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山と花火と恋模様!
side.帝
side.帝
「会長、ありがとうございます…」
「…っ」
そう言ってやわらかく笑う揚羽を見た瞬間、形容できない強い感情が込みあげてきた。
その感情は、俺の意思を無視して揚羽へと手をのばし──
「会、長…?」
──ドン…ッ!──
その手が触れそうになった瞬間に、空へと花火が打ちあがった。
「わっ!…びっくりした~。あ、花火はじまったみたいですよ会長!」
「──あぁ、そうだな…」
揚羽は楽しそうに笑って、夜空にいくつも打ちあげられる花火を見あげてる。
花火の音で正気に戻った俺は、そのあいだに揚羽へとのばしていた手をそっとおろした。
そうして表面上はなんとか普通に振るまっているが、心のなかは混乱しきっていた。
俺の心に込みあげた、あの形容しがたい感情に、俺の意思を無視して動く体。
そして、花火が上がらなければしていたであろうある行動…
いろんなことが頭のなかをグルグルと回って俺のことを悩ませる。
素直になればいい…
そう、悪魔のような囁きがどこからともなく聞こえてくるが──
久我の跡取りで江路学園の生徒会長という、自分の立場を、振るまうべき姿勢を忘れられない。
それでも心はざわついて、俺を急きたてる。
だが、それは気づいてはいけないものだ。
俺は花火を見あげて子供のように目を輝かせながら笑う揚羽の横顔を盗みみて、それから静かに目を閉じる。
俺は、江路学園生徒会長の久我帝だ。
揚羽みつはその補佐で、頼りになる仲間のひとり。
そう、心のなかで噛みしめるようにくり返す。
「あれ? 会長、花火見ないんですか?」
「揚羽…」
この心がざわつく理由は、知ってはいけないんだ──
side.帝 end
「会長、ありがとうございます…」
「…っ」
そう言ってやわらかく笑う揚羽を見た瞬間、形容できない強い感情が込みあげてきた。
その感情は、俺の意思を無視して揚羽へと手をのばし──
「会、長…?」
──ドン…ッ!──
その手が触れそうになった瞬間に、空へと花火が打ちあがった。
「わっ!…びっくりした~。あ、花火はじまったみたいですよ会長!」
「──あぁ、そうだな…」
揚羽は楽しそうに笑って、夜空にいくつも打ちあげられる花火を見あげてる。
花火の音で正気に戻った俺は、そのあいだに揚羽へとのばしていた手をそっとおろした。
そうして表面上はなんとか普通に振るまっているが、心のなかは混乱しきっていた。
俺の心に込みあげた、あの形容しがたい感情に、俺の意思を無視して動く体。
そして、花火が上がらなければしていたであろうある行動…
いろんなことが頭のなかをグルグルと回って俺のことを悩ませる。
素直になればいい…
そう、悪魔のような囁きがどこからともなく聞こえてくるが──
久我の跡取りで江路学園の生徒会長という、自分の立場を、振るまうべき姿勢を忘れられない。
それでも心はざわついて、俺を急きたてる。
だが、それは気づいてはいけないものだ。
俺は花火を見あげて子供のように目を輝かせながら笑う揚羽の横顔を盗みみて、それから静かに目を閉じる。
俺は、江路学園生徒会長の久我帝だ。
揚羽みつはその補佐で、頼りになる仲間のひとり。
そう、心のなかで噛みしめるようにくり返す。
「あれ? 会長、花火見ないんですか?」
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この心がざわつく理由は、知ってはいけないんだ──
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