天使໒꒱と悪魔Ψ-Angeli e Demoni-

黒水晶∴

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スパゲティと本屋

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 俺達はランチも兼ねて、昼間に出発する事にした。
館の玄関前で待っていると、ARISA໒꒱が

「お待たせしました~(笑)!」

と駆け寄って来た。
つい先程決めたしたばかりなのにもう何日も前から
約束していて、待ち切れなかったと言わんばかりの
笑顔だ。その明るい笑顔に目を細めていると、

「さぁ、行きましょ(笑)」

と勢いよく飛び出していった。

「おい、走るな、コケるぞ…」

と注意したのが聞こえたのか

「えへへっ(笑)」

と申し訳なさと恥ずかしさで顔を赤らめた
彼女の顔がそこにはあった。

やれやれ、とんでもないジャジャ馬を好きに
なったと自身を情けなく思っていたが、
その天真爛漫さにまた心惹かれている事を自覚した。

街に出るとまずはランチに行こうという事に。

「何食べたい…?」

「うーん、MORION∴Ψさんはどうします…?」

どうやら彼女は、今の所何でも良い様なので

「それじゃあパスタにしよう。」

と今の俺が素直に食べたい物を提案すると
快諾してくれた。

パスタ店に到着し、席に通され、メニューを開く。

「迷いますね、どうしましょうか…」

「アラビアータにナポリタン、ペペロンチーノも
捨て難いな…」

あまりのメニューの豊富さに二人で頭を抱えていると

「何してんの、2人共…?」

と聞き覚えのある声がした。

振り返ると、そこにいたのはROSE໒꒱であった。

「あっ、ROSE໒꒱姉さん…」

「それはこっちのセリフだ、お前さんこそ、
何してんだ…?」

驚く2人を尻目に、テーブルと椅子をARISA໒꒱の横に
陣取り、ROSE໒꒱は俺を睨み付けた…

「で、改めて聞くけど、何してんの…?」

とROSE໒꒱は俺を問い詰める様に睨み付け、
問い掛けた。

「ちょっとROSE姉さん…」

「いや、ARISA໒꒱と本屋に行こうって話に
なってさ…」

そう答えた俺に、ROSE໒꒱は

「で、どっちから誘ったの…?」

と更にキツい目線で問い詰めてきた‥

「お、俺から…」

ゆっくりとそう答えると、彼女は脚で思い切り
俺の脚を蹴った…

「…!」

痛みを堪えながらARISA໒꒱に悟られない様に
笑みを作る。

「ふん、まぁ良いけど…前にも言ったけどARISA໒꒱
泣かしたらただじゃおかないよ…?」

と再度釘を刺してきた…

ARISA໒꒱はそのやり取りを見ながら、何とか空気を
変えようと

「ほ、ほら…早く決めましょ(笑)」

と提案してきた。

「そうだな、腹減った…」

と脚の痛みを堪えながら答えると

「そうね…」

とROSE໒꒱も渋々応じた。

ROSE໒꒱はナポリタン、ARISA໒꒱はクリームパスタ、
俺はグリルチキンのパスタを注文した。

料理を待つ間、俺はふと疑問に思った事を
質問した。

「なぁ、ROSE໒꒱。どうしてそんなにARISA໒꒱を
思いやってるんだ…?」

「そんなの当たり前じゃない、
こんなに可愛いARISA໒꒱に変な虫が着いたら
私は許さないよ…」

無駄な事を聞いたと思った、彼女の鋭い俺への視線が
それを証明している。

「ふふっ、有難う御座います、ROZE姉さん。」

ARISA໒꒱は嬉しそうに答えながらも、この空気に
少し困っている様であった。
そうしている内に料理が運ばれて来た。

「それじゃあ、頂きましょ(笑)」

とARISA໒꒱が声を掛け、一斉に手を合わせ

「頂きます。」

と声を合わせた。

食べ始めると、あまりの美味しさに皆、
口々に感嘆の声が漏れた。

「美味しいです(笑)」

「美味しい…」

二人の感想を他所に俺は、ついつい語っていた…

「このチキン、肉汁がさっぱりとして重くない。
スパゲティもモチモチ柔らか食感でチキンの後味が
程良く絡んで食べ易いな…」

ROSE໒꒱が引き気味に

「へ、へぇ…」

と声を上げる。

