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第五章 あなたと家族と明日のこと
5.対決(下)
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「母さん! なんてことを……」
「…………」
紙切れになった友人の手紙を、多比良社長は茫然と眺めるだけだった。
夫人はちらりとそちらを見たが、すぐに流に向き直る。
「流、あなたはパパのようになってはダメよ。家族より会社をとるとか、家族を捨てて他の女と浮気をするとか」
「美咲……それは今は、関係ないだろう」
「あなたは黙っていて」
「そうだぞ、統久くん。男らしくない」
専務が横から夫人に援護射撃をくわえている。
もどかしく見ている直の前で、しかし、多比良社長は大人しく口を閉じてしまった。
「――なんでそこで黙っちゃうんだ、父さん! 母さんばっかじゃない、あんたのそれだって無責任なんだよ!」
いつもの低い声に苛立ちを響かせて、流が声を張り上げる。
攻撃的で父親をよそ者と軽んじる母親、それに唯々諾々と従うだけの父親。
流にとってはどちらも我慢のならないものだったのだろう。
誰の意見に頷べきか、きょろきょろ迷う優佑の背を、後ろから瀬央が軽く叩いた。
「痛ぇな、なんだよ?」
「佐志波は、今この場所の力関係がわからないから迷ってるんだろう」
「いや、いちばん強そうなのは奥さんかなって……」
「そう思うならさっさと向こうについてもいいですよーだ」
「なっ……さすがにそんな手のひら返しはせんわ! だけど、強そうな相手に一回迎合しておいて、そこから切り崩してくのは話術の基本だろうが」
「そんな基本、僕は考えたこともないけどね」
苦笑した瀬央は、睨み合う多比良の一族を眺めつつ、小声で囁いた。
「見た目とはちょっと違う力関係もあるよ。この会社は一応株式会社だから、株を発行してる。上場してないから部外者が売り買いすることはできないけど」
「えっ、株ですか……?」
「一族で持ってんのか」
優佑はじろりと瀬央を睨みつける。
「もしかして、お前も持ってたりしないだろうな?」
「しないよ、僕は部外者と同じ扱い。ただし、誰がどれだけ持ってるのかは知ってる」
「やっぱり、奥様がいちばん多いんですか?」
「うん。美咲夫人が三割、専務が一割。あとは、社長が二割、流が一割。ほら、対立しても四対三で流の方が不利だ。だから、強く言い出せない」
「おー、そう考えると単純だな」
「ん、でも、この場の全員で七割だとすると、残り三割はどこにあるんですか?」
「いい質問だ。残りは親族関係がバラけて持っててね」
「ああ、配当金狙いか。経営には参加してない層だな」
「そうだよ。だけど……」
一瞬、こちらを振り返った流と、瀬央の視線が確かに合った。
二人は目くばせのうちになにかを決めて――そして、瀬央は直に向かって微笑んだ。
「けど、取りまとめることはできる」
「えっ」
「ちょっと待って」
内ポケットからスマホを取り出し、瀬央は誰かに電話をかけながら、流たちの方へと歩きだした。
「あ、ご無沙汰しております。ええ……ええ、はい。ええ、そうです。以前お願いした件……」
にこやかな受け答えの声だけが聞こえてくる。
通話相手の声は微かにしか聞こえない。わかることは少ない。たぶん、直の知らない相手だろうということくらいだろうか。
談笑しながら近づいてくる瀬央に気付いて、美咲夫人が顔を上げた。
「ちょっと、うるさいわよ。仁誉さん……聞いてるの?」
「いえ、どうやらはっきり通達した方がよいものかと思いまして。ええ、悟流曾お爺さま」
「――待ちなさい、お爺さまですって!?」
血相を変えた美咲夫人に、瀬央は黙ってスマホの画面を差し出した。
「どうぞ、美咲夫人。曾お爺さまは直接お話したいそうです」
『……美咲。仁誉と流から聞いたぞ。余計な口出しをしておるらしいな。経営などわかりもせんくせに』
威厳のある老人の声が、スマホから聞こえてくる。
低い声は、確かに流に似ている。
腹違いの兄弟である瀬央が曾お爺さまと呼ぶからには、流にとっても同じ曾祖父――つまり、美咲夫人からは祖父にあたるひとということか。
「どういうことですか、お爺さま! 本家の息子である流はまだしも、仁誉さんは私の――いいえ、多比良の子ですらありませんのよ! それなのに、なぜ連絡先を知って……」
『そんなことはどうでもよい』
