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第一章
第七話 君の秘密と俺の願い
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治療室の外、トントンとドアを軽くノックする音が聞こえた後。
「入っていい?」
アシュベルの声だ。
でも僅かに緊張感を孕んでいる。
「どうぞ・・・?」
それを感じつつ、ベッドに横たわっていたエレナは起き上り返事をした。
やはり先ほどの戦闘行為にしゃしゃり出て、自分自身だけでなく彼自身を危険な立場に追いやってしまった。
最後の方は無我夢中で記憶が曖昧ではあるのだが・・・。
彼は国にとって最高レベルの誰もが憧れる花形の近衛隊隊長という重要人物。
価値として万が一にもその人に何かあれば、魔法士ではあっても訓練生未満のエレナには然るべき措置が取られてもおかしくはない。(エレナの考えではある)
無言で部屋に入ってくる彼の表情はやはりいつもと違った。
会うたび余裕のある笑みを浮かべている彼だが、今は探るような視線をエレナに向けている。
「やぁ、体調は大丈夫そうでよかったよ。」
「・・・」
何かある。
しかもそれを隠すつもりはない感じの口調だ。
アシュベルはベッドの端に腰を掛けているエレナに近づいてくると、
近くの椅子を引き寄せ彼女の真正面に座った。
赤い瞳の奥にゾクリとするものを感じる、獲物を捕らえて
離さないような鋭い眼差し。
逃さない、そう宣告されたような眼差し。
しばらく睨みあい・・否、沈黙の見つめあいが続いた後、アシュベルの唇が動いた。
「で、君は何者なの?」
「は・・?」
唐突な質問。
この人は何を言っているんだろう。
もう自己紹介は済ませてあるし、何者って言う言葉のニュアンスが掴めない。
エレナは白銀の髪を耳にかけ、首をかしげながら腕組みをする。
考えうるあらゆる事に頭を巡らせたが何も浮かんでこない。
『―――まさか』
ハッとエレナの頭に一つのことが思い当たった。
もしかしてアノ事を知っているのか。
思い当たる節といえばあの事しかない。
何故彼がそれを知りえたかはわからないが、今はそれしか思いつかない・・。
知られてしまっているなら。
エレナは思いを巡らす。
この人は感がいい、しかも否定しても証拠となるモノを集めて理詰めで看破されることが想定できた。
今更隠しても仕方ない。
もし彼が半端な情報を握っているのなら・・・それはそれで危険。
逆に話さないことのほうが危険だ。
覚悟して正面に座るアシュベルの瞳を見据えた。
「この事は他言無用でおねがいします。」
とうとう話すか・・アシュベルに緊張が走る。
思わず拳に力が入る。
「わたし・・・」
「うん」
神妙な面持ちでアシュベルはうなづく。
エレナ、君は一体何を隠しているんだ?
「おじい様と血が繋がってないんです!」
「う、うん?」
いやいやいや。
ちょっと待て。
そんな事を聞きたいんじゃない。
「おじい様が亡くなる前に聞いたんですけど・・」
エレナは瞳を少し落としたがすぐにアシュベルに向き直った。
ああ、よかった・・話は続くのか。
「――――この国の」
この国の?
――――ゴクリ
「王女、なんです」
「え?」
はあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーー!?
全く予想のしてない答えを聞かされ唖然とするアシュベル。
聞きたかったのはエレナのマナの事。
小さな体には小さなマナしか宿すことができない、それは周知の事実。
なのに彼女は出会った時から剣に闇魔力を宿したままなのだ。
おそらく解除を忘れているのだろう。
しかしそんな事はあり得ない、そんなことをすればマナを枯らしてしまう。
極めつけは先ほど見た闇魔法の具現化。
小さなマナを持っている者にはあり得ない高等魔法、それを知りたかったのに。
―――― 王女?
