ものひろいの能力もらったけど魔法と恋愛に夢中です。

紫雲くろの

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中等部編

第48話 魔王

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私の人生の始まりは他人よりおそらく最悪だったと思う・・・。
物心ついたときには両親はすでに他界していて、援助を受けながら一人暮らしをしていた。

学校に行っても友達はいない。机に伏せるか、スマホをいじるだけの生活だった。
やりたいこともない、このまま行っても野垂れ死ぬのが夢と言っていいほどだ。

ある時、メッセンジャーアプリに通知が届く。
友達も・・・家族も居ない私に対して起こるはずのない出来事であった。
「なにこれ・・・。」

そこには送り主不明で16時30分発のバスに絶対乗るな。とだけ書いてあった。
指定されたバスはいつも私が下校に使用しているバスであった。
「ふーん・・・・」

なんてことはない。誰かのいたずらだろうと思ったが不思議と嫌な感じはしなかった・・・・。
他にやることもなかった私は、それに従ってみることにした。

どうせ暇なので、図書室辺りで時間を潰すことにする。
図書室は校舎の3階にあり時間も相まって夕日が窓から見える。
「本を読むつもりだったがこういう日もあってもいいだろう。」

しばらく夕日を見ていたらなんとなく周りが騒がしくなってきた。
図書室で騒ぐな・・・と言いたかったが聞き耳を立てる。

「あの大通りでトラックとバスの事故だってー。でも誰も乗ってなかったんだって!」

「自動運転でも事故するんだねー。って何それおかしくない!?」

「それそれ。私そのバスに乗ろうとしてたんだけど変なメッセージが来てさぁー」

確かにおかしい・・・そのバスは下校のため多くの学生が利用する。
利用者が居なかったということは、私を含め利用する者にピンポイントで例のメッセージ?を送っていたことになる。

私程度の生きる価値もない人間に対して、メッセージを送った変わり者に驚いた。
「意味分かんない・・・・。」

更に不思議なことに、同時にどうやってバスの事故を予測できたのかが気になった。
それを生きる意味と思い込むほどに、無性に知りたくなったのだ。

「どういう原理で・・・・。それも・・意味分かんない・・・・。」

その日からゲームを提供していたスマホは情報の海を探し回る為のツールへと変化した。

それから8年後・・・手がかりはあの日の場所と日時だけであったが、ついにその正体を見つけた。
無論単純に情報の海を探し回るだけではダメで、ハッキングと呼ばれるグレーな部分に半ば手を染めることになったが仕方なかった。

「うし!うし!ついに・・ついに・・・見つけた。」

そのシステムはアカシックレコードというらしい。
製作者は2人。その1人は世界的にも有名な人だった・・・。
アカネ・・・多くの画期的なシステムを開発。世界的エンジニア。
コウ・・・会社員・・・と、しか書かれていなかった。

「意味わからないでしょ・・・夫婦か?」

そして私はソースコードの一部を読んでいく。

「どういうこと!?基本的なアイデアはほとんどコウって人・・・・。」

そのシステムは以外にも普通そうなコウという人がコンセプトとアイデアを考えていた。

「凡人でも努力すればアカネのような人と対等にシステム開発できるってことか・・・」

おそらくアカネが残したであろうソースコードに埋め込まれたメッセージを読む。

*親愛なるコウへ。あなたは救えなかったけど、多くの命を救うことができた。ありがとう*

「そっか・・・死んじゃってたんだ・・・」

気がつくと私は涙が出ていた。
コウという人の努力に感動していたのか・・・生きる意味を達成できたことに感動していたのか。
よくわからなかった。

その夫婦に助けられた私は彼らを親と見立てていただけなのかもしれない。

ともかくその人たちのおかげで生き延びて、生きる意味というものを見出すことができた。

・・・

改めて彼を前にして抑えていた気持ちがこみ上げてくる。
「おぬしは・・・私の命の恩人なのじゃ・・・だから・・・私は!!」

「あー、あれか・・。初回テストで失敗したやつか!」

「は?どういう・・・」

「アカシックレコードを起動したはずだったんだが、テスト設定切り替えるの忘れててなー」

「え?たまたま???」

その男は苦笑いしながら呟く。
「まぁ、そんな感じ・・・」

安堵するとともに不思議な怒りがこみ上げてくる。
そんな感じでそいつに清純な乙女である私は弄ばれた。
「っざけんなーっ!」

拳をそいつにぶちかます。
「ぐはっ!」

そいつは大広間入り口付近の壁まで吹っ飛んだ。
「コウさん!」
「コウ君!」

「そんなものよ。世の中ってやつはね。」

「そ、そんな・・・」

吹き飛んだ先から頭を抑えて男は出てくる。
「まぁなんだ・・・、生きる意味を見つけれたんならそれで良いじゃねえか。」

「う、うむ・・・・。」

「それじゃぁ・・・リンを頼んだぞ。」

アルフレッドはお辞儀をする。
「おまかせくださいませ。コウ様・・・」

「これでやっと帰れるな・・・。」

俺は大広間を後にする。
「ま、待つのじゃぁ!」

「まだなにかあるんですか?」

「やはり、腑に落ちん。散々、乙女心を弄んでおいて帰すわけにもいかん。」

乙女心??ノーモーションでグーパンチしてくるやつだぞ・・・嫌な予感しかしなかった。
「はぁ。散々とは・・・・」

魔王は仁王立ちをしながら呟く。
「据え膳食わぬとはなんとやら・・・なのじゃ・・・。」

アルフレッドが神妙な面持ちで呟く。
「お言葉ですが魔王様、この者はすでに満腹のように見えます。」

「貴様は黙るのじゃ。」

「はっ。」

「決めたぞコウよ!わしは貴様をものにしてみせるぞ。」

「させると思う?」
「にゃ。」
「あげません。」

すると一瞬で魔王の姿が消えた。

「ふっ。遅いのじゃ・・・、わっぱ共。」
「っ。」

気がつくと、魔王に抱きつかれていた。
普段からロモが抱きついて来るので避けるのは余裕・・・と思っていたがこれはその比ではない。

「いたたた!」

そして力も尋常ではない。
「ぬ、痛かったか。すまぬすまぬ。」

そして魔王は着ている服を脱ごうとする。

「待て待てー!」

「なんじゃ。先にこっちのほうが良かったかのう?仕方ないやつじゃのう。」

「違うわ。ってさり気なく服を脱がそうとするな・・・。」

「むぅ。」

「とりあえず座れ!」

魔王がしょんぼりしながら渋々その場に座り込む。
「はい・・・。」

その後ナシェたちに魔王は拘束された。

「お前の人生だから自由にしてもいいと思うけどな・・・」

「な、ならば。」

「段階を踏め。まずは友達からってやつだ・・・」

魔王は目を煌めかせながらこちらを見てくる。
「ということは・・・わ、わかったのじゃ!」

わかっていない気がする・・・。
その後アルフレッドによって俺達は屋敷まで転移させてもらった。

「ふー疲れたな・・・」

「そうね」
「うん・・・」
「にゃ」
「そうじゃのー。」

「ってなんでお前がいるんだよ。魔王だろ・・・」

「段階を踏めと行ったのは、おぬしじゃろう。」

「くっ。」

「まぁよろしく頼むぞ。コウよ。」

魔王が仲間?に加わった。
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