックスも身も心も蕩けるほど気持ちがよかったが、今夜は特に、興奮した。そして、何よりもルイと本当に一つになった気がした。
(……縛られていたせい? ここから逃げられないという恐怖と、矛盾しているけど、安心と)
彼は、考え込むまどか顔を覗き込み、楽しそうに目を細める。そこに、何やら普通ではないものを感じた。
「悪いけど、これで、終わりじゃないよ」
「なっ……」
お祈りをするような姿で胸まで下ろされたまどかの手首に、ルイは外した鎖の端をまたくるくると絡ませ、かちんと止めた。
覆いかぶさるようにしてまどかの背中をすくい、繋がったまま、軽々とまどかを脚の上に抱き上げた。
動いた拍子に、彼のものが中を圧迫した。
「んっ……」
「なんか、オレ……まだいけそう……いい?」
妖艶と野性を宿した目で微笑する。危険だけど、引き込まれてしまうその危うさをもつ美しさが、まどかを縛り付ける。
気がつけば、まどかは小さく頷いていた。
「オレの首に腕、かけて」
腕で輪を作ったまま彼の頭をくぐらせ、体を預けた。もう、ほとんど体力は残っていない。
彼は、子供をあやすように体を前後に揺らしながら、まどかをぎゅっと抱きしめ、髪に顔を埋めた。
(すごく、安心する……)
ルイが唇で耳に触れながら、囁く。
「おまえのおっぱい、柔らかくてやっぱり気持ちがいいな。ま、全部気持ちいいけど」
「ん……今更……言うなんて……変」
「なんか、確認しておかないと、逃がしそうだ」
(切なくなるようなこと、言わないで………)
彼の首に巻き付けた腕に力を込め、肩に顔を強く埋めた。そうしないと、涙が出てきそうだ。
「動くぞ……大丈夫?」
うん……。
彼のものがまた勢いを増すのを感じた。体はすぐに反応して、キュンと蠢く。
「おまえ、相当いやらしいな。まだびくびくオレのに絡み付いてくる……根元から先まで締め付けてるぞ」
「やだ……」
「……それに、おまえ自分で腰振ってるし……」
「え……」
その事実を指摘され、頬がかっと熱くなる。
「あ……いい……まどか、ん、そのままで……ゆっくり」
彼が耳元で熱い吐息を吐きながら、両の手で乳房を捏ね始めた。唇を奪われ、舌で口内を掻き回される。
まどかも彼の、唾液に濡れた舌に自分のを絡ませる。
くちゅくちゅと音を立てて、頬張るように顎を動かして彼の舌を舐める。そう焦るなよ、そんな風に彼が舌に歯を立てた。
「ンぅ!」
乳首を引っ掻かれ、ぴりっと快感が背中を走る。
ゆるゆると腰を揺らし、再び溢れ出した蜜で彼の脚を濡らす。
「んあ……」
キスの合間に唾液と一緒に声が漏れる。彼も顔の角度を変え、貪欲にお互いを深く味わう。
彼の手が、花芯に触れた。
まどかは彼の動きを助けるのに、首に手をかけたまま身を引き、彼との体に隙間を作る。彼の指がぬるぬると芯の上を滑る。
「もっと……強く擦ってぇ……」
甘えた、鼻声になってしまう。
(気持ちいいけど……もっと……欲しい)
「痛くない?」
小さく頭を振る。
あれだけイかされたら、もう普通の愛撫では物足りなくなっていた。
彼は少し力を加えて、くるくると蕾を転がした。
「はぁ………ぁ」
乳房を弄んでいた手は背中に回り、触れるか触れないかの繊細な愛撫を始める。
手の上下の動きに合わせて背は反り、乳房を彼に差し出す格好になる。
それを嬉しそうに彼は頬張り、先端を優しく吸った。
「ン………気もちいい………とけちゃいそう………」
まどかは、夢うつつで腰を揺らし、じっくり、とろとろした蜜を絡ませるように、隘路に彼を擦り付ける。
彼の、愛撫が、くすぶっていた体に火をつける。
「うん………すごく熱い。まどかってすごいエロいんだな……オレが触る度に締まるんだぜ。今はもう、ずっと締まりっぱなし。すげえ気持ちがいい」
胸から口を離して、挑発的な視線でまどかを見つめる。そしてすぐに首に舌を這わす。
まどかは否定するのに、ゆるりとかぶりを振る。
「はぁっ……! そんなこと……」
「あるよ」
まどかの言葉を彼はさらった。
「いじわる………」
(もう、これ以上無理……)
もう、体が敏感になりすぎて、何をされてもすごく感じてしまう。このままでは、本当に彼と別れられなくなってしまう。
一瞬我に返ったまどかだが、同時に「もっと……激しく、して………」と、口にしていた。
ーー私、何を言ってるの。
たちまち、全身がかっと火照る。
「じゃ、おまえが、好きなように動いて?」
ルイは甘えるように顔を覗き込んだ。それがとても愛おしく、まどかはぎこちなく、腰を動かし始めた。
さっき、ルイに集中して愛撫された場所に屹立が擦れると、一気にうねりが湧いた。
「ふぁっ……」
徐々に、大胆に腰を揺らす。自分のすごく感じるところにずりゅっと擦れるのが堪らない。
その感覚を追いかけ、無意識のうちに、彼跳ねるようにして一心不乱に擦り合わせていた。貪る、と言った方がいいかもしれない。
忘れたくない。ずっと。彼の体温と吐息を。熱と一緒に立ち上る匂いと、しなやかな筋肉の微かな動きを。
快感を送り込む、激しく、なめらかな動きを。
「まどか………はっ……あぁ……」
彼も苦しそうに眉を寄せながら、まどかの腰に手を当て、動きを助ける。自分の体の重みで、落ちる度にずんずんと奥の奥まで響いた。
彼の首にしがみつき、無心で腰を振り続けた。どんどん妖しい気分になっていく。声を上げていないとおかしくなりそうだった。
「ルイ? ルイ? ……いいの……すごいっ、あたって………好き……!」
「はあ……まどか………まどか……」
喘ぐ彼が、濡れた花芯を上から軽く押さえつけた。
「あぁぁぁっ!!」
ぱちぱちと火花が散る。全身がびくびく震え始める。
「しびれちゃう……あぁ………好き、好き、好きっ……るぅい!」
最後には嬌声は悲鳴でしかなかった。
「はぁぁぁン………!」
がくがくと全身が揺れ、彼の首に手をかけたまま、許される限り体を反らした。