比べるものが違うが、何かもっと大きな話になってきているような気がする。
しかもアシュベルは貴族の出身、城の夜会に出た時王族の姿を幾度が見ている。
今は16歳の姫が王の代理を務めている。
この子が姫だというなら、どこかで見ているはずだ。
「うーん、ここまで言ってしまったのでお見せしますね」
おもむろに左足のブーツと靴下を脱ぎ右膝の上に裸足になったそれを乗せる。
短パンから伸びるしなやかな下肢は指先まで真っ白で美しかった。
女性には慣れているはずなののアシュベルもこの行動には、少し動揺してしまった。
「足裏を見てください。」
足裏・・?見ると魔術を使った複雑な円形の文様が刻まれている。
「確か、これは神官が使う魔術?」
「そう、代々大神官にしか伝わらない魔術円陣です。もう話してしまったので全てをお見せします」
エレナの言葉には毅然とした決意が感じられた。
魔術とは魔法とは異なるものでマナを持たないものが鍛錬により身に着けられる能力だ。
「その円陣に触れて」
アシュベルは思い出した、王族に生まれた者にはその証が体に刻まれるとか。
予定とは大きく異なる展開だが、ここまで来たらもうのるしかない。
アシュベルはその円陣にそっと手を触れた。
ゆらり・・と足元が不安定になった気がした。
違う、ここはどこだ、風景がセピア色になり見たことのない場所になっている。
辺りを見回してみると、若い男女が神官らしき者と対面している。
これは、この衣装は王と王妃が催事の時に身に着けるもの・・
ということはこの方々は。
女性は赤子を抱いていた。その小さな足に神官が触れ、膝まづく。
そしてその左足をそっと取り、
「ここに王家の証としてエル・ローサ様に天からの永久の加護を願い御印しをお授けします。」
神官が何かを呟いた後、その赤子の足の裏に文様が浮かび上がった。
それを嬉しそうに見守る男女の姿。
「何か見えた?」
エレナの声だ。目の前に黒い瞳をしたエレナがこちらを真っすぐに見ている。
「見えた・・」
そう発言するだけでアシュベルは精一杯だ。
「そう、わたしは自分で触れても何も見えないし感じない。だからそういう自覚は特になくて・・でもおじい様がここの文様の事を教えてくれたの。」
足を下ろしながらエレナは話す。
「これで全てです・・できれは誰にも明かす気はなかったんだけどな。そして、この事は先ほどお話した通り他言しないでほしい」
予想とは大きく違った。
エル・ローサ。
この名前には聞き覚えがある、三歳で賊に殺されたという話を聞いたことがある。
でも、その王女が生きて目の前にる。
自分が彼女に何かを感じたのはこのことだったのか?
いや、どちらかというとこの少女の本質だ。
捕らわれた女性達を救うため一人で40人の敵に向かっていく姿を見た時。
あの一瞬で心奪われていた。
・・・興味だとか面白いだとか、そんな陳腐な言葉で自分を騙していた。
あったばかりのこの子に、いや、この小さな少女にどうしようもなく惹かれてる自分を認めるのが怖かった。
それを認めてしまえば、何かあった時にまた自分が落胆してしまうだけ。
「一つ聞いても・・?」
「え・・・まだ何か」
「何故君は剣をふるうの?」
エレナは不思議そうに小首をかしげて答える。
「せっかく天より与えられた闇のマナがあるのだから一人でも・・・いや願わくば全ての人を護りたいと思ったから。勿論それが欲張りなことだとは理解しているつもりだけど」
エレナの濁りのない何処までも澄んだ瞳。
欲張り?
