私は女神じゃありません!!〜この世界の美的感覚はおかしい〜

朝比奈

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第1章

コモスの町を案内してもらいました。


「レオルドさん、これってなんですか?」

「・・・?あぁ。それは旅芸人がよく使う・・・」

賑やかな声が行き交う街の中をローブを着けた二人組が楽しそうに並んで歩け姿はそれなりに人々の視線を引き付けた。

行き交う人々はその光景に目を見開き、そして話し出す。

「あれって・・・。『醜いローブの男』じゃない?」
「えー。じゃあ、あの隣の子は?」
「さぁ。でも、顔を隠してるってことは・・・」

そんな周囲の様子を全く気にせず、私達は次々とお店をまわってみた。

何件目かに入った雑貨屋さんのアクセサリーコーナーの前で私は足を止めた。

「ここって海が近いんですか?」

私は目の前に並ぶ綺麗な貝殻で出来たアクセサリーを見ながらいった。

イヤリングやピアス、ネックレスと様々な色合いのアクセサリーの全てにワンポイントであったり、全体的に散りばめてあったり、貝殻や貝殻をイメージした偽物が沢山ついていた。

「えっと、ここからだと馬車で3日といったところでしょうか・・・。近いといえば近いですね。」

「3日っ!?3日間ずっと移動ですか?」

何それ地獄。新幹線、いやせめて電車はないのか!と私は思う。

「勿論途中で休憩をとった時の時間ですよ。」

レオルドさんはそう言って私を見てクスリと笑って続けた。

「行ってみたいですか?」

「はい!行ってみたいです。」

私は元気よく頷いた。

海か・・・。もう随分と行ってないな。
それにしても、この世界の海って泳げるのかな?
魔物がいるくらいだから、もしかして海にもなにか化け物がいるんじゃ・・・。

この世界の海に私が思いをはせていると、レオルドさんの呟きが聞こえた。

「・・・いつか、行けると良いですね。」

「・・・?」

私はその言葉の意味を考えてハッとする。

私は勝手にレオルドさんも一緒に行くような気かしてたが、明日のダリオス団長との話次第では私はもうここにいないかも知れないんだ。

「レオルドさん、良ければ一緒に行きませんか?」

「えっ?」

「ふふっ、そうだ!ラナちゃんも誘いましょう。その為にもまずは私、仕事探しますね!」

先に約束したもん勝ちだ。なんて事を考えて、私はレオルドさんを強引に誘うことにした。

「でも、3日もかかるなら、往復で6日。でも1日遊ぶとしたら・・・一週間っ!?・・・これは、お互いの休みを合わせないと行けませんね。」

「ははっ、そうですね。分かりました、一緒に行きます。」

「やったー!レオルドさんがいるなら道に迷うこともありませんね!」

「もしかして、それが目的ですか?」

「えっ?あ、いえ!違いますよ!私はただ、レオルドさんと行きたいなと思って、道案内の方がついでですからね!」

私の言葉を聞いたレオルドさんが声を出して笑った。

その事に少しムッとしながらも、何だかこんなささいなやり取りが楽しくて私も笑った。

何わともあれ、言質はとったのだ。

早く仕事を探して、レオルドさんとラナちゃんを海に誘おう!そして、その後、元の世界に変える方法を・・・。

と、そこまで考えて私は足を止めた。

そっか・・・。もしも、私が元の世界に帰ったら、もう、レオルドさんやラナちゃんとは会えなく、なるんだ・・・。

せっかく仲良くなれたのにな・・・。

『寂しい』気づけばそう思っていた。

「リオ嬢、そろそろ戻りましょうか。」

突然足を止めた私にレオルドさんが優しい口調でそういった。

「・・・そうですね。もう日が落ちて来てますし・・・。レオルドさん、今日はありがとうございました!とても楽しかったです!」

今考えても仕方が無いか。
と私は頭を振った。

楽しい時間はあっという間だ。

気がつけば、綺麗なオレンジ色になっている空を見上げて私はそう思った。

一人で町を見て回るのも楽しかったけど、やっぱり誰かと一緒にまわった方が楽しかったな、と私は今日の一日を振り返る。

「また、一緒に行きたいです。そしてその時は必ず私がレオルドさんに奢ります!」

私はレオルドさんからもらった髪留めを思い出しながらそういった。

「俺があげたかっただけだから、気にしなくて良いですよ。」

「ダメですよ!年下は年上に甘えとかないとっ!」

そう、私は今日、四つも年下の男の子に奢られたのだ。

奢られたままでは年上としてのプライドが許さない。

私は次は絶対、私が今日もらった物よりも良いものをレオルドさんにプレゼントしようと心に決めた。

今日の町歩きで私たちの距離は結構近づいた、と思う。レオルドさんも、変につっかえたりせず私に普通に話しかけてくれる。

私はそう遠くない別れを思い、その事が嬉しくて、そして寂しくも思った。

元の世界にいる家族か、レオルドさんやラナちゃん、そして騎士団の人か、と言われれば勿論、私は家族をとる。

目の前に元の世界に戻る扉があったなら私は迷わずそのドアノブを回すだろう。

仲良くなりたい。でも、仲良くなれば別れが辛くなるのも当然で・・・。

そんな当たり前の事に気づいた私は、やっとこれからの事について真剣に考ようと思った。

元の世界に帰れるその時、私が迷わないように。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。
宣伝になりますが、
『獣人の奴隷に一目惚れしたので。貴方の人生ごと買ってもいいですか?』って言う題名で、短編を書いてみたので読んでみてくれると嬉しいです。
感想 20

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