絶頂を迎え、力なく彼の胸に凭れ込んだまどかを、彼はさらに深く衝き上げた。
「あっ、あっ……やっ……あぁ……」
「はっ……まどか……膝に力いれて……」
「ぅん………?」
ルイの言う通りに両膝に力を入れると、自然と腰が浮いた。そこを彼は前よりも勢いを付けて突き上げる。
速く、激しく擦られて、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が高まる。熱くて、いっぱいで、重く響く。
体中に電流が走り、一気に突き抜けた。全身がわななく。自分の体じゃないみたいに、びくんびくんと震え続けた。
達したまどかが体を落としたので、ルイの激しい動きは妨げられたが、衝き上げは止まない。
「はっ……はぁ……っ」
過呼吸気味になり、彼の動きに合わせるなど到底無理だった。
彼の動きがさらに速くなる。繋がっている一点が擦れて、火傷してしまうのではないかと思う程熱い。
「はぁっ……すごい、締まり……だ……」
彼はいきなりまどかの顔を両手で挟んで、噛み付く勢いでキスをした。舌を捻り込み、乱暴に口内を犯す。
そして、まどかを思い切り抱きしめた。痛い程に。刹那、相手の体がぶるっと震えた。
「くっ………っ……」
隘路に彼の放ったものが溢れる。
「ん……」
あ………はぁっ………。
ルイの腕から力がふっ緩くなった、と思うと、彼はまどかを抱いたまま、後ろへ倒れた。
はぁはぁ……と浅い呼吸をする度に彼の胸が上下する。
呼吸の合間に彼は「もう………さすがに、無理………病み上がりで……気持ち良過ぎて……死ぬかと……思った」ぼうっとまどかを見つつ、微笑した。
(そういえば、そうだった……)
病み上がりであれほど激しく求めてくる彼に、まどかは今更恐れおののいた。
「まどかは………?」
また頬が熱くなるのを感じながら、彼の耳に口を寄せて囁いた。
「全部熱くて、溶けちゃいそうに、気持ちがよかった……」
彼は一度柔らかいキスをすると、優しく笑んだ。
「悪いけど……このまま寝かせて………」
すっと、魂が抜けたように彼は瞼を閉じると、すぐに寝息を立て始めた。
「えぇ………ルイ……鎖……」
まどかは彼の首に腕を回したまま、少しの間途方に暮れた。
それでも、何回もイかされた体はだるくて、やがて瞼もゆっくりと閉じていった。
*
自然と、目が覚めた。部屋はまだ暗いし目が慣れなくて、自分が起きたのか、まだ夢の中なのかわからない。
「!!」
ーーびっくりした……
ルイの顔が目の前にあった。
「起きちゃった?」
その瞳は闇の中の光をかろうじて集め、鈍く光っている。気がつくと二人はお互いに横向きに、抱き合うようにして眠っていた。
「寝顔も、可愛いな、と思って」
聞いてもいないのに彼は呟いた。そのさりげない言葉が逆に、今のまどかの心にじわりと沁みた。
「このままで、ずっといたいところだけど……」
彼はまどかの腕の輪から頭を抜いた。まどかはずっと、彼の頭を抱いて寝ていたのだ。
それは彼が鎖を解かなかったからではあるが。
「痛くない? 重かっただろ」
「あ……うん、少し痺れてる……」
動かせばその痺れに気がついた。腕に軽い痛みを覚えた。
「……もういい加減に外してくれませんか、これ……」
まどかの体に腕を回したルイは、胸に顔を埋めてうとうとと、再び眠りに落ちそうだった。
「え……? あ、あぁ……オレが起きるまで、ここにいる?」
返事の、掠声に甘い響きが混じる。どうやらすでに半分夢の中のようだ。
「なに甘えているんですか……」
「じゃあ、外さない」
「います、いますよ……」
「なら、いい」
彼は気だるそうにもそもそと体を少し起こし、かちんとフックを外す。
しゃらしゃら……鎖は軽い音を立ててベッドの上に落ちた。
まどかは自由になった。明日になれば、もっと自由になる。
彼はもう一度シーツの隙間に潜り込むと、まるで添い寝の子供のように身を寄せて手を取り、指を絡ませた。
「これなら、逃げられない……」
「だから、いますって……」
うん……。
彼は寝息を立て始めた。髪がまどかの肩に掛かり、くすぐったかった。
次に目覚めた時には、すでに部屋に光が満ちていた。
隣に、ルイがいない。さらさらのシーツの隙間が急に冷たく、よそよそしく感じる。
微かに、かちゃ、と食器が触れ合う音がする。水の流れる音。
(ああ、大丈夫。居るのね)
まどかは安心し、枕に顔を埋めてもう一度瞼を閉じる。枕から彼の香りがする。
「ルイ……」
小さな声で、呼んでみる。
気がつくと、柔らかな手つきで頭を撫でられていた。どうやら、再び寝ていたらしい。
気持ちがいいのでしばらく目を閉じたまま、その手の感触を味わう。ーー最後だもの。それくらいいいでしょう。
すう、と息を吸って瞼を開けると、白い部屋着に包まれた彼の膝が見えた。
「おはよう」
穏やかな声がふわりと落ちて気た。まどかは首を捻って彼を見上げた。
ヒゲはもう彼の顎を覆っていなかった。体を屈めて、彼はまどかに軽くキスをした。シャンプーの香りが降り掛かる。
「おはようございます」
彼は一瞬、少し困ったように微笑んだ。そしてすぐに、普段通りの高慢な顔になる。
「おまえは朝、コーヒー? それともお茶がいいの」
「お茶……」
「ミルクは?」
「あ……いっぱい、入れて」
うっ、と彼は喉の奥で唸った。
「寝ぼけた顔してそういうこと言わない」
そして、いつものように、にやにやし出す。
「あ………ちがう……」
「ばーか。わかってるよ、でも、あぶなかったな」
彼はくるりと体の向きを変えて、キッチンへ向かった。
ルイはコーヒーを飲み干すと、ベッドに上がった。まどかは膝を崩して座っていたが、彼はまどかの空のカップを取り上げて床に置くと、腰に腕を回してきた。
膝枕をするような格好になり、まどかは手のやり場に困ったので、とりあえず彼の頭を撫でてみた。
これもある意味、「犬プレイ」……?