自分の積もり積もった打算と嘘にそれは眩しすぎた。
アシュベルは炎のマナと整った顔立ちのおかげで周囲は彼を放って置いてはくれなかった、そして彼らのほとんどは彼を利用することに執着し腐りきった世の中だと小ばかにしながらも惰性でその能力を使っていた。
もう諦めていたもう疲れ切っていた・・・でもそんな中エレナが現れた。
「俺を君の・・いえ、王女殿下の盾にしてください。」
この方に実際何があったかアシュベルには分かりようもない、
でもここにいるエレナは王族という身分を明らかに証明できるものがあるのにも関わらず、それに頼らず生きて行こうとしている。
この方は正真正銘、姫なのだ、名乗りを上げればいずれ女王の座に着く方。
この国の頂点に立つことができる。
地位や名誉を重んじる者であれば喉から手が出る程欲しい地位だ。
―――― 全てが手に入るのだから。
それを彼女は要らない、と言う。
誰が想像できるだろう、自ら鋳薔薇の道を選ぶ王女がこの世に居ることを。
「入っていい?」
アシュベルの声だ。
でも僅かに緊張感を孕んでいる。
「どうぞ・・・?」
それを感じつつ、ベッドに横たわっていたエレナは起き上り返事をした。
やはり先ほどの戦闘行為にしゃしゃり出て、自分自身だけでなく彼自身を危険な立場に追いやってしまった。
最後の方は無我夢中で記憶が曖昧ではあるのだが・・・。
彼は国にとって最高レベルの誰もが憧れる花形の近衛隊隊長という重要人物。
価値として万が一にもその人に何かあれば、魔法士ではあっても訓練生未満のエレナには然るべき措置が取られてもおかしくはない。(エレナの考えではある)
無言で部屋に入ってくる彼の表情はやはりいつもと違った。
会うたび余裕のある笑みを浮かべている彼だが、今は探るような視線をエレナに向けている。
「やぁ、体調は大丈夫そうでよかったよ。」
「・・・」
何かある。
しかもそれを隠すつもりはない感じの口調だ。
アシュベルはベッドの端に腰を掛けているエレナに近づいてくると、
近くの椅子を引き寄せ彼女の真正面に座った。
赤い瞳の奥にゾクリとするものを感じる、獲物を捕らえて
離さないような鋭い眼差し。
逃さない、そう宣告されたような眼差し。
しばらく睨みあい・・否、沈黙の見つめあいが続いた後、アシュベルの唇が動いた。
「で、君は何者なの?」
「は・・?」
唐突な質問。
この人は何を言っているんだろう。
もう自己紹介は済ませてあるし、何者って言う言葉のニュアンスが掴めない。
エレナは白銀の髪を耳にかけ、首をかしげながら腕組みをする。
考えうるあらゆる事に頭を巡らせたが何も浮かんでこない。
『―――まさか』
ハッとエレナの頭に一つのことが思い当たった。
もしかしてアノ事を知っているのか。
思い当たる節といえばあの事しかない。
何故彼がそれを知りえたかはわからないが、今はそれしか思いつかない・・。
知られてしまっているなら。
エレナは思いを巡らす。
この人は感がいい、しかも否定しても証拠となるモノを集めて理詰めで看破されることが想定できた。
今更隠しても仕方ない。
もし彼が半端な情報を握っているのなら・・・それはそれで危険。
逆に話さないことのほうが危険だ。
覚悟して正面に座るアシュベルの瞳を見据えた。
「この事は他言無用でおねがいします。」
とうとう話すか・・アシュベルに緊張が走る。
思わず拳に力が入る。
「わたし・・・」
「うん」
神妙な面持ちでアシュベルはうなづく。
エレナ、君は一体何を隠しているんだ?
「おじい様と血が繋がってないんです!」
「う、うん?」
いやいやいや。
ちょっと待て。
そんな事を聞きたいんじゃない。
「おじい様が亡くなる前に聞いたんですけど・・」
エレナは瞳を少し落としたがすぐにアシュベルに向き直った。
ああ、よかった・・話は続くのか。
「――――この国の」
この国の?
――――ゴクリ
「王女、なんです」
「え?」
はあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーー!?
全く予想のしてない答えを聞かされ唖然とするアシュベル。
聞きたかったのはエレナのマナの事。
小さな体には小さなマナしか宿すことができない、それは周知の事実。
なのに彼女は出会った時から剣に闇魔力を宿したままなのだ。
おそらく解除を忘れているのだろう。
しかしそんな事はあり得ない、そんなことをすればマナを枯らしてしまう。
極めつけは先ほど見た闇魔法の具現化。
小さなマナを持っている者にはあり得ない高等魔法、それを知りたかったのに。
―――― 王女?
