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第一章 32歳~
31 ソフトな尾行 36歳
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「あれ、整形の工藤先生じゃない?」
「ホントだ。…私服でもかっこいい。」
二人はN大学附属総合病院に勤務している同期の看護師だ。珍しく日曜休みが合ったので、一緒に出掛けることにした。
ショッピングモールの中にある、バラエティショップ。可愛い雑貨や、人気のコスメなど、ありとあらゆるものが売られている。
今話題のプチプラコスメをチェックしたくてコスメコーナーに来たところ、科は違うが同じ勤務先のイケメン医師を見つけたところだった。
整形外科の工藤医師は、30代半ばで脂ののっている腕のいい医師だ。対応が優しくて患者からの評判もいい。彼女らのように科が違っていても好意的に見ている有名人ではある。
工藤医師は、コスメコーナーで自分の欲しいものをチェックしていた———わけではなく、同伴者の買い物に付き合っていたらしい。自分たちは工藤医師に認識されていないのをいいことに、さりげなく近づいてみる。
工藤医師の同伴者は眼鏡をかけていた。顔バレ予防なのは容易に想像がついた。彼の結婚相手が地元のテレビ局のアナウンサーであることは有名な話だ。
女性側は子連れでの結婚であること、初婚の相手はN大附属病院のリハビリスタッフで、数年前に亡くなっていることもまた、有名な話だった。
彼の右手が妻の腰にまわされている。それに気づいてナース二人はにっこり笑いあった。
「コスメっていうと百貨店の1階でキレーなお姉さんに見立ててもらって買うものかと思ってたな。」
「そういう時もあるけどね。プチプラの中から自分に合った、高品質のものを探すのも好きなの。」
女子アナといえば高収入そうなイメージだが、感覚は庶民的らしい。ナース二人は好感を持った。
「リップっていろんな色があるなあ。似合う似合わないいろいろありそうだな。」
「そうなの。好きな色と似合う色が一致したら嬉しいんだけどね。」
妻の方はリップを繰り出してしげしげと眺めている。
「どんな香り?」
彼は左手で妻の手ごと自分の鼻にリップを近づけた。
「お。なんか美味しそうな香り。フルーティーっつうの?」
「だよね。」
「こういうのいいな。ブランド物のリップって、色づきはいいけど香りが独特じゃん。」
「よく知ってるね。」
感心したような妻の様子に、彼はにやりと笑って囁いた。
「キスしたときにいい香りの方がいいなー…。」
ナース二人は悲鳴をこらえるのが大変だった。こんな言葉を発するのが許されるのは相当なイケメンであり、彼はそれに該当していた。
後姿の妻の耳が赤くなっている。
「何いってるの…。」
「せっかく子供をお願いしてのデートの日なんだから、好きなこと言っていいだろ。」
「じゃあ…これ買おうかな。」
甘い抗議の声をあげながら、妻は結局夫の要求をのんであげるつもりらしい。と、彼がナース二人の視線に気づいた。
「すみません、邪魔して。…紗栄子。」
強引でない程度に、彼の手のひらが妻の腰を引き寄せる。
「すみません。」
小さく頭を下げる妻は、テレビ画面で見るクールな印象よりも、もっと人間味があるように見えた。
「いえいえ。」
「どうぞどうぞ。」
まさか商品ではなく二人の様子を見ていたなんて言えやしない。
リップ一本を持って会計の方に向かっていくのを、ナース二人はほほえましく見守っていた。
「ラブラブだねえ。」
「いいねえ。」
※
ナース二人に見守られていたことなど知らず、大志と紗栄子はショッピングモールで昼食や買い物を済ますと、インターチェンジ近くのとある建物を訪れた。
子供を預けてしたいこととして、買い物よりも大事なことがあった。
「ん…。」
いかにもそれ目的の部屋で、シャワーも浴びずにキスが始まった。大志の手は器用に紗栄子の服を脱がす。
「やっぱりいい香りだな。さっきのリップ。」
上下の唇で紗栄子の上唇をついばむ。商品説明の指示通りに塗ったプチプラのリップはなかなか高性能で、あまり色落ちしない。
やわらかい胸とやわらかい中心部をたっぷり可愛がられ、紗栄子は何度も果てた。ふと大志は起き上がり、ベッドのふちに腰掛けた。振り返り、余韻に浸る紗栄子に向かって手を伸ばす。
「おいで。」
モジモジと、紗栄子が大志の方へ近づく。