ぴしゃりと言葉を遮って、しわがれて落ち着いた声は自分の言葉を続けた。
『わしらは配当金が高くなればそれでいい。統久くんがそうしてくれるというから任せて黙っておった。それが、なんじゃ。統久くんのやることを、おまえが邪魔しとると。最初は信じておらんかったが、仁誉と流は、証拠まで送ってきおったぞ』
「……流!」
「自業自得でしょ。俺は何回も止めたんだよ、あんたを」
美咲夫人の慌てた声を、流は吐き捨てるように跳ねのけた。
びくりと美咲夫人の肩が揺れる。
その表情も見えないであろう電話の向こうの相手は、冷ややかに言い放った。
『おまえは小さい頃からそうじゃ。自分のことばかり言いおって、他人がどうなっても気にもせん。冷たい女じゃ。おまえがそんなだから統久くんが浮気したりするのだ』
「――ちょっと待ってください!」
思わず口を挟んで、直は、それからはっとした。
その場の全員が直を見ている。
不可解な闖入者の存在に場に沈黙が落ちている。
その真ん中を、直は美咲夫人に――いや、スマホに向かって歩み寄った。
「経営もわからんクセに口出ししてくる部外者と、無関係のクセに家族のことに物申す遠い親戚と、なにが違うって言うんですか!」
「煙咲……いんだよ、母さんなんて庇わなくても。あんた、自分が散々困らされてきてるだろう」
流の言葉は冷ややかで、母親に対する思いやりというものを忘れきっているようだった。
美咲夫人が、絶望の目で流を見る。
だが、流は彼女と目すら合わせない。
直はそんな流と美咲夫人を交互に見て、そして再びスマホに向き直った。
「私のは、誰かを庇うとかじゃないです。言うだけのことは自分もやるべきってだけ。できないひとが口を出すから、ややこしいことになるんです」
仕事のもろもろとプライベートのもろもろが、直の中で一気に爆発した。
仕事と私情はわけろって言っておいて、自分がわけられてないとか。
恋人作れ結婚しろとか言っておいて、自分はシングルマザーだとか。
だから。
「だから――そこのところは曲げたくない。それと、これは人道的な話ですけど。親戚とか家族とか……お互いの足を引っ張り合う存在じゃないと思います」
多比良の一族は皆、瀬央までもが胸を突かれたように顔色を変えた。
言うだけ言うと、直はぺこりと頭を下げる。
「すみません、それだけです。失礼しました」
社長室を出た直は、小走りで廊下を駆けていく。
その後ろを、ついてくる足音が一つだけあった。
「…………」
紙切れになった友人の手紙を、多比良社長は茫然と眺めるだけだった。
夫人はちらりとそちらを見たが、すぐに流に向き直る。
「流、あなたはパパのようになってはダメよ。家族より会社をとるとか、家族を捨てて他の女と浮気をするとか」
「美咲……それは今は、関係ないだろう」
「あなたは黙っていて」
「そうだぞ、統久くん。男らしくない」
専務が横から夫人に援護射撃をくわえている。
もどかしく見ている直の前で、しかし、多比良社長は大人しく口を閉じてしまった。
「――なんでそこで黙っちゃうんだ、父さん! 母さんばっかじゃない、あんたのそれだって無責任なんだよ!」
いつもの低い声に苛立ちを響かせて、流が声を張り上げる。
攻撃的で父親をよそ者と軽んじる母親、それに唯々諾々と従うだけの父親。
流にとってはどちらも我慢のならないものだったのだろう。
誰の意見に頷べきか、きょろきょろ迷う優佑の背を、後ろから瀬央が軽く叩いた。
「痛ぇな、なんだよ?」
「佐志波は、今この場所の力関係がわからないから迷ってるんだろう」
「いや、いちばん強そうなのは奥さんかなって……」
「そう思うならさっさと向こうについてもいいですよーだ」
「なっ……さすがにそんな手のひら返しはせんわ! だけど、強そうな相手に一回迎合しておいて、そこから切り崩してくのは話術の基本だろうが」
「そんな基本、僕は考えたこともないけどね」
苦笑した瀬央は、睨み合う多比良の一族を眺めつつ、小声で囁いた。
「見た目とはちょっと違う力関係もあるよ。この会社は一応株式会社だから、株を発行してる。上場してないから部外者が売り買いすることはできないけど」
「えっ、株ですか……?」
「一族で持ってんのか」
優佑はじろりと瀬央を睨みつける。
「もしかして、お前も持ってたりしないだろうな?」
「しないよ、僕は部外者と同じ扱い。ただし、誰がどれだけ持ってるのかは知ってる」
「やっぱり、奥様がいちばん多いんですか?」