彼は気持ち良さそうに、目を閉じている。まどかはふと有吉の言葉を思いだして、切り出してみた。
「あの……有吉から聞いたんですけど、鳳乱が一度ユランで彼と二人きりで話をしたんです。その時有吉に『僕の目の届かない所では、お前がまどかを見ていないと』って、そう言ったって。私、その言葉がすごく引っかかって。もしかして鳳乱は何となく予感はしていたのではないかって。でも、それを長官や教官に伝えると、きっとカンのいいお二人の事です、先に動いてしまう。もし、それが本当に鳳乱の思い過ごしであれば、何事も無かった時に、仲間の内に、特に獅子王との間に亀裂が入ってしまうと彼は考えたんじゃないかって。鳳乱はやさしいですからね。だから、有吉にそんな言葉を残した。やっぱり、私の事が気がかりではあったから。何も無ければ、有吉ならその言葉をあまり深くとらずに、忘れるだろう。もし、何かあれば、その言葉は有効に働くし、いずれ私の耳に届くと読んだ。そのメッセージに私が気がつけば、彼は、少しでも私の悲しみが少なくなると思ったのでは……『これは僕の選択だったんだよ、全てわかっていた』そう、伝えたかった」
「有吉がおまえに伝えなければ……?」
彼は目を閉じたまま言った。
「伝えますよ。いつかは、きっと」
根拠の無い自信だったが、現に有吉は、まどかに伝えた。
「鳳乱はお前に『帰るな』って、言ったか?」
「はい……」
「だろうな。あいつにはおまえを幸せにする自信があったんだろうな。あんなことさえなければ」
あんなことさえなければ、こうしてあなたの腕の中にはいませんでした。
「もういいんです。何か大切なものを手に入れて、失うのは。辛いだけですから」
「辛いだけじゃないだろ。何かかけがえの無いものも残るんじゃないのか。大切なもの程、失った苦しみは大きいだろうけど、得たものも大きい筈だ。そうじゃ無いと相手の存在がを無にすることと等しくないか? ……まあ、おまえがそうやって怖じ気づくのもわからんでも無いけどな、でもだからって、全てをシャットアウトするようなことは意味が無いんじゃないか? ずっとそうやって生きていって鳳乱が喜ぶとでも思ってるのか? おまえ、忘れてるかもしれないけどな、オレだってあいつを失ったんだ。それでも……」
ルイはそこで言葉を切り、目を開けふてくされたようにまどかを見、黙って背を向けてしまった。
まどかは途方に暮れ、ルイの広い背中を見て彼の言わんとしていたことを理解しようとしてみた。でも、だめだった。
多分、心のどこかで焦っていて、今の自分には思考を働かせる余裕が無いのかもしれない。
(……今日、帰るの)
それを言ったら、彼はどんな顔をするだろう。
ーー言ってみようか……。
おもわず口にしそうになり、言葉を飲み込んだ。そのとき、突然ルイは振り向いた。
「な……なに?」
動揺が顔に出ていたかもしれない。そんなまどかの焦燥にも彼は気がつかない様子で、一言。
「オレ、ピル飲み忘れた」
「え……?」
まどかは一瞬固まった。
「どうする? 子供が出来るかもよ」
まどかを見上げる彼の瞳からは、何も読み取れない。
「それは何ですか? 脅しですか? 呪いですか?」
なんとなく……。だけど、その時点でまどかは彼が嘘をついていると見破っていた。
なぜかは分からないけど、きっと、何度か体を交わらせた男女の間には、お互いの言葉が真実かそうでないか、瞬時に見分けられるくらいの超感覚的なものが生まれるのかもしれない。
彼は、ふっと天井に視線を走らせて呟く。
「希望、かなぁ………子供は、希望だ。子供は未来を約束するものだ……きっと世界は続く、という」
なんだか意外な言葉に、まどかは内心驚いた。
「私に、残って欲しいってことですか?」
天井を見たまま、彼は「わからない」と言った。それから、まどかに視線を移した。
「……わからない」
うん。そうだと思う。それが一番適切な答えだと思う。
まどかは彼に心中で答え、むくりと起き上がった。
「シャワー、使わせて下さいね」
熱い湯が体を流れて行く。愛し合った残滓は流れても、肌の上に残ったたくさんの小さな跡は流れない……。
ーーもしかして、ルイも同じなのかもしれない。
答えを探しあぐねて、川岸に立ってただ、流れる水面を見ている。誰かが船で向こう岸に渡してくれるのをじっと待っている。
自分から飛び込もうとはせずに。
彼もサインを待っているのかもしれない。普段より少しだけ注意深くあたりを見回して。
きっと、私たちは似ている。
臆病で、不器用で、礼儀正しくて。
崖を登る細い道の向かいからお互いが鉢合わせになり、道を譲ろうと体を避ける。でも同じ側に避けてしまい、何度かそれを繰り返した後に、にっちもさっちもいかずに立ち往生してしまう。そして、途方に暮れる二人ーー
まどかは頭から降り注ぐ温かい滝の下で、そんなふうに思い、少し、泣いた。
「もう行くの? 研修、午後から出ればいいじゃん」
きちんと服を着て、ベッドの端に座るまどかの手を、彼は指で優しくなぞっていた。
