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5.りさ子3
娘のように
しおりを挟む頭が重くて目が覚める
でも、それは心理的な物じゃなくて、物理的な重み。
頭に触ると温かく、モコモコした物が。
落とさないように起き上がると、白毛の猫ちゃんだった。
膝の上に乗せると、まん丸の大きな目で「何だよ」っていいたげにこっちを見てる。
首輪には小さなプレートがぶら下がっていて"ハナ"と書かれていた。
「あら、初めまして。りさ子です」
頭を撫で、挨拶すると「なー」と可愛い声で鳴いて部屋から出ていった。
そうだ、今何時!?
外は薄暗くなっていて雲行きが怪しかった。
まだぐっすりな誠司さんをおいて、リビングへ行く。
「美恵子さん。ごめんなさい。寝てしまいました。」
壁掛け時計を見ると6時を過ぎていた。
「もうこんな時間!?遅くまで居座ってごめんなさい。私、そろそろお暇します」
ソファーに置いていた鞄を肩にかける。
「あら、いいのに。晩ご飯食べてって。パパにも会わせたいわ~。」
ね?いいでしょ?と笑顔でせがまれて、お言葉に甘えることに。
「じゃあ、ご飯作るのお手伝いさせてください!」
美恵子さんからエプロンを借りて、キッチンに2人並んで立つ
今日の献立は肉じゃが、サバ味噌、サラダ、お豆腐のお味噌汁だそうで
"The 和食"
「いつも、こんな凝ったお料理作ってるんですか?」
「そうね~。パパが健康診断に引っかかってからは、あっさりした物が増えたわね~」
なるほど、誠司さんの洋食オーダーはそのためか。
少し納得
「私ね。息子2人だから、今こうしてりさちゃんとお料理作れてとても嬉しいのよ。」
そう言って、美恵子さんは優しく微笑む。
「私も嬉しいです。
美恵子さんと今日会えてよかったです。
大好きになっちゃいました。笑」
「りさちゃん。
本当にいい子ね~。私も大好き!」
釣られて微笑むと余計喜んで貰えた。
もう完全に仲良しです。
「あらやだ。
お味噌切らしてたの忘れてたわ~。」
冷蔵庫を見つめながら美恵子さん。
「私、買ってきます!」
「いいの。スーパーちょっと分かりにくい所にあるから。私が行っちゃうわ。」
お財布とケータイだけもって、美恵子さんは出ていってしまった。
「母さん。お茶」
いつの間にかお父様が帰ってらしてた。
グラスに麦茶を注ぎ、両手で手渡す
「初めまして、藤堂りさ子と申します。
美恵子さん、ちょっとお買い物に行ってます。
晩御飯、急いで作ります。もうちょっと待ってくださいね?」
お父様はポカンと口を開けて固まってしまった。
「父さん。おかえり」
タイミングよく、誠司さんが起きてきた
まだ眠たいのか大きな欠伸をしている。
「りさ子。俺もお茶欲しい」
誠司さんにもグラスを手渡したところで、お父様の金縛りは解けた。
「もしかして、誠司の彼女か!?」
わざわざ言葉に表されるとまだ照れる。
その後、すぐに美恵子さんが帰ってきて、料理を完成させ、4人で食卓を囲む。
「いやー。俺はてっきり帰る家間違えたかと思ってよ!」
さっきの固まり具合とは打って変わって、お父様は饒舌になる。
「ほらほら、りさちゃん。もっと呑んで!」
お父様に促されビールを注いでもらう
「りさ、そんなに飲まされたら帰れなくなっちゃいます」
「いっその事泊まってけ。」
美恵子さんも賛同して、本当に泊まることになってしまった。
「若い女の子がいるって良いな。新鮮だな。しかもこんないい子。誠司もでかしたな!」
お父様は上機嫌。
「父さん。りさ子の前ではしゃくなよ。恥ずかしい。」
誠司さんも照れてる。
お酒がまわってほろ酔い状態だからか、私もいつもより大口を開けて笑えた。
すごく楽しい食卓であり。いい家族。
私もその一部になれたみたいで嬉しかった。
今日1日
凄く長くて、緊張もしたけど、誠司さんのお家に来れてよかった。
こうして、お父様と美恵子さんに会えて良かったと湯船に浸かりながらしんみり考えた。
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