【大師匠は大嘘つき】〜俺はデタラメの剣術を教えたはずなのに、今や妹は剣聖と呼ばれています〜

鳥羽フシミ

文字の大きさ
13 / 96
修行編

第13話 剣聖への道 その3

しおりを挟む
さて、それから俺は妹の行動を見て愕然とするわけだけども――

その前に一言、言っておかなければならない。

「俺は、全くそんな事考えてもいなかったし、ましてやそんな事が出来るなんてこれっぽっちも考えていなかったからな!」

はい。では、妹が俺に見せてくれた特訓の成果を皆様にもご報告しよう。

まず、ナチュラルに彼女はこの家の中で一番広い部屋を選択しました。それはかつて両親が寝室として使っていた今は本棚が一つだけ置いてあるカラッポの部屋。

そして妹は得意気な表情で俺が教えた通り、カラー石ころを「えい!」って部屋中に広がるように投げました。

どう?

なんか違和感ないですか?

俺はむっちゃ違和感あったよ。

だって……。

「部屋中にぶち撒けたら、あっち見たりこっち見たり……一瞬で数えられるわけないでしょうが!」

ヤバ……。思わず口に出ちゃったよ。

そんなんね、目の前の1メートル四方くらいにばら撒かれてるから出来るんであって、ひと目で見渡せないこんな十畳間くらいの部屋にぶち撒けたら……。難易度むっちゃ上がるでしょうよ。

俺はさ――

「出来るようになったら工夫して難易度を上げていきなさい」

って、師匠っぽく格好をつけてあの時確かに言ったよ。でもね、普通は石の数を増やすと思ったの。十個を二十個にしたりして。なのに石の数増やさずに広範囲に投げて視野を広げるなんてね。発想が斜め上すぎるでしょ。

まぁ、もともと俺なんか妹しか見てない視野の狭いやつだし、小さいうちから妹の視野を広げてやる事は確かに悪い事じゃあ無い。そう思うよ。

だけど俺は、あまりに呆気にとられて――「あぁなるほどね。だから俺はこの部屋に入ると躓いていたのか……」なんて感想しかありませんでした。ホント、どんだけ石をばら撒くのが好きなんだこの妹は。

ただ。

妹もまだこの視野で石の数を数えられるかと言うと、それはまだ完璧ではない様子。

でも……。怖い事にそこそこは出来てんだよなぁ。

ホント信じられないけどさぁ、このままじゃあ来年の秋を待たずに池のトンボの数を完璧に数えられる様になっちゃうんじゃないかなぁ。って感じで、この時既に人としてヤバイ領域に足を踏み入れつつある妹なんだけど……。

俺はさほどの心配をしていなかった。だって「たかだかトンボの数を数えられるだけでしょ?」って、この時はそんな気でいたんです。

だから、この時の俺は、むっちゃくちゃ妹の事を褒めてやったよ。そして、褒めに褒めまくってたら、次の週には十畳間にばら撒いた石を完璧に数えられる様になってたの。

「まぁ素晴らしい」

俺もこの時はまだ、この異世界って言う場所の仕組をまだ理解してなかったんだろうな……。正直言って地球とおんなじだと考えてた。だから、妹の成長なんて、いずれ頭打ちになって止まってしまうって、そう高を括っていたんだ。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

処理中です...