比べるものが違うが、何かもっと大きな話になってきているような気がする。
しかもアシュベルは貴族の出身、城の夜会に出た時王族の姿を幾度が見ている。
今は16歳の姫が王の代理を務めている。
この子が姫だというなら、どこかで見ているはずだ。
「うーん、ここまで言ってしまったのでお見せしますね」
おもむろに左足のブーツと靴下を脱ぎ右膝の上に裸足になったそれを乗せる。
短パンから伸びるしなやかな下肢は指先まで真っ白で美しかった。
女性には慣れているはずなののアシュベルもこの行動には、少し動揺してしまった。
「足裏を見てください。」
足裏・・?見ると魔術を使った複雑な円形の文様が刻まれている。
「確か、これは神官が使う魔術?」
「そう、代々大神官にしか伝わらない魔術円陣です。もう話してしまったので全てをお見せします」
エレナの言葉には毅然とした決意が感じられた。
魔術とは魔法とは異なるものでマナを持たないものが鍛錬により身に着けられる能力だ。
「その円陣に触れて」
アシュベルは思い出した、王族に生まれた者にはその証が体に刻まれるとか。
予定とは大きく異なる展開だが、ここまで来たらもうのるしかない。
アシュベルはその円陣にそっと手を触れた。
ゆらり・・と足元が不安定になった気がした。
違う、ここはどこだ、風景がセピア色になり見たことのない場所になっている。
辺りを見回してみると、若い男女が神官らしき者と対面している。
これは、この衣装は王と王妃が催事の時に身に着けるもの・・
ということはこの方々は。
女性は赤子を抱いていた。その小さな足に神官が触れ、膝まづく。
そしてその左足をそっと取り、
「ここに王家の証としてエル・ローサ様に天からの永久の加護を願い御印しをお授けします。」
神官が何かを呟いた後、その赤子の足の裏に文様が浮かび上がった。
それを嬉しそうに見守る男女の姿。
「何か見えた?」
エレナの声だ。目の前に黒い瞳をしたエレナがこちらを真っすぐに見ている。
「見えた・・」
そう発言するだけでアシュベルは精一杯だ。
「そう、わたしは自分で触れても何も見えないし感じない。だからそういう自覚は特になくて・・でもおじい様がここの文様の事を教えてくれたの。」
足を下ろしながらエレナは話す。
「これで全てです・・できれは誰にも明かす気はなかったんだけどな。そして、この事は先ほどお話した通り他言しないでほしい」
予想とは大きく違った。
エル・ローサ。
この名前には聞き覚えがある、三歳で賊に殺されたという話を聞いたことがある。
でも、その王女が生きて目の前にる。
自分が彼女に何かを感じたのはこのことだったのか?
いや、どちらかというとこの少女の本質だ。
捕らわれた女性達を救うため一人で40人の敵に向かっていく姿を見た時。
あの一瞬で心奪われていた。
・・・興味だとか面白いだとか、そんな陳腐な言葉で自分を騙していた。
あったばかりのこの子に、いや、この小さな少女にどうしようもなく惹かれてる自分を認めるのが怖かった。
それを認めてしまえば、何かあった時にまた自分が落胆してしまうだけ。
「一つ聞いても・・?」
「え・・・まだ何か」
「何故君は剣をふるうの?」
エレナは不思議そうに小首をかしげて答える。
「せっかく天より与えられた闇のマナがあるのだから一人でも・・・いや願わくば全ての人を護りたいと思ったから。勿論それが欲張りなことだとは理解しているつもりだけど」
エレナの濁りのない何処までも澄んだ瞳。
欲張り?
自分の積もり積もった打算と嘘にそれは眩しすぎた。
アシュベルは炎のマナと整った顔立ちのおかげで周囲は彼を放って置いてはくれなかった、そして彼らのほとんどは彼を利用することに執着し腐りきった世の中だと小ばかにしながらも惰性でその能力を使っていた。
もう諦めていたもう疲れ切っていた・・・でもそんな中エレナが現れた。
「俺を君の・・いえ、王女殿下の盾にしてください。」
この方に実際何があったかアシュベルには分かりようもない、
でもここにいるエレナは王族という身分を明らかに証明できるものがあるのにも関わらず、それに頼らず生きて行こうとしている。
この方は正真正銘、姫なのだ、名乗りを上げればいずれ女王の座に着く方。
この国の頂点に立つことができる。
地位や名誉を重んじる者であれば喉から手が出る程欲しい地位だ。
―――― 全てが手に入るのだから。
それを彼女は要らない、と言う。
誰が想像できるだろう、自ら鋳薔薇の道を選ぶ王女がこの世に居ることを。
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