ものひろいの能力もらったけど魔法と恋愛に夢中です。

紫雲くろの

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中等部編

第50話 王国魔法学園対抗大会選抜会

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アルドリア学園

俺は久々に学園に顔を出していた。
魔王城の件で他国に長期滞在していたとはいえ、クラスメイトの成長が目視でわかるぐらい空けていたことに驚愕し、改めてあの件の大きさを実感した。
そして気になるのは卒業に関してだが・・・国防に協力しているという事と、某生徒会長の謎の力により、俺達は通学を半ば免除という形になっていた。

「なんか懐かしい気がするよな。」

「ねー。私も思った。」

「ですねぇ。成長した気がします。」

「いろいろありすぎてにゃあ。」

俺達は懐かしみながら教室に入る。
一緒に登校した3人はクラスの女子たちと楽しそうに話している。
「ナシェちゃん、リンちゃん、ロモちゃん久しぶりー」
「だねー。」
「にゃ!」

俺が席につくとモニカ、リーク、エンリカが話しかけてくる。
「コウ君・・・久しぶりだね・・・」
「久しぶりだな!コウ!」
「お久しぶりですわね。コウさん。」

「あぁ、久しぶりだな二人共。くっついたんだな。」

「なんでわかったんだよコウ!」
「ですわ!」

「そりゃ肩が当たるぐらいの距離なら誰でもわかるだろ・・・・。」

その言葉を聞き、2人は照れだす。

「コウさん。私達と一緒ですねっ!」
後ろから勢い良くモニカが腕に胸を当ててくる。

「いつの間に・・・。っていうか当たってるから離れてくれ。」

「良いじゃないですか。これでも私・・・また大きくなったんですよ!」
前々から大きいとは思っていたが・・・まだ成長するのか・・・。
そう思いつつ、果たして大きすぎる責任に対してちゃんと返済できるのかが不安だった。

そのやり取りを見ていた、3人が近づいてくる。
「モニカちゃん、くっつき過ぎ!」
「えぇ、生徒会として指導しないと!!」
「にゃ!」

「あんっ。」

「はぁ・・・。」

しばらくして、入ってきた教師が話し出す。

「はい、皆さん席についてください。今年は王国魔法学園対抗大会が開かれます。」


その後、教師から概要と競技に関して説明を受けた。
それは数年に一度、王国内の学園間で行われる対抗戦で、出場資格は魔法が使える事で基本ルールとして物理攻撃禁止ということのようだ。

競技としては以下の3つ。
・宝玉と呼ばれるアイテムを一定時間持ち続けた方のチームが勝ちの、スフィアサバイバル
・単純に城レベルの構造物を破壊する、オブジェクトブレイカー
・時間内に指定された各地点を回る、スピードスター

前世のインターハイみたいなものか・・・魔法に関して何か情報が得られるチャンスだろう。

教師が笑顔でこちらを見てくる。
「コウさんはどれに参加したいですか??」

どうやら俺に拒否権は無いようだった。

オブジェクトブレイカーは魔法威力があるナシェやリンたちが妥当だろう。
ものひろいで大量に所有している魔法変換の機能を持つ杖を使えば、一応は参加可能だが期間中に仕上げれるかどうか微妙なところだ。

スピードスターも砂鉄で黒馬を作れば一応可能だが、様子見といったところだろう。

となると・・・・チーム次第にはなるが、スフィアサバイバルが妥当だ。

「スフィアサバイバルでお願いします。」

ナシェ、リン、ロモ、モニカが一斉に手を上げる。
「私も!!」

「ロモは魔法使えるのか?」

「にゃ?使えないけどそこは愛でなんとかするにゃ。」

「はぁ・・・・。ということで先生、ロモさん以外の4名をスフィアサバイバルで。」

ロモはがっかりした様子だった。
「そんにゃー。」

「はいわかりました。ただしこれは立候補なので、そのままチームになるわけではないですよ。」

「はい。」

「他に、スフィアサバイバルに参加したい人は居ませんか?」

「コウたち以外に居ないよな。」

「えぇ。ロウウェルさんがいれば立候補していたのでしょうけど。」

そういえばテウリアギルドで会った、炎の勇者ことロウウェルにも最近会っていないな・・・。

「次にオブジェクトブレイカーの立候補者を募ります。複数参加可能なので皆さん是非参加してください。」

クラスの大半が手を上げる。
「はい、先生。参加したいです。」
「私もー」

どうやら対人戦がなく、単純な魔法の威力だけで勝負できる競技は人気なようだ。
俺の魔トレ特訓メニューによりクラス平均の魔法の威力はそこらへんの魔術師に引けを取らないレベルまで引き上げられていた。

