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第一話 運命
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世界は平和である。
この青い空を眺めると不思議とそう思える。
いや、正確には世界の中のこの場所は平和であるというのが正しいか。
そう思い、俺は学校の屋上で寝そべりつつ空を見上げている。
花梨「こら!聖珠屋上は出入り禁止だって何度言えば分かるの?」
静かだった放課後の屋上に、学校全体に響き渡るかの如くクラスの委員長が声を荒げる。
そもそも学校の屋上の出入りが禁止だということに怒りを覚える。
ドラマやなんやらでも屋上は定番でありオアシスだ。
それに出入りが禁止ならそもそも屋上を作るなと言いたい。
まぁ、禁止になったのは色々理由ができてからだろうけれど。
聖珠「どうした委員長?」
花梨「どうしたじゃないわよ、皆んなでショッピングモールに行くの忘れたの?」
そういえばそういう話しがあったな。
この気持ちの良い屋上から重い腰を上げて片道30分も掛かるショッピングモールに行くのは気が引ける。
たが、これ以上委員長をイライラさせても都合が悪い。
ここは大人しく着いていくか。
男2人と女3人、この男女比率をみると一見男連中が喜びそうだが、実際はただの荷物持ちであろう。
ショッピングモールに足を踏み入れる。
今考えれば、もう運命は始まっていたのかもしれない。
聖珠「わりぃ、ちょっとトイレ」
そう言ってトイレに駆け込む。
ガラガラのトイレの1番奥を占領する。
店のトイレをする時はここが1番落ち着く。
そう思いつつ用を足していると、トイレの外から大きな音が鳴り響く。
何かのイベントか?
いや、それにしては何かがおかしい。
そう思った俺はトイレから恐る恐る出てみる。
するとさっきまでのわいわいとしていたショッピングモールではなくなっていた。
空気が違う。
俺はトイレに少し隠れ様子を伺う。
すると外から悲鳴が聞こえる。
いったい何が起こった。
少し時間を置いて外に出てみる。
ここは三階、吹き抜けの中央エリアから一階を見る。
するとそこには銃を構え武装した集団が人質を囲っている。
そして、そこには委員長達。
委員長と声を出しそうになったのをグッと堪えた。
ここで俺も見つかってしまったら元も子もない。
見つかっていないなら何か出来ることはある。
あるはずだ。
しかし相手は武装した集団。
下手したら自分だけではなく人質も死ぬ。
このまま救助を待つか。
テロリスト「人質を解放したくば金をよこせ、1時間待つことに1人づつ人質を殺していく。」
そう言って前に突き出したのは、委員長だった。
時間が無い。
それだけが脳に響く。
どうする、救助を待っている時間は無い。
俺がどうにかするしか。
愚かな選択だって事はわかっている。
警察の出方を待つのが優先。
だけど、動かずにはいられなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
テロリスト「そろそろ1時間が経つ、人質を1人殺す。」
そういった瞬間、ショッピングモールは闇に飲まれる。
テロリスト「て、停電!?」
ショッピングカートが走り出す音が中央エリアに響く。
テロリストはその音に目掛け発砲を開始する。
その発砲音と同時崩れ落ちる1人のテロリスト。
その影には聖珠。
テロリストの腰に付けていたナイフを奪い、何の躊躇いも無く首を刺す。
そして銃を奪い、ショッピングカートに目を向けている連中に発砲する。
バタバタと倒れていく集団。
しかし、その中のリーダー格が聖珠に気づく。
すぐさま聖珠に銃を向けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
小学生の頃、俺はいじめられていた。
よく花梨に助けられていたっけ。
中学に入り、部活で剣道を始めた。
高校1年生の時に全国大会で優勝。
期待の新星と呼ばれ、その界隈では有名になった。
いつか、いつか俺が誰がを救えたら。
そう思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
銃がこっちを向いた。
撃たれる。
こちらの残弾はもう無いに等しい。
有るか無いかの弾に頼るくらいなら、ここで攻める!
撃たれる前にナイフの距離まで入る。
テロリスト「は、速い!?」
そう思った時には既に懐へと入っている。
剣道で培った足の運び。
そして、刺す。
敵も思い掛けない奇襲。
電力を壊し、停電を起こすのには時間が掛かった。
敵の配置からスムーズに動けるように何度もシミュレーションした。
運が良かった。
一般人が武装集団を相手にして一網打尽にした。
委員長は無事だ。
よかった。
よかった。
そう油断した一瞬だった。
刺したはずのリーダー格はまだ生きており、最後の力を振り絞り手榴弾を人質へと投げる。
聖珠「爆弾!?」
俺は爆弾を掴みそのままうずくまる。
少しでも被害が少なくなれば、そう考えた。
聖珠「ごめん。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
???「現状を報告しろ」
警察「テロリストは全滅、誰が交戦した模様」
現場は悲惨な状態だった。
爆発で周囲は吹き飛んでいた。
しかし、奇跡的に人質は全員無事。
軽症で済んだ。
???「まぁ、この子のおかげだな。」
爆発の中心には身体の半分が吹き飛んだ青年の姿が。
???「テロリストを始末したのもこの子だろう。いくら停電を利用したといっても素人が武装集団に勝てるわけがない。」
運が良かったか、それとも…
???「!?」
微かだが息をしている!?