「うん。美咲夫人が三割、専務が一割。あとは、社長が二割、流が一割。ほら、対立しても四対三で流の方が不利だ。だから、強く言い出せない」
「おー、そう考えると単純だな」
「ん、でも、この場の全員で七割だとすると、残り三割はどこにあるんですか?」
「いい質問だ。残りは親族関係がバラけて持っててね」
「ああ、配当金狙いか。経営には参加してない層だな」
「そうだよ。だけど……」
一瞬、こちらを振り返った流と、瀬央の視線が確かに合った。
二人は目くばせのうちになにかを決めて――そして、瀬央は直に向かって微笑んだ。
「けど、取りまとめることはできる」
「えっ」
「ちょっと待って」
内ポケットからスマホを取り出し、瀬央は誰かに電話をかけながら、流たちの方へと歩きだした。
「あ、ご無沙汰しております。ええ……ええ、はい。ええ、そうです。以前お願いした件……」
にこやかな受け答えの声だけが聞こえてくる。
通話相手の声は微かにしか聞こえない。わかることは少ない。たぶん、直の知らない相手だろうということくらいだろうか。
談笑しながら近づいてくる瀬央に気付いて、美咲夫人が顔を上げた。
「ちょっと、うるさいわよ。仁誉さん……聞いてるの?」
「いえ、どうやらはっきり通達した方がよいものかと思いまして。ええ、悟流曾お爺さま」
「――待ちなさい、お爺さまですって!?」
血相を変えた美咲夫人に、瀬央は黙ってスマホの画面を差し出した。
「どうぞ、美咲夫人。曾お爺さまは直接お話したいそうです」
『……美咲。仁誉と流から聞いたぞ。余計な口出しをしておるらしいな。経営などわかりもせんくせに』
威厳のある老人の声が、スマホから聞こえてくる。
低い声は、確かに流に似ている。
腹違いの兄弟である瀬央が曾お爺さまと呼ぶからには、流にとっても同じ曾祖父――つまり、美咲夫人からは祖父にあたるひとということか。
「どういうことですか、お爺さま! 本家の息子である流はまだしも、仁誉さんは私の――いいえ、多比良の子ですらありませんのよ! それなのに、なぜ連絡先を知って……」
『そんなことはどうでもよい』
ぴしゃりと言葉を遮って、しわがれて落ち着いた声は自分の言葉を続けた。
『わしらは配当金が高くなればそれでいい。統久くんがそうしてくれるというから任せて黙っておった。それが、なんじゃ。統久くんのやることを、おまえが邪魔しとると。最初は信じておらんかったが、仁誉と流は、証拠まで送ってきおったぞ』
「……流!」
「自業自得でしょ。俺は何回も止めたんだよ、あんたを」
美咲夫人の慌てた声を、流は吐き捨てるように跳ねのけた。
びくりと美咲夫人の肩が揺れる。
その表情も見えないであろう電話の向こうの相手は、冷ややかに言い放った。
『おまえは小さい頃からそうじゃ。自分のことばかり言いおって、他人がどうなっても気にもせん。冷たい女じゃ。おまえがそんなだから統久くんが浮気したりするのだ』
「――ちょっと待ってください!」
思わず口を挟んで、直は、それからはっとした。
その場の全員が直を見ている。
不可解な闖入者の存在に場に沈黙が落ちている。
その真ん中を、直は美咲夫人に――いや、スマホに向かって歩み寄った。
「経営もわからんクセに口出ししてくる部外者と、無関係のクセに家族のことに物申す遠い親戚と、なにが違うって言うんですか!」
「煙咲……いんだよ、母さんなんて庇わなくても。あんた、自分が散々困らされてきてるだろう」
流の言葉は冷ややかで、母親に対する思いやりというものを忘れきっているようだった。
美咲夫人が、絶望の目で流を見る。
だが、流は彼女と目すら合わせない。
直はそんな流と美咲夫人を交互に見て、そして再びスマホに向き直った。
「私のは、誰かを庇うとかじゃないです。言うだけのことは自分もやるべきってだけ。できないひとが口を出すから、ややこしいことになるんです」
仕事のもろもろとプライベートのもろもろが、直の中で一気に爆発した。
仕事と私情はわけろって言っておいて、自分がわけられてないとか。
恋人作れ結婚しろとか言っておいて、自分はシングルマザーだとか。
だから。
「だから――そこのところは曲げたくない。それと、これは人道的な話ですけど。親戚とか家族とか……お互いの足を引っ張り合う存在じゃないと思います」
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