恥じらいを隠すかの様に俺は

「何だよ…?」

と問いかけたが、サラッとはぐらかされた…

食後、ROZE໒꒱はまるで保護者の様にARISA໒꒱に

「いい、あの男には気を付けなさいよ…
変な事されたらすぐに言うんだよ…?」

と言い聞かせていた。
それをすぐ傍で聞かされている俺の肩身の
狭い事と言ったら、自分が情けない…

店の外に出ると、

「それじゃあ、おじゃま虫はここで退散するけど
MORION∴Ψ、ARISA໒꒱を泣かせるんじゃないよ…?」

としつこく忠告してきた…

ROZE໒꒱が立ち去ると、俺は一気に疲れが出たのか、
大きな溜息を吐き出した。

「ふふっ、大丈夫ですか…(笑)?」

ARISA໒꒱が気遣う様に背中を摩ってくれた、
その柔らかな手の温もりに包まれた事で、
俺は妙な緊張から解き放たれた。

 本屋に向かって歩き出すと、ARISA໒꒱が俺に
問いかけた。

「そう言えば、MORION∴Ψさんの見たい本って
何なんですか…?」

「あぁ、ハンドメイドの本をな…」

その答えを聞いて、ARISA໒꒱は目を丸くした。

「えっ、ハンドメイド!?
何作ってるんですか!?」

好奇心の塊となったARISA໒꒱が、目を輝かせて
質問してきた。

「アクセサリーとか…」

と、少し戸惑い気味に答えた俺に彼女は

「すごーい!」

と感動した様に答えた。

「何かこだわってる物とかあるんですか!?」

彼女の質問は止まらない…

「天然石にこだわっててな、いつも行く専門店
がある。」

「えっ、天然石!?すごーい!」

その後はその店の雰囲気等も事細かに質問され、
そろそろ質問が尽きるかと思われた頃、

「じゃあ、一緒に行くか…?」

と気が付いたら誘っていた。

「俺は何を口走って…」

と内心赤面し、己自身に呆れていた…
恐る恐る彼女に目をやると、ARISA໒꒱は
目を輝かせて

「はい(笑)!」

と満面の笑みを浮かべ微笑んでいた。
その笑顔は俺の不安を瞬く間に払拭させ、
彼女に対する愛おしさを更に掻き立てた…

本屋に着くと、まずはARISA໒꒱御所望の
推理小説のコーナーへ。
所狭しと様々な作家の小説が並べられ、
彼女は目を輝かせ、本棚に釘付けになっていた。

「本当に好きなんだな、気になったのあれば
プレゼントするよ。」

と言う俺の提案に彼女は申し訳なさそうに

「そんな、悪いですよ…自分で買います。」

と答えたが、俺としては推理小説の新刊が
出ているかも知れないという不確かな根拠を
ダシに、半ば強引に連れ出した様なものなので
彼女へのせめてもの償いという意味も
込めていた。
暫く幾つかの書籍を見比べ、
考えあぐねていた彼女が

「決めました。」

と口を開いた。横で様子を見ていた俺に対して
彼女は

「今回は諦めます…(笑)」

と少し申し訳なさそうに答えた。
驚いた俺が理由を尋ねると

「だって、欲しい本があり過ぎて…
一つになんて絞れませんよ…(笑)」

と照れ笑いながらそう答えた。

「そっか…」

少し残念な気持ちを悟られない様に
笑ってみせたが、ARISA໒꒱にはお見通しだった様で

「ほら、MORION∴Ψさんが見たいハンドメイドの
コーナー行きましょ(笑)」

と背中を押された。

 ハンドメイド関連の書籍コーナーに着くと
ARISA໒꒱は目を輝かせ、好奇心に身を任せて
手当り次第に書籍に目を通していた。

「あっ、ゴメンなさい。私ばかり
熱中してしまって…」

少し申し訳なさそうに顔を赤らめている彼女に

「何か気になったデザインとか、アクセサリーは
あるか…?今後の参考の為に教えて欲しい。」

と問いかけると、彼女は今までめくっていた幾つもの
書籍を再び取り出し、楽しそうに話し始めた。

「このデザインが…この色使いも…」

笑顔で楽しそうに話すARISA໒꒱の
この姿を目に焼き付けたい、
このまま時が止まって欲しい、そんな事を
考えてしまう程、俺はARISA໒꒱が好きになっていた…
彼女が俺の視線に気付いたのかこちらを
振り向いたので、俺はその想いをひた隠す様に
彼女に微笑を向けた…
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