「……午後は教官の研修でしょう。そうもいかないんです。ちゃんとお給料貰って雇われているんですから」
彼はおかしそうに、少し目を細めた。
「真面目だな」
「そうですよ」
まどかは、まだ起きようとしない彼の髪を指で軽く梳いた。彼は満足そうに瞼を閉じた。
「それでは、また午後に。遅刻しないで下さいね」
「うん……」
彼は再び眠りに落ちたようだった。
薄緑色のガラスの筒の中。
このエレベーターに乗るのも最後。まどかはカエルの艶のある背中をじっと見下ろす。
「ねえ、今日はエレベーターが下りるの、やけに遅く感じるんだけど」
乗ってからのろのろと下りるそれは、いつもと比べて明らかに遅い。
「遅いんですよ」
カエルの置物は、前を向いたまま答える。
「え? どうして?」
「あなたが下になかなか行きたがらないからです」
「それがエレベーターにわかるの?」
「わかります。下に着くところを想像してみて下さい」
カエルの言葉通り、それは急に速度を上げてすっと地上階に着いた。
「……本当」
まどかは、開いたドアから一歩出かけて、カエルをもう一度見下ろした。
「ねえ?」
「なんでしょう」
「一回、キスしてもいい?」
「どうぞ」
膝を折り、屈み込むと冷たいカエルの置物を手の平に乗せて顔の高さまで持って来た。
そしてその鼻先に軽くキスをした。
何も起こらなかった。
「……もしかしたら、王子になるかと思ったの」
「ならないですね」
元の場所にカエルを下ろした。
「わたしはあなたの王子じゃなかった、ってことですよ」
「そして私はあなたの姫じゃなかった」
「そうですね」
エレベーターを下りた。
「さようなら」
「さようなら」
まどかは、カエルに手を振った。
柔らかな舌で、丹念に秘裂を舐め回している。
「ふ……っ、ん……。あ、あっ……」
指がするりと中に入り込む。突然の侵入に反応し、まどかは体を枕に押し付けた。
(あ………また……)
中指が探るように恥骨の下あたりを動く。
「はぁ……っ!」
彼の指が粘膜のある一点をぬるりと撫でると、突然大きな官能の波が押し寄せた。
「ここだな」
彼は確認するようにまどかの顔へ視線を走らせると、指をさらに一本増やして、集中的に刺激を与え始める。
指がくいくいと細かく中を押し上げ、細かい振動を加えながら、攻め続ける。
「はぅうっ……ん………はぁ……だめ……」
「大丈夫。だんだん、中が膨らんできてる」
(えぇ……?)
ーー脚閉じるなよ、力抜いて……。
「声、もっと出して……おまえの声、かなり卑猥で最高。ずっと耳に残るんだよ……」
彼は少し指の力を強めて、緩急を付けながら動かしている。それでもだんだんそのリズムが小刻みに、速くなって行く。
「あっ、いや……なんか変……」
まどかは急にもよおす感じを覚えた。
(いやだ……膀胱がじんと重たくなっているような……このままいじられたら、きっとでちゃう………)
「ルイ……鎖外して……トイレに……」
「もうすぐだから……ほら、ぴちゃぴちゃって音がしてる」
「あっ、あっ……あン……いいの……いいの……すごく………」
違う、嫌だ、って言いたい。止めてと言いたいのに、本能がそれを許さず、さらなる愉悦を要求させる。
腰が自然にふるふると震えた。こんなに淫らな姿を曝け出されて、恥ずかしくて、気持ちよくて、まどかには、もう何がなんだからわからない。
「あっ……あっ………いい………もっとぉ……」
すでに入り口はなんだかむずむずとくすぐったいような、今にも漏れてしまいそうだった。
初めてルイに犯された時のことが頭をよぎった。ドアに背を押し付けたまま、まどかは意識を失った。ーーあのときの……。
「はぁあ……! あぁ……出ちゃう………」
彼は動きを緩めず、反ってぐいぐいと速度を上げた。まどかの思考がとろけた。
気持ちよすぎて……苦しくて。鎖で繋がれた腕が力む。
「いやっ……いや………はぁ……ゆるして……おねがい……」
「まどか……可愛いよ……もうこんなにびちょびちょに濡らして」
自分の体が言うことを聞かなかった。彼の激しい愛撫に溺れて、体中をがくがくと震わせながらも、貪欲にそれを求め続ける。
目を開けていても、まぶたの裏にも、幾つもの渦が浮かび上がって、ぐるぐると回り、自分がどこにいるのかわからない。
「きゃぁぁぁぁあ……!」
つま先から頭まで、全身を巨大な舌でざらりと舐められたような感覚が襲った。
ルイが触れている部分が熱くなり、激しい尿意をもよおす。瞬間、ふっと下半身の緊張が緩んだ。
「ああ……あぁ……いやぁあ……………」
お尻が濡れる……とろりとした蜜のような体液とは違って、水が流れるような……。
「そんなに飛ばなかったけど。随分出たよ」
体はまだぴくぴくと痙攣し、彼の声がどこから聞えるのかもわからなかった。ものすごい快感の余韻に、目を開けることが出来なかった。
まどかはあまりの羞恥に顔を覆い隠したくなった。でも、それも出来ないのだ。
まどかが無言でいることに、不安になったのか、彼は寄り添うと耳元で囁いた。
「もしかして、初めて?」
ーーなに……?
