私、勘当寸前のぶりっ子悪役令嬢ですが、推しに恋しちゃダメですか?

朝比奈

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「あっ!ラーティル様ぁ、おはようございますっ!」

パンケーキを食べに行った翌日。教室に向うライル様を見つけた私は今日も甘い声を出しながら内股で駆け寄った。

「リズベット様・・・。その、様付けはやめてくれませんか。俺のことは、ラーティル、で良いです。」
「それは~、無理かなぁ~。」
「・・・なんでですか?」
「ん?秘密~。・・・間をとって、ライル様って呼んでも良いですかぁ~?」

話が通じないと思ったのか、ライル様はため息を一つ着くと、さっさと自分の席についてしまった。

もちろん、私はライル様の後を追った。

それにしてもびっくりした。
まさかライル様を呼び捨てするなんて・・・。
私には出来ない。いや、いつかやってみたい気はするけども・・・・・今は無理かな。

「同じ世界で息を吸えてるだけでも、凄いことなのに。
流石にライル様を呼び捨ては、恐れ多いというか・・・」

あー、でも。ライル様は平民だからなぁ~。流石に侯爵家の令嬢に様付けされるのは居心地悪いよねー。

そもそも、最初は呼び捨てだったはずだ。それが、記憶を思い出して、出来なくなっただけ。

「うーん、そこんとこは今後考えていくしか無いよね」

私は自分の席について、教科書を開いた。

流石に毎回呼び出しを食らうのは嫌だからね。今回はちゃんと勉強しますよ。

え~と、どれどれ。

因数分解と、確率と・・・、ふむふむ。

とりあえず、数学は大丈夫そうだな。

昨日。私だけ特別に貰った問題用紙に書かれた問をスラスラと答えていった。

そして丁度、先生が教室に入ってきた頃に全て終わったので私は直ぐに提出した。

その瞬間、何故か皆の視線を感じたが気付かないふりをして席に座った。




「ラーティル様ぁ、今日も、暇つぶしにぃ、付き合ってください~」

ぶりっ子発動!

私は上目遣いでラーティル様を見た。

ラーティル様は少しの間視線をさ迷わせたが結局、素直に着いてきてくれた。

ふふん!今日の私はひと味違うのだ。

というのも、手作りのクッキーを作ってみたのだ。

前世で良く休日にお菓子作りをしていたので、作るのはそれほど難しくなかった。

ただ、厨房のコックさんから変な目で見られたくらい。・・・もしかして、私の悪評って、厨房にも知れ渡ってるのかな?

いやいや、そんなわけ・・・。私は首を横に振って、何も気づかなかったことにした。





「・・・美味しい。」

学園の端っこ。人気のない、手入れのされてない庭のすみに、私はハンカチを敷いて座った。

そして、ライル様に早速クッキーをプレゼントした。

綺麗にラッピングされたそれは、はたから見たら、どこかで買ってきたものだと思うだろう。

ライル様も一瞬、躊躇した後、パクリと食べてくれた。そしてあの一言である。

嬉しくて思わず、「どういたしまして」と笑顔で言ってしまった。

「まさか、君が・・・・・?」
「えぇ、そのまさかです。」

えっへん。と私は胸をはる。

その後に「プロ顔負けでしょ?」とニヤリと笑っていえば、「別に、普通じゃないか?」とぶっきらぼうに返された。

うぅ、冷たい・・・・・

これ絶対ティアラだったら、頷いてたよね?

ちらりとライル様を見つめた。

普通だと言う割には手が動いてる。美味しいと呟いた一言は嘘ではなかったのだろう。

私は自然と頬が緩んだ。



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