「恥ずかしい…。」
「だからいいんだよ。」
「大志のバカ。」
1か月ぶりの2人きりのデート。前からチェックしていたブティックホテル。何度でもつながりたいひととき。
紗栄子は大きく足を開いて、大志に跨った。胸の膨らみに大志が口づける。猛りきった大志のそれが、紗栄子を待っている。
「ほら、腰落として。いい子だから。」
「ん…っ。」
言われた通りに腰を落とし、熱く濡れた部分で大志の先端を飲み込む。
「ア…ア…だめ…。」
「紗栄子の中、熱い。気持ちいい…。」
快楽のままに、紗栄子は縦方向に揺れる。緩くそして強く刺激され、大志はため息を漏らす。
「お願い支えてて。怖い。」
「離さない。」
そう誓って、紗栄子の膨らみを、先端を、わざとらしいほどに音を立てて吸う。
ーーーチュッ、チュッ、チュパッ、チュッ……
紗栄子の方も、そのまま膨らみを可愛がってほしいとでも言うように、胸を突き出して体を反らせる。
「どうしよう…。すごく気持ちいい…。」
「俺もだよ。紗栄子、可愛い…。」
しゃべりながら、大志は紗栄子の胸のあちこちを吸う。紗栄子は大志の頭を抱き寄せた。
「もっとして…!」
家では出せない大きな声を出す。互いに激しく腰を振り、果てた。
紗栄子から抜け出した大志は彼女を抱きしめたままベッドに倒れる。
「すごかった…。おかしくなりそう。」
「ヤバイよ、紗栄子…。」
呼吸が落ち着いたところでゆっくりしっとりキスを交わす。
「“もっとして”。」
意地悪く大志が紗栄子の耳元で囁く。
「恥ずかしいからやめて。」
「だって可愛くて。言葉にしておねだりしてくれるの、珍しいし。」
言いつつ、まだ潤んでいるぬかるみを撫でる。
「ん…。」
紗栄子は思わず身をよじる。
「感じやすいの、可愛い。」
「大志の触り方が上手なんだもん。」
紗栄子が快楽の階段をのぼりはじめると、するり、と大志の指が逃げる。
物欲しそうな紗栄子の瞳。
「ほら、どうしてほしいかちゃんと言って。…言われたい。」
紗栄子は恥ずかしそうに、でも大志の要求に従うことが嫌じゃない様子で、リップの色が鮮やかな唇を開く。
「もっと…触って。」
「他には?」
言いつつ、大志は器用に指を動かす。ゆっくりと。じっくりと。
「あ、ン…。もっと…撫でて。」
「他には?」
「もうダメ、我慢できない、焦らさないで…!」
「いい子だ。」
大志は柔らかな舌を吸いながら、紗栄子の願いを叶えた。
「ホントだ。…私服でもかっこいい。」
二人はN大学附属総合病院に勤務している同期の看護師だ。珍しく日曜休みが合ったので、一緒に出掛けることにした。
ショッピングモールの中にある、バラエティショップ。可愛い雑貨や、人気のコスメなど、ありとあらゆるものが売られている。
今話題のプチプラコスメをチェックしたくてコスメコーナーに来たところ、科は違うが同じ勤務先のイケメン医師を見つけたところだった。
整形外科の工藤医師は、30代半ばで脂ののっている腕のいい医師だ。対応が優しくて患者からの評判もいい。彼女らのように科が違っていても好意的に見ている有名人ではある。
工藤医師は、コスメコーナーで自分の欲しいものをチェックしていた———わけではなく、同伴者の買い物に付き合っていたらしい。自分たちは工藤医師に認識されていないのをいいことに、さりげなく近づいてみる。
工藤医師の同伴者は眼鏡をかけていた。顔バレ予防なのは容易に想像がついた。彼の結婚相手が地元のテレビ局のアナウンサーであることは有名な話だ。
女性側は子連れでの結婚であること、初婚の相手はN大附属病院のリハビリスタッフで、数年前に亡くなっていることもまた、有名な話だった。
彼の右手が妻の腰にまわされている。それに気づいてナース二人はにっこり笑いあった。
「コスメっていうと百貨店の1階でキレーなお姉さんに見立ててもらって買うものかと思ってたな。」
「そういう時もあるけどね。プチプラの中から自分に合った、高品質のものを探すのも好きなの。」
女子アナといえば高収入そうなイメージだが、感覚は庶民的らしい。ナース二人は好感を持った。
「リップっていろんな色があるなあ。似合う似合わないいろいろありそうだな。」
「そうなの。好きな色と似合う色が一致したら嬉しいんだけどね。」
妻の方はリップを繰り出してしげしげと眺めている。
「どんな香り?」
彼は左手で妻の手ごと自分の鼻にリップを近づけた。
「お。なんか美味しそうな香り。フルーティーっつうの?」
「だよね。」