まどかの声は掠れていた。顔だけほんの少し彼の方へ傾けるのがやっとだった。
「こういうの」
ーーうん……。
ゆっくり瞬きして、答えた。声が出たかは、定かではない。
そしてやっぱり彼の顔を見れずに、顔を逸らした。彼の手が顎を軽く掴み、また自分の方へ顔を向かせる。
「なに、恥ずかしいの?」
「すごく……恥ずかしい………それに、汚れちゃう………」
「なんで? 汚くなんかないし、オレはめちゃくちゃ嬉しいけどな。それだけ気持ち良かったってことだろ。それに漏らそうが何しようが、おまえなら、いい。むしろそこまでやってもいい?」
彼の瞳は欲望で濡れていた。
(どうしよう………)
返事に困り、ただルイを見つめていた。彼は額に張り付いたまどかの髪をそっと払った。
「やばいな……その恍惚とした顔。今ので、また元気出たから……」
彼はそう言うと起き上がり、自由の利かないまどかの体を横向かせた。
「やっ……」
そのまま、まどかの片足を持ち上げ大きく体を開かせると、容赦なく貫いた。いつものようにねじ伏せ、傲慢に腰を振る。
「あぅ………だめ……だめぇ……」
ぐらぐらと頭が揺れる、彼はそれに構うことなくただただ、
何度も絶頂を迎えたまどかの体は、なにをされてもすぐに、過剰に反応した。
ぎゅっと収縮した隘路を、ペニスが苦しそうに掻き回す。
「いい……いいのっ………ルイっ………るぅい……」
まどかはもう、喘ぐことしかできない。
快感が渦巻く頭では何も考えられずに、彼の名前にすがっていた。
彼の名前を呼んでいれば、ここに自分がいるという実感だけはあった。
「まどか……ふぅ……っ、すごく、いい……すごく、締め付けて……」
彼の途切れがちの吐息に混じった声が、背中をくすぐった。鳥肌がたつ。
二人を繋ぐ場所に肌と肌が打ちあたる。時折彼は根元までペニスを捻り込むと、体を持ち上げるように、ぐいと突き上げた。ずんと子宮が揺さぶられるたびに、嬌声が溢れる。
「ルイ……るぅ……い……あン……っ……はぁ……」
断続的に波が打ち寄せ、喉が反り返える。
「あぁ……気持ちいい……っ……はぁぁあ!……好き……好きっ………」
びくびくっと全身が痙攣し、頭の中で光が明滅した。体がピンと張りつめた。それでも彼はまだ、力の抜けた脚を依然高く持ち上げ、貫き続けた。「はあ……っ……まどか……あぁ……んンっあ!!」
熱い。体の、彼の埋められているところが熱い。
彼の体が硬直した。ぐいぐいっとさらに捻り込まれーーやがて、果てた。
彼は掴んでいた脚を下ろして、繋がったまま、まどかの頭上に手を伸ばす。
長時間、散々快楽に打ちのめされたまどかの体は、ずっしりと重い。
まどかは下から彼の顔を見ていた。彼のにおいがふっ、と香った。
かちんかちん。
鎖を外している。二人の十分すぎる交わりが、やっと終わった。
今までのセックスも身も心も蕩けるほど気持ちがよかったが、今夜は特に、興奮した。そして、何よりもルイと本当に一つになった気がした。
(……縛られていたせい? ここから逃げられないという恐怖と、矛盾しているけど、安心と)
彼は、考え込むまどか顔を覗き込み、楽しそうに目を細める。そこに、何やら普通ではないものを感じた。
「悪いけど、これで、終わりじゃないよ」
「なっ……」
お祈りをするような姿で胸まで下ろされたまどかの手首に、ルイは外した鎖の端をまたくるくると絡ませ、かちんと止めた。
覆いかぶさるようにしてまどかの背中をすくい、繋がったまま、軽々とまどかを脚の上に抱き上げた。
動いた拍子に、彼のものが中を圧迫した。
「んっ……」
「なんか、オレ……まだいけそう……いい?」
妖艶と野性を宿した目で微笑する。危険だけど、引き込まれてしまうその危うさをもつ美しさが、まどかを縛り付ける。
気がつけば、まどかは小さく頷いていた。
「オレの首に腕、かけて」
腕で輪を作ったまま彼の頭をくぐらせ、体を預けた。もう、ほとんど体力は残っていない。
彼は、子供をあやすように体を前後に揺らしながら、まどかをぎゅっと抱きしめ、髪に顔を埋めた。
(すごく、安心する……)
ルイが唇で耳に触れながら、囁く。
「おまえのおっぱい、柔らかくてやっぱり気持ちがいいな。ま、全部気持ちいいけど」
「ん……今更……言うなんて……変」
「なんか、確認しておかないと、逃がしそうだ」
(切なくなるようなこと、言わないで………)
彼の首に巻き付けた腕に力を込め、肩に顔を強く埋めた。そうしないと、涙が出てきそうだ。
「動くぞ……大丈夫?」
うん……。
彼のものがまた勢いを増すのを感じた。体はすぐに反応して、キュンと蠢く。
「おまえ、相当いやらしいな。まだびくびくオレのに絡み付いてくる……根元から先まで締め付けてるぞ」
「やだ……」
「……それに、おまえ自分で腰振ってるし……」
「え……」
その事実を指摘され、頬がかっと熱くなる。
「あ……いい……まどか、ん、そのままで……ゆっくり」
彼が耳元で熱い吐息を吐きながら、両の手で乳房を捏ね始めた。唇を奪われ、舌で口内を掻き回される。
まどかも彼の、唾液に濡れた舌に自分のを絡ませる。
くちゅくちゅと音を立てて、頬張るように顎を動かして彼の舌を舐める。そう焦るなよ、そんな風に彼が舌に歯を立てた。
「ンぅ!」
乳首を引っ掻かれ、ぴりっと快感が背中を走る。
ゆるゆると腰を揺らし、再び溢れ出した蜜で彼の脚を濡らす。
「んあ……」
キスの合間に唾液と一緒に声が漏れる。彼も顔の角度を変え、貪欲にお互いを深く味わう。
彼の手が、花芯に触れた。
