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決戦は午後から
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「ティファニーちゃんが相手なのね」
ティファニーが明日はよろしくねー!と颯爽と出て行った後、何処かに行っていたリリィが定位置の俺の肩にそっと座った。
「相変わらず、本家筋の人間嫌いだね、リリィ」
「彼女が悪いわけじゃないんだけどね。ディンと早く結婚すれば、私も堂々とティファニーちゃんに会えるのだけど」
昔、リリィを攫おうと本家が手を出したことがあったらしい。末裔には手を出さないけど、妖精なら構わないだろうと。
勿論、その目論見は失敗して、それ以来リリィは本家筋の前に殆ど姿を現さない。
「で、勝てるのステファン?」
ニヤニヤと意地悪そうに笑う彼女をみて、俺は思わず溜め息をついた。
ティファニーは本気でディンのことを好きみたいだ。
それならそれで、わざと負けてくれるのかと言えば、彼女はそんなことしないだろう。必ず、全力で向かってくる。
そうなると、俺だって悪友の為にも負けたくないし、まぁ、精々頑張るしかない。
「あのお嬢さんも、本当に戦闘狂だよねー勝ちたくて戦うんじゃなくて、戦うために勝つんだもんねー」
「勝ったら困るの自分なのに手加減しないとかなー何とか何ないかねぇー」
2人して間延びした会話をしつつ、俺はまた溜め息をついた。
本気で戦うしかないもんね、これは。
仕方ないので、一応明日の決闘用の服を出す。
一応ちゃんとした決闘なんだから、いつもみたいな適当な服だとまずいだろう。
あ、あと剣も磨いとかないとなー
知らずと血がたぎるのが、分かる。
鍛錬とは別に剣を振るうのは久しぶりだ。
「忙しいね、ステファン」
「朝の静けさが恋しいよ」
「でも、楽しそうよ?」
リリィが笑う。いつも彼女は笑ってる。
だから、俺も思わず笑って言った。
「俺も相当な戦闘狂だからな」
さぁ、明日は決戦日。
ティファニーが明日はよろしくねー!と颯爽と出て行った後、何処かに行っていたリリィが定位置の俺の肩にそっと座った。
「相変わらず、本家筋の人間嫌いだね、リリィ」
「彼女が悪いわけじゃないんだけどね。ディンと早く結婚すれば、私も堂々とティファニーちゃんに会えるのだけど」
昔、リリィを攫おうと本家が手を出したことがあったらしい。末裔には手を出さないけど、妖精なら構わないだろうと。
勿論、その目論見は失敗して、それ以来リリィは本家筋の前に殆ど姿を現さない。
「で、勝てるのステファン?」
ニヤニヤと意地悪そうに笑う彼女をみて、俺は思わず溜め息をついた。
ティファニーは本気でディンのことを好きみたいだ。
それならそれで、わざと負けてくれるのかと言えば、彼女はそんなことしないだろう。必ず、全力で向かってくる。
そうなると、俺だって悪友の為にも負けたくないし、まぁ、精々頑張るしかない。
「あのお嬢さんも、本当に戦闘狂だよねー勝ちたくて戦うんじゃなくて、戦うために勝つんだもんねー」
「勝ったら困るの自分なのに手加減しないとかなー何とか何ないかねぇー」
2人して間延びした会話をしつつ、俺はまた溜め息をついた。
本気で戦うしかないもんね、これは。
仕方ないので、一応明日の決闘用の服を出す。
一応ちゃんとした決闘なんだから、いつもみたいな適当な服だとまずいだろう。
あ、あと剣も磨いとかないとなー
知らずと血がたぎるのが、分かる。
鍛錬とは別に剣を振るうのは久しぶりだ。
「忙しいね、ステファン」
「朝の静けさが恋しいよ」
「でも、楽しそうよ?」
リリィが笑う。いつも彼女は笑ってる。
だから、俺も思わず笑って言った。
「俺も相当な戦闘狂だからな」
さぁ、明日は決戦日。
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