ありえない爆発をもろに喰らっている、身体も半分吹き飛んでいるのに。
???「フッ、どうやら運だけでは無かったようだ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目が覚めるとそこは、これでもかってくらい白い部屋。
最低限の物だけ集められたかのような部屋だった。
俺は一体どうなったんだ。
ここは死後の世界なのか?
辺りを見渡すとそこには、こちらを見てにやけている女性が1人椅子に座っている。
金髪の、外人?
???「私の名前はアリス、君は?」
日本語?いや違う英語か?
聖珠「聖珠、寿 聖珠」
女性はさらににやける。
一体なんなんだ?
アリス「聖珠、君は一度死にました。いえ、正確には死にかけた。」
死んだ?
俺が?
すると記憶がフラッシュバックする。
そうか、あの時俺は…
アリス「しかし、私が助けた。今の君は所謂…サイボーグ」
サイボーグ?
ロボットになったのか?
身体を見渡しても色白になっただけでただの人間に変わりはない。
少し身長が伸びたか?
アリス「細かくは違うけど、君は今超人に生まれ変わったのだよ。さて、一つ君に質問だ。君は人を守るために人を殺せるか?」
少し身構えたが
聖珠「やむを得ないなら…殺す。」
アリス「グッド!」
アリスはそういって立ち上がる。
アリス「聖珠、私と一緒に来たまえ。共に人を救い平和を築こうではないか。どうだい?」
聖珠「いいん、花梨達は?」
アリス「人質だった人は皆んな無事さ、君のおかけで。」
聖珠「そうですか。」
アリス「君は力を得た、さてどうする?」
俺は一度死んだ。
けど、力が手に入ったというなら、人を守れるなら、俺は…
聖珠「着いていきます。」
再びアリスはにやける。
アリス「では君に名前を与えよう」
聖珠「名前?」
アリス「コードネームみたいな感じ、私たちはチームで戦うの。そのためのファミリーネーム。今後はそれが君の名前になる。そうだな、日本人だし日本語を上手く使って…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
世界は平和である。
それは局地的な話しだ。
地球という広さで見たら平和なのはごく一部。
今にも失われる命が沢山ある。
世界は……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アリス「戦いの終わりの笛を鳴らす者」
終笛
この青い空を眺めると不思議とそう思える。
いや、正確には世界の中のこの場所は平和であるというのが正しいか。
そう思い、俺は学校の屋上で寝そべりつつ空を見上げている。
花梨「こら!聖珠屋上は出入り禁止だって何度言えば分かるの?」
静かだった放課後の屋上に、学校全体に響き渡るかの如くクラスの委員長が声を荒げる。
そもそも学校の屋上の出入りが禁止だということに怒りを覚える。
ドラマやなんやらでも屋上は定番でありオアシスだ。
それに出入りが禁止ならそもそも屋上を作るなと言いたい。
まぁ、禁止になったのは色々理由ができてからだろうけれど。
聖珠「どうした委員長?」
花梨「どうしたじゃないわよ、皆んなでショッピングモールに行くの忘れたの?」
そういえばそういう話しがあったな。
この気持ちの良い屋上から重い腰を上げて片道30分も掛かるショッピングモールに行くのは気が引ける。
たが、これ以上委員長をイライラさせても都合が悪い。
ここは大人しく着いていくか。
男2人と女3人、この男女比率をみると一見男連中が喜びそうだが、実際はただの荷物持ちであろう。
ショッピングモールに足を踏み入れる。
今考えれば、もう運命は始まっていたのかもしれない。
聖珠「わりぃ、ちょっとトイレ」
そう言ってトイレに駆け込む。
ガラガラのトイレの1番奥を占領する。
店のトイレをする時はここが1番落ち着く。
そう思いつつ用を足していると、トイレの外から大きな音が鳴り響く。
何かのイベントか?