まどかは彼の動きを助けるのに、首に手をかけたまま身を引き、彼との体に隙間を作る。彼の指がぬるぬると芯の上を滑る。
「もっと……強く擦ってぇ……」
甘えた、鼻声になってしまう。
(気持ちいいけど……もっと……欲しい)
「痛くない?」
小さく頭を振る。
あれだけイかされたら、もう普通の愛撫では物足りなくなっていた。
彼は少し力を加えて、くるくると蕾を転がした。
「はぁ………ぁ」
乳房を弄んでいた手は背中に回り、触れるか触れないかの繊細な愛撫を始める。
手の上下の動きに合わせて背は反り、乳房を彼に差し出す格好になる。
それを嬉しそうに彼は頬張り、先端を優しく吸った。
「ン………気もちいい………とけちゃいそう………」
まどかは、夢うつつで腰を揺らし、じっくり、とろとろした蜜を絡ませるように、隘路に彼を擦り付ける。
彼の、愛撫が、くすぶっていた体に火をつける。
「うん………すごく熱い。まどかってすごいエロいんだな……オレが触る度に締まるんだぜ。今はもう、ずっと締まりっぱなし。すげえ気持ちがいい」
胸から口を離して、挑発的な視線でまどかを見つめる。そしてすぐに首に舌を這わす。
まどかは否定するのに、ゆるりとかぶりを振る。
「はぁっ……! そんなこと……」
「あるよ」
まどかの言葉を彼はさらった。
「いじわる………」
(もう、これ以上無理……)
もう、体が敏感になりすぎて、何をされてもすごく感じてしまう。このままでは、本当に彼と別れられなくなってしまう。
一瞬我に返ったまどかだが、同時に「もっと……激しく、して………」と、口にしていた。
ーー私、何を言ってるの。
たちまち、全身がかっと火照る。
「じゃ、おまえが、好きなように動いて?」
ルイは甘えるように顔を覗き込んだ。それがとても愛おしく、まどかはぎこちなく、腰を動かし始めた。
さっき、ルイに集中して愛撫された場所に屹立が擦れると、一気にうねりが湧いた。
「ふぁっ……」
徐々に、大胆に腰を揺らす。自分のすごく感じるところにずりゅっと擦れるのが堪らない。
その感覚を追いかけ、無意識のうちに、彼跳ねるようにして一心不乱に擦り合わせていた。貪る、と言った方がいいかもしれない。
忘れたくない。ずっと。彼の体温と吐息を。熱と一緒に立ち上る匂いと、しなやかな筋肉の微かな動きを。
快感を送り込む、激しく、なめらかな動きを。
「まどか………はっ……あぁ……」
彼も苦しそうに眉を寄せながら、まどかの腰に手を当て、動きを助ける。自分の体の重みで、落ちる度にずんずんと奥の奥まで響いた。
彼の首にしがみつき、無心で腰を振り続けた。どんどん妖しい気分になっていく。声を上げていないとおかしくなりそうだった。
「ルイ? ルイ? ……いいの……すごいっ、あたって………好き……!」
「はあ……まどか………まどか……」
喘ぐ彼が、濡れた花芯を上から軽く押さえつけた。
「あぁぁぁっ!!」
ぱちぱちと火花が散る。全身がびくびく震え始める。
「しびれちゃう……あぁ………好き、好き、好きっ……るぅい!」
最後には嬌声は悲鳴でしかなかった。
「はぁぁぁン………!」
がくがくと全身が揺れ、彼の首に手をかけたまま、許される限り体を反らした。
絶頂を迎え、力なく彼の胸に凭れ込んだまどかを、彼はさらに深く衝き上げた。
「あっ、あっ……やっ……あぁ……」
「はっ……まどか……膝に力いれて……」
「ぅん………?」
ルイの言う通りに両膝に力を入れると、自然と腰が浮いた。そこを彼は前よりも勢いを付けて突き上げる。
速く、激しく擦られて、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が高まる。熱くて、いっぱいで、重く響く。
体中に電流が走り、一気に突き抜けた。全身がわななく。自分の体じゃないみたいに、びくんびくんと震え続けた。
達したまどかが体を落としたので、ルイの激しい動きは妨げられたが、衝き上げは止まない。
「はっ……はぁ……っ」
過呼吸気味になり、彼の動きに合わせるなど到底無理だった。
彼の動きがさらに速くなる。繋がっている一点が擦れて、火傷してしまうのではないかと思う程熱い。
「はぁっ……すごい、締まり……だ……」
彼はいきなりまどかの顔を両手で挟んで、噛み付く勢いでキスをした。舌を捻り込み、乱暴に口内を犯す。
そして、まどかを思い切り抱きしめた。痛い程に。刹那、相手の体がぶるっと震えた。
「くっ………っ……」
隘路に彼の放ったものが溢れる。
「ん……」
あ………はぁっ………。
ルイの腕から力がふっ緩くなった、と思うと、彼はまどかを抱いたまま、後ろへ倒れた。
はぁはぁ……と浅い呼吸をする度に彼の胸が上下する。
呼吸の合間に彼は「もう………さすがに、無理………病み上がりで……気持ち良過ぎて……死ぬかと……思った」ぼうっとまどかを見つつ、微笑した。
(そういえば、そうだった……)
病み上がりであれほど激しく求めてくる彼に、まどかは今更恐れおののいた。
「まどかは………?」
また頬が熱くなるのを感じながら、彼の耳に口を寄せて囁いた。
「全部熱くて、溶けちゃいそうに、気持ちがよかった……」
彼は一度柔らかいキスをすると、優しく笑んだ。
「悪いけど……このまま寝かせて………」
すっと、魂が抜けたように彼は瞼を閉じると、すぐに寝息を立て始めた。
「えぇ………ルイ……鎖……」
まどかは彼の首に腕を回したまま、少しの間途方に暮れた。
それでも、何回もイかされた体はだるくて、やがて瞼もゆっくりと閉じていった。
*
自然と、目が覚めた。部屋はまだ暗いし目が慣れなくて、自分が起きたのか、まだ夢の中なのかわからない。