「こういうのいいな。ブランド物のリップって、色づきはいいけど香りが独特じゃん。」
「よく知ってるね。」
感心したような妻の様子に、彼はにやりと笑って囁いた。
「キスしたときにいい香りの方がいいなー…。」
ナース二人は悲鳴をこらえるのが大変だった。こんな言葉を発するのが許されるのは相当なイケメンであり、彼はそれに該当していた。
後姿の妻の耳が赤くなっている。
「何いってるの…。」
「せっかく子供をお願いしてのデートの日なんだから、好きなこと言っていいだろ。」
「じゃあ…これ買おうかな。」
甘い抗議の声をあげながら、妻は結局夫の要求をのんであげるつもりらしい。と、彼がナース二人の視線に気づいた。
「すみません、邪魔して。…紗栄子。」
強引でない程度に、彼の手のひらが妻の腰を引き寄せる。
「すみません。」
小さく頭を下げる妻は、テレビ画面で見るクールな印象よりも、もっと人間味があるように見えた。
「いえいえ。」
「どうぞどうぞ。」
まさか商品ではなく二人の様子を見ていたなんて言えやしない。
リップ一本を持って会計の方に向かっていくのを、ナース二人はほほえましく見守っていた。
「ラブラブだねえ。」
「いいねえ。」
※
ナース二人に見守られていたことなど知らず、大志と紗栄子はショッピングモールで昼食や買い物を済ますと、インターチェンジ近くのとある建物を訪れた。
子供を預けてしたいこととして、買い物よりも大事なことがあった。
「ん…。」
いかにもそれ目的の部屋で、シャワーも浴びずにキスが始まった。大志の手は器用に紗栄子の服を脱がす。
「やっぱりいい香りだな。さっきのリップ。」
上下の唇で紗栄子の上唇をついばむ。商品説明の指示通りに塗ったプチプラのリップはなかなか高性能で、あまり色落ちしない。
やわらかい胸とやわらかい中心部をたっぷり可愛がられ、紗栄子は何度も果てた。ふと大志は起き上がり、ベッドのふちに腰掛けた。振り返り、余韻に浸る紗栄子に向かって手を伸ばす。
「おいで。」
モジモジと、紗栄子が大志の方へ近づく。
「恥ずかしい…。」
「だからいいんだよ。」
「大志のバカ。」
1か月ぶりの2人きりのデート。前からチェックしていたブティックホテル。何度でもつながりたいひととき。
紗栄子は大きく足を開いて、大志に跨った。胸の膨らみに大志が口づける。猛りきった大志のそれが、紗栄子を待っている。
「ほら、腰落として。いい子だから。」
「ん…っ。」
言われた通りに腰を落とし、熱く濡れた部分で大志の先端を飲み込む。
「ア…ア…だめ…。」
「紗栄子の中、熱い。気持ちいい…。」
快楽のままに、紗栄子は縦方向に揺れる。緩くそして強く刺激され、大志はため息を漏らす。
「お願い支えてて。怖い。」
「離さない。」
そう誓って、紗栄子の膨らみを、先端を、わざとらしいほどに音を立てて吸う。
ーーーチュッ、チュッ、チュパッ、チュッ……
紗栄子の方も、そのまま膨らみを可愛がってほしいとでも言うように、胸を突き出して体を反らせる。
「どうしよう…。すごく気持ちいい…。」
「俺もだよ。紗栄子、可愛い…。」
しゃべりながら、大志は紗栄子の胸のあちこちを吸う。紗栄子は大志の頭を抱き寄せた。
「もっとして…!」
家では出せない大きな声を出す。互いに激しく腰を振り、果てた。
紗栄子から抜け出した大志は彼女を抱きしめたままベッドに倒れる。
「すごかった…。おかしくなりそう。」
「ヤバイよ、紗栄子…。」
呼吸が落ち着いたところでゆっくりしっとりキスを交わす。
「“もっとして”。」
意地悪く大志が紗栄子の耳元で囁く。
「恥ずかしいからやめて。」
「だって可愛くて。言葉にしておねだりしてくれるの、珍しいし。」
言いつつ、まだ潤んでいるぬかるみを撫でる。
「ん…。」
紗栄子は思わず身をよじる。
「感じやすいの、可愛い。」
「大志の触り方が上手なんだもん。」
紗栄子が快楽の階段をのぼりはじめると、するり、と大志の指が逃げる。
物欲しそうな紗栄子の瞳。
「ほら、どうしてほしいかちゃんと言って。…言われたい。」
紗栄子は恥ずかしそうに、でも大志の要求に従うことが嫌じゃない様子で、リップの色が鮮やかな唇を開く。
「もっと…触って。」
「他には?」
言いつつ、大志は器用に指を動かす。ゆっくりと。じっくりと。
「あ、ン…。もっと…撫でて。」
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