いや、それにしては何かがおかしい。
そう思った俺はトイレから恐る恐る出てみる。
するとさっきまでのわいわいとしていたショッピングモールではなくなっていた。
空気が違う。
俺はトイレに少し隠れ様子を伺う。
すると外から悲鳴が聞こえる。
いったい何が起こった。
少し時間を置いて外に出てみる。
ここは三階、吹き抜けの中央エリアから一階を見る。
するとそこには銃を構え武装した集団が人質を囲っている。
そして、そこには委員長達。
委員長と声を出しそうになったのをグッと堪えた。
ここで俺も見つかってしまったら元も子もない。
見つかっていないなら何か出来ることはある。
あるはずだ。
しかし相手は武装した集団。
下手したら自分だけではなく人質も死ぬ。
このまま救助を待つか。
テロリスト「人質を解放したくば金をよこせ、1時間待つことに1人づつ人質を殺していく。」
そう言って前に突き出したのは、委員長だった。
時間が無い。
それだけが脳に響く。
どうする、救助を待っている時間は無い。
俺がどうにかするしか。
愚かな選択だって事はわかっている。
警察の出方を待つのが優先。
だけど、動かずにはいられなかった。
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テロリスト「そろそろ1時間が経つ、人質を1人殺す。」
そういった瞬間、ショッピングモールは闇に飲まれる。
テロリスト「て、停電!?」
ショッピングカートが走り出す音が中央エリアに響く。
テロリストはその音に目掛け発砲を開始する。
その発砲音と同時崩れ落ちる1人のテロリスト。
その影には聖珠。
テロリストの腰に付けていたナイフを奪い、何の躊躇いも無く首を刺す。
そして銃を奪い、ショッピングカートに目を向けている連中に発砲する。
バタバタと倒れていく集団。
しかし、その中のリーダー格が聖珠に気づく。
すぐさま聖珠に銃を向けた。
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小学生の頃、俺はいじめられていた。
よく花梨に助けられていたっけ。
中学に入り、部活で剣道を始めた。
高校1年生の時に全国大会で優勝。
期待の新星と呼ばれ、その界隈では有名になった。
いつか、いつか俺が誰がを救えたら。
そう思った。
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銃がこっちを向いた。
撃たれる。
こちらの残弾はもう無いに等しい。
有るか無いかの弾に頼るくらいなら、ここで攻める!
撃たれる前にナイフの距離まで入る。
テロリスト「は、速い!?」
そう思った時には既に懐へと入っている。
剣道で培った足の運び。
そして、刺す。
敵も思い掛けない奇襲。
電力を壊し、停電を起こすのには時間が掛かった。
敵の配置からスムーズに動けるように何度もシミュレーションした。
運が良かった。
一般人が武装集団を相手にして一網打尽にした。
委員長は無事だ。
よかった。
よかった。
そう油断した一瞬だった。
刺したはずのリーダー格はまだ生きており、最後の力を振り絞り手榴弾を人質へと投げる。
聖珠「爆弾!?」
俺は爆弾を掴みそのままうずくまる。
少しでも被害が少なくなれば、そう考えた。
聖珠「ごめん。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
???「現状を報告しろ」
警察「テロリストは全滅、誰が交戦した模様」
現場は悲惨な状態だった。
爆発で周囲は吹き飛んでいた。
しかし、奇跡的に人質は全員無事。
軽症で済んだ。
???「まぁ、この子のおかげだな。」
爆発の中心には身体の半分が吹き飛んだ青年の姿が。
???「テロリストを始末したのもこの子だろう。いくら停電を利用したといっても素人が武装集団に勝てるわけがない。」
運が良かったか、それとも…
???「!?」
微かだが息をしている!?
ありえない爆発をもろに喰らっている、身体も半分吹き飛んでいるのに。
???「フッ、どうやら運だけでは無かったようだ。」
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目が覚めるとそこは、これでもかってくらい白い部屋。
最低限の物だけ集められたかのような部屋だった。
俺は一体どうなったんだ。
ここは死後の世界なのか?
辺りを見渡すとそこには、こちらを見てにやけている女性が1人椅子に座っている。
金髪の、外人?
???「私の名前はアリス、君は?」
日本語?いや違う英語か?
聖珠「聖珠、寿 聖珠」
女性はさらににやける。
一体なんなんだ?
アリス「聖珠、君は一度死にました。いえ、正確には死にかけた。」
死んだ?
俺が?
すると記憶がフラッシュバックする。
そうか、あの時俺は…
アリス「しかし、私が助けた。今の君は所謂…サイボーグ」
サイボーグ?
ロボットになったのか?
身体を見渡しても色白になっただけでただの人間に変わりはない。
少し身長が伸びたか?
アリス「細かくは違うけど、君は今超人に生まれ変わったのだよ。さて、一つ君に質問だ。君は人を守るために人を殺せるか?」
少し身構えたが
聖珠「やむを得ないなら…殺す。」
アリス「グッド!」
アリスはそういって立ち上がる。
アリス「聖珠、私と一緒に来たまえ。共に人を救い平和を築こうではないか。どうだい?」
聖珠「いいん、花梨達は?」
アリス「人質だった人は皆んな無事さ、君のおかけで。」
聖珠「そうですか。」
アリス「君は力を得た、さてどうする?」
俺は一度死んだ。
けど、力が手に入ったというなら、人を守れるなら、俺は…
聖珠「着いていきます。」
再びアリスはにやける。
アリス「では君に名前を与えよう」
聖珠「名前?」
アリス「コードネームみたいな感じ、私たちはチームで戦うの。そのためのファミリーネーム。今後はそれが君の名前になる。そうだな、日本人だし日本語を上手く使って…」
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世界は平和である。
それは局地的な話しだ。
地球という広さで見たら平和なのはごく一部。
今にも失われる命が沢山ある。
世界は……
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アリス「戦いの終わりの笛を鳴らす者」
終笛
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