「!!」
ーーびっくりした……
ルイの顔が目の前にあった。
「起きちゃった?」
その瞳は闇の中の光をかろうじて集め、鈍く光っている。気がつくと二人はお互いに横向きに、抱き合うようにして眠っていた。
「寝顔も、可愛いな、と思って」
聞いてもいないのに彼は呟いた。そのさりげない言葉が逆に、今のまどかの心にじわりと沁みた。
「このままで、ずっといたいところだけど……」
彼はまどかの腕の輪から頭を抜いた。まどかはずっと、彼の頭を抱いて寝ていたのだ。
それは彼が鎖を解かなかったからではあるが。
「痛くない? 重かっただろ」
「あ……うん、少し痺れてる……」
動かせばその痺れに気がついた。腕に軽い痛みを覚えた。
「……もういい加減に外してくれませんか、これ……」
まどかの体に腕を回したルイは、胸に顔を埋めてうとうとと、再び眠りに落ちそうだった。
「え……? あ、あぁ……オレが起きるまで、ここにいる?」
返事の、掠声に甘い響きが混じる。どうやらすでに半分夢の中のようだ。
「なに甘えているんですか……」
「じゃあ、外さない」
「います、いますよ……」
「なら、いい」
彼は気だるそうにもそもそと体を少し起こし、かちんとフックを外す。
しゃらしゃら……鎖は軽い音を立ててベッドの上に落ちた。
まどかは自由になった。明日になれば、もっと自由になる。
彼はもう一度シーツの隙間に潜り込むと、まるで添い寝の子供のように身を寄せて手を取り、指を絡ませた。
「これなら、逃げられない……」
「だから、いますって……」
うん……。
彼は寝息を立て始めた。髪がまどかの肩に掛かり、くすぐったかった。
次に目覚めた時には、すでに部屋に光が満ちていた。
隣に、ルイがいない。さらさらのシーツの隙間が急に冷たく、よそよそしく感じる。
微かに、かちゃ、と食器が触れ合う音がする。水の流れる音。
(ああ、大丈夫。居るのね)
まどかは安心し、枕に顔を埋めてもう一度瞼を閉じる。枕から彼の香りがする。
「ルイ……」
小さな声で、呼んでみる。
気がつくと、柔らかな手つきで頭を撫でられていた。どうやら、再び寝ていたらしい。
気持ちがいいのでしばらく目を閉じたまま、その手の感触を味わう。ーー最後だもの。それくらいいいでしょう。
すう、と息を吸って瞼を開けると、白い部屋着に包まれた彼の膝が見えた。
「おはよう」
穏やかな声がふわりと落ちて気た。まどかは首を捻って彼を見上げた。
ヒゲはもう彼の顎を覆っていなかった。体を屈めて、彼はまどかに軽くキスをした。シャンプーの香りが降り掛かる。
「おはようございます」
彼は一瞬、少し困ったように微笑んだ。そしてすぐに、普段通りの高慢な顔になる。
「おまえは朝、コーヒー? それともお茶がいいの」
「お茶……」
「ミルクは?」
「あ……いっぱい、入れて」
うっ、と彼は喉の奥で唸った。
「寝ぼけた顔してそういうこと言わない」
そして、いつものように、にやにやし出す。
「あ………ちがう……」
「ばーか。わかってるよ、でも、あぶなかったな」
彼はくるりと体の向きを変えて、キッチンへ向かった。
ルイはコーヒーを飲み干すと、ベッドに上がった。まどかは膝を崩して座っていたが、彼はまどかの空のカップを取り上げて床に置くと、腰に腕を回してきた。
膝枕をするような格好になり、まどかは手のやり場に困ったので、とりあえず彼の頭を撫でてみた。
これもある意味、「犬プレイ」……?
彼は気持ち良さそうに、目を閉じている。まどかはふと有吉の言葉を思いだして、切り出してみた。
「あの……有吉から聞いたんですけど、鳳乱が一度ユランで彼と二人きりで話をしたんです。その時有吉に『僕の目の届かない所では、お前がまどかを見ていないと』って、そう言ったって。私、その言葉がすごく引っかかって。もしかして鳳乱は何となく予感はしていたのではないかって。でも、それを長官や教官に伝えると、きっとカンのいいお二人の事です、先に動いてしまう。もし、それが本当に鳳乱の思い過ごしであれば、何事も無かった時に、仲間の内に、特に獅子王との間に亀裂が入ってしまうと彼は考えたんじゃないかって。鳳乱はやさしいですからね。だから、有吉にそんな言葉を残した。やっぱり、私の事が気がかりではあったから。何も無ければ、有吉ならその言葉をあまり深くとらずに、忘れるだろう。もし、何かあれば、その言葉は有効に働くし、いずれ私の耳に届くと読んだ。そのメッセージに私が気がつけば、彼は、少しでも私の悲しみが少なくなると思ったのでは……『これは僕の選択だったんだよ、全てわかっていた』そう、伝えたかった」
「有吉がおまえに伝えなければ……?」
彼は目を閉じたまま言った。
「伝えますよ。いつかは、きっと」
根拠の無い自信だったが、現に有吉は、まどかに伝えた。
「鳳乱はお前に『帰るな』って、言ったか?」
「はい……」
「だろうな。あいつにはおまえを幸せにする自信があったんだろうな。あんなことさえなければ」
あんなことさえなければ、こうしてあなたの腕の中にはいませんでした。
「もういいんです。何か大切なものを手に入れて、失うのは。辛いだけですから」
「辛いだけじゃないだろ。何かかけがえの無いものも残るんじゃないのか。大切なもの程、失った苦しみは大きいだろうけど、得たものも大きい筈だ。そうじゃ無いと相手の存在がを無にすることと等しくないか? ……まあ、おまえがそうやって怖じ気づくのもわからんでも無いけどな、でもだからって、全てをシャットアウトするようなことは意味が無いんじゃないか? ずっとそうやって生きていって鳳乱が喜ぶとでも思ってるのか? おまえ、忘れてるかもしれないけどな、オレだってあいつを失ったんだ。それでも……」
