豪運少女と不運少女

紫雲くろの

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第1章

私の豪運は豪遊を届ける。

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あれからどうなったのかわからないが、社長就任早々お世話係に
裏切られた私は首を締められて死んだのであろう。

短かった人生もここまでか・・・。
最後ぐらいはお母さんに謝っておきたかったな・・・。


暗闇の中から昔の記憶がふと蘇ってくる。

それは母親から不思議なタブレット端末を渡された時のことだ。
「あなたのお父さんは交通事故で死んでしまったけれど、今もこうやって守ってくれるわ。」

そうしてタブレット端末に映るそれを初めて見たのである。
「はじめまして、レノ様。私は知己と申します。」

「事情があって私はあなたをいつも守る事はできないけど、
お父さんがいつも側に居てくれるからね。」

「うん!ありがとう、お父さん、お母さん。大好き!!」

「ふふっ。この子ったら・・・。」

母親が優しく私の頭を撫でる。

・・・

「ありがとう・・・お母さん・・・。」

コンテナの扉が閉まる音で、目が覚めた私はベットで横になって居た。

「ここは・・・コンテナか・・・。私・・・家出をして・・・・。」

あれから何時間寝ていたのであろう。
窓のカーテンからは陽の光が差し込んでいた。

「そうだ!あの筋肉お世話係のせいで!!」

部屋を見渡してみると整理されており、ゴミひとつ無かった。
机には着替えと思われる服が用意されていた。

「あのお世話係がやったのかな・・・」

タブレット端末から声が聞こえる。
「おはよう御座います。レノ様。現在シンガポールに到着しています。」

「ほー。滞在期間は?」

「3日ほどとなって居ます。」

「おっけー。観光するかぁ・・・・・」

シンガポールといえばカジノ!それにあのホテルだ!

だが1つ問題がある・・・・。
そうコンテナの前にはアイツが居る・・・私を裏切り、殺そうとした筋肉お世話係だ。


またもや、私は恐る恐るコンテナの扉をあけて見る。
ゴゴゴ・・・

そこには人影はなく、サンサンと照らされた甲板と大きな港湾が広がっていた。

「お・・・居ない!?ラッキー!!流石にあれだけやっといて、クビにされたよね!」

私は船内に戻り、船員に話しかける。

「あのー。」

「はい、なんでしょう。」

「観光したいんですけど。」

「分かりました。手配します。」

その後手配された車に乗ってシンガポールを巡っていた。
遠くではあるが車の窓から、かの有名な像が見える。

「おー、あれが!ゲーライオン!!」

至って普通の像が永遠と水を吐き続けているだけであった。

そんな像の周りには沢山の人だかりができていた。
今流行りのワンスタと呼ばれるSNSのために、多くの人々がその像を写真に収めていた。

「みんな必死だねー。私もあれだけ夢中になれれば幸せなんだろうけど・・。」

私のコンテナから見る景色のほうが、よっぽど刺激的なのでがっかりだった・・・。
それとあの筋肉お世話係がいなければもっと楽しいはず!

「うーん、なんか物足りないよね・・・。ほか向かってくれる??」

「かしこまりました。」

巨大な3本のビルに支えられたホテルに私は居た。
ここがかの有名な、マルーン・ベイ・ナイツ!!

運転手がドアを開けるとホテルマンであろう男が出迎える。
「レノ・シッピング・カンパニー社長、レノ様!ようこそいらっしゃいました。」

「うむ!!」

これだよ、これー。女子中学生にすら敬意を払う、これぞ一流ホテルだ!!
レッドカーペットの引かれたホテル内を歩き、最上級の部屋に案内される。

「おーここが・・・・広いね。」

「はい、当ホテルの最上級グレードのお部屋となっております。」

落ち着いた間接照明を基調としていて、窓からは高さ50階から見る贅沢な夜景が見える。
シネマルームやビリヤード、サウナ、プライベートジムまで完備しているという、
まさに至れり尽くせりといった空間だった。

特にこのキングサイズのベット!!
1の力で押すと2の力で返ってくる物理法則無視の圧倒的反発力と、
フカフカな素材は私でさえ触ったことがない感触であった。

「うはー!最高!!」

人生初の宙返りを堪能した私は満足げに他の部屋へと向かった。

その後はシネマルームで映画を堪能し、部屋に備え付けのカラオケルームにいた。
タッチパネルを操作しながら懐かしの曲を選んでいく。
「おー、懐かしの!!おま魔女どれみ!!」

「これはプイキュア!!なつかしいなー」

二人でプイキュア~♪

懐かしの歌を堪能した私はジャグジーにいた。
夕日を見ながらのジャグジーは家出をしてから起きた、
クソな出来事をすべて洗い流してくれるかのような体験であった。

「なんだこれ・・・最高すぎる・・・。ここに永住しようかなぁ・・・・。」

・・・

そんな生活を堪能しているとタブレット端末が残酷な現実を突きつけてくる。
「レノ様、3日経ちましたのでお戻りください。」

「えー。ここに永住するから、もう出港しても良いよ」

「了解しました。」

まぁ、コンテナも良かったけどあの筋肉お世話係が居るだろうし戻らなくてもいいかな・・・。

あれからどのぐらいの時間が立っただろう・・・・。

贅沢を大いに満喫していた私は、ついにこの瞬間を迎えた。
「あきた・・・・。知己、あの建物は?」

「カジノです。」

「ほー。行ってみるか。」

何ヶ月ぶりにホテルを出た私は近くのカジノにいた。

久々の賭け事に私はワクワクしていた。
当然全部大当たりに変えてしまうけれど・・・。
「レノ様!!大当たり!!」

大量のチップの山に私はふんぞり返る。
「これよ!これー。っとちょっとトイレ・・・」

トイレを済ました私は背後に気配を感じたので、
5分ほどカジノをウロウロするも巻けそうにない。

まさかねぇ・・・あの筋肉お世話係ならやりかねない・・・
そろそろガツンと言ってみるか。
「おい!お前!!」

振り向くと知らない怪しい男が立っていた。

「ひっ!!お、おまわ・・・。うぐっ!!」

そこでまたも私の意識は途絶えた。

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