「結構集まりますね、コウさんももちろん参加しますよね?」

「えーっと、余り得意ではないので・・・不参加で・・・・」

「えーっ。コウ君、出ないの??」

「電磁力は大きな物の破壊に向いてないんだよ、ナシェ」

「そうなんだ・・・。私は得意だよ!」
得意げにプロミネンスコアを見せてくるも、地味な机と椅子で彩られた教室に対しての場違い感がすごかった。
毎回思うが、かなり装飾されているので成金貴族が集めていそうなアンティークにしか見えない・・・。

「ナシェはすごいんだな。それはしまっておこうな。」

「うん・・・。」

「ということでオブジェクトブレイカーを締め切ります。」

その後のスピードスターも無事決まり、明日選手と生徒会を交えて選手選定を行うようだ。
「生徒会か・・・、嫌な予感しかしない・・・。」


翌日ーアルドリア学園ー会議室

1クラス分のスペースが設けられたこの部屋には会議用の机と椅子が所狭しと並べられていた。

二人がけの机が複数個あり、そこに選手たちは座っている。
俺とナシェはそれを共有するように座っていた。

「な、ナシェ近いよ。」

「えー、いいじゃん・・・」

席が普段よりも近いためかくっついてくる。
隣の机にいたリンとモニカはなにか言いたそうに見つめてくる。

その様子に痺れを切らした生徒会の風紀委員であるリンが注意する。
(普段、割と乱れまくってる風紀委員とは・・。)

「そこっ!近いですよ!」

「ナシェ、離れてくれ・・・。」

俺はナシェを引き離した。

「わ、わかればよろしい・・・・」

その様子を見ていた周りがざわつく。
「おい、あいつが・・・。」

「あぁ、魔法が得意で女たらしっていう・・・。」

学園で噂になっていることは知っていたが、女たらしは余計だ・・・。

会議室中央の机に座りながら、その様子を涼し気な表情で見ていたアカネが話し出す。
「ということで、選手選抜を始めます。アルクさん、進行よろしくね。」

「は、はい会長!生徒会副会長であるアルク=バースが進行を努めさせていただきます。」

副会長であるアルクは気を張るかのように、眼鏡を指で跳ね上げる。
「静粛に、選手選抜から外しますよ!!」

「すいません。」

アルクは黒板に紙を貼り出した。
「それでは選考会を行います。まずはオブジェクトブレイカーですが」
学年別に先行されたメンバーが公開される。
俺の学年ではナシェやリンといったふさわしいメンバーの名前が並んでいた。

そこには何故か立候補していない俺の名前も存在した。
「ちょっと待てくれ!」

「はい、女たらし・・・ゴホン!コウさん、何でしょうか?」

悪名の元凶がそこにいるにも関わらず、生徒会内でも俺の評判は良くないらしい。
「おいっ。俺はその競技に立候補していないぞ。」

「はい、ですが会長からの推薦ですので・・・。」

もしやと思っていたが想像したとおりだった。
その生徒会長は腕を組みながら少し微笑んでいた。
毎度の事なので、怒るよりも呆れのほうが先にきていた。
「はぁ・・。」

「あなた、なんですかその態度は!」

「やめなさい、アルク。」

「ですが・・。」

「私は、彼の実力を高く買っているの。」

その言葉で周りが更にざわつき始める。
「そんな!王族の名門貴族である会長の信頼を得ているなんて!」
「ただの女たらしにしか見えないやつがですか!?」

奪取者討伐にテウリア救済したりしているから大分国防に手を貸しているはずなんだが・・。
それよりも俺はアカネが名門貴族ということに驚いていた。

「彼を侮辱するということは、推薦した私を侮辱しているということなのだけれど・・・。」

「す、すいません会長!ですが説明だけでもお願いできませんか?」

「テウリア襲撃事件の早期解決とだけ言えばいいかしら?」

先程バカにしていた生徒たちの見る目がみるみるうちに変わってくる。
「なんと!天地がひっくり返るようなあの事件を・・・。」
「まぁ。すごいですわ。」

アルクはテウリアの件を聞いても表情一つ変えずに堂々として居た。
「ですが彼の魔法は電磁力と聞いています。大したことは無いのでは?」

「その大したことの無い魔法で、テウリアを救ったのだけれど?」

「し、失礼を!」

「この大会は魔法の性能だけじゃない、使い方よ。それを肝に銘じておいてね。」

「おぉ!」
「素晴らしい。」

周りから拍手喝采が巻き起こり、あのアルクは相当心酔しているらしく涙を流していた。
俺は長い付き合いのある嫁があそこまで支持されていた事に驚いていた。

「会長さん、すごいですね・・・。」
「あぁ、俺も意外だったよ。」

会議室が徐々に静まる中、それを遮るかのように俺の後ろの方から幼い声が上がる。
「テウリアを救うぐらい、私にもできるわよ!!」

振り返ると白いローブを身に着けた幼い少女が仁王立ちをしながらふんぞり返っていた。
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