ルイはそこで言葉を切り、目を開けふてくされたようにまどかを見、黙って背を向けてしまった。
まどかは途方に暮れ、ルイの広い背中を見て彼の言わんとしていたことを理解しようとしてみた。でも、だめだった。
多分、心のどこかで焦っていて、今の自分には思考を働かせる余裕が無いのかもしれない。
(……今日、帰るの)
それを言ったら、彼はどんな顔をするだろう。
ーー言ってみようか……。
おもわず口にしそうになり、言葉を飲み込んだ。そのとき、突然ルイは振り向いた。
「な……なに?」
動揺が顔に出ていたかもしれない。そんなまどかの焦燥にも彼は気がつかない様子で、一言。
「オレ、ピル飲み忘れた」
「え……?」
まどかは一瞬固まった。
「どうする? 子供が出来るかもよ」
まどかを見上げる彼の瞳からは、何も読み取れない。
「それは何ですか? 脅しですか? 呪いですか?」
なんとなく……。だけど、その時点でまどかは彼が嘘をついていると見破っていた。
なぜかは分からないけど、きっと、何度か体を交わらせた男女の間には、お互いの言葉が真実かそうでないか、瞬時に見分けられるくらいの超感覚的なものが生まれるのかもしれない。
彼は、ふっと天井に視線を走らせて呟く。
「希望、かなぁ………子供は、希望だ。子供は未来を約束するものだ……きっと世界は続く、という」
なんだか意外な言葉に、まどかは内心驚いた。
「私に、残って欲しいってことですか?」
天井を見たまま、彼は「わからない」と言った。それから、まどかに視線を移した。
「……わからない」
うん。そうだと思う。それが一番適切な答えだと思う。
まどかは彼に心中で答え、むくりと起き上がった。
「シャワー、使わせて下さいね」
熱い湯が体を流れて行く。愛し合った残滓は流れても、肌の上に残ったたくさんの小さな跡は流れない……。
ーーもしかして、ルイも同じなのかもしれない。
答えを探しあぐねて、川岸に立ってただ、流れる水面を見ている。誰かが船で向こう岸に渡してくれるのをじっと待っている。
自分から飛び込もうとはせずに。
彼もサインを待っているのかもしれない。普段より少しだけ注意深くあたりを見回して。
きっと、私たちは似ている。
臆病で、不器用で、礼儀正しくて。
崖を登る細い道の向かいからお互いが鉢合わせになり、道を譲ろうと体を避ける。でも同じ側に避けてしまい、何度かそれを繰り返した後に、にっちもさっちもいかずに立ち往生してしまう。そして、途方に暮れる二人ーー
まどかは頭から降り注ぐ温かい滝の下で、そんなふうに思い、少し、泣いた。
「もう行くの? 研修、午後から出ればいいじゃん」
きちんと服を着て、ベッドの端に座るまどかの手を、彼は指で優しくなぞっていた。
「……午後は教官の研修でしょう。そうもいかないんです。ちゃんとお給料貰って雇われているんですから」
彼はおかしそうに、少し目を細めた。
「真面目だな」
「そうですよ」
まどかは、まだ起きようとしない彼の髪を指で軽く梳いた。彼は満足そうに瞼を閉じた。
「それでは、また午後に。遅刻しないで下さいね」
「うん……」
彼は再び眠りに落ちたようだった。
薄緑色のガラスの筒の中。
このエレベーターに乗るのも最後。まどかはカエルの艶のある背中をじっと見下ろす。
「ねえ、今日はエレベーターが下りるの、やけに遅く感じるんだけど」
乗ってからのろのろと下りるそれは、いつもと比べて明らかに遅い。
「遅いんですよ」
カエルの置物は、前を向いたまま答える。
「え? どうして?」
「あなたが下になかなか行きたがらないからです」
「それがエレベーターにわかるの?」
「わかります。下に着くところを想像してみて下さい」
カエルの言葉通り、それは急に速度を上げてすっと地上階に着いた。
「……本当」
まどかは、開いたドアから一歩出かけて、カエルをもう一度見下ろした。
「ねえ?」
「なんでしょう」
「一回、キスしてもいい?」
「どうぞ」
膝を折り、屈み込むと冷たいカエルの置物を手の平に乗せて顔の高さまで持って来た。
そしてその鼻先に軽くキスをした。
何も起こらなかった。
「……もしかしたら、王子になるかと思ったの」
「ならないですね」
元の場所にカエルを下ろした。
「わたしはあなたの王子じゃなかった、ってことですよ」
「そして私はあなたの姫じゃなかった」
「そうですね」
エレベーターを下りた。
「さようなら」
「さようなら」
まどかは、カエルに手を振った。
0
あなたにおすすめの小説
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
ヤンデレヤクザの束縛婚から逃れられません!
古亜
恋愛
旧題:ヤンデレヤクザの束縛婚〜何も覚えていませんが〜
なぜかここ一年の間の記憶を失い、なぜかその間にヤクザの若頭と結婚することになってました。
書いてみたかった記憶喪失もの。相変わらずのヤクザものです。
文字数バラバラで40話くらい。
なんでも許せる方向け。苦手な方は即回れ右でお願いします。
お肌に合わないと感じたら即座に使用を止めてください。誤字脱字等はご指摘いただければありがたく修正させていただきます。肌に合わない、想像と違った等の批判否定は豆腐メンタルにきて泣きますのでご遠慮ください。
この話はフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる