異世界転生したデザイナーは王子を救う。

月湖

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これは確かに俺のだけど、俺用ではなかった筈・・・。

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「あ”あ”ぁぁ―――・・・疲れたー・・・」

コレクションの準備が整った深夜。
最終の1本前の電車を待つホームでオッサンくさい声が出てしまう。
いや、年齢的にはもうオッサンに足を突っ込みかけてはいるのだが。

ああもう帰ったら風呂入る。とっておきの温泉の素使ってやる。
職場でシャワーはしていたが、シャワーで疲れは取れない。
せっかく風呂が広めの部屋に住んでいるのに、このひと月忙しすぎてゆっくり風呂どころか短時間の睡眠時間以外で部屋にいない。
いいかげんモッタイナイお化けが出そうなくらいだ。
でもやっと!
ゆっくり風呂に入ってゆっくり寝る。一応明日も仕事だけど午後入りでOKと言われたし。

プオーンと入ってくる電車に一歩足を前に出す。
つもりが。

ドンッ!!
激しく背中を押されて

「うわっ・・!」
「ああ、すみませ――――」

そこで音が途切れた。
スローモーションのように景色が流れ、自分の身体が線路に投げ出される。
気付けば乗る筈だった電車がすぐ目の前に迫っていて――――









いつまで経ってもやってこない痛みに、おかしいなと思いながらぎゅっと瞑った目を開けると。

「・・・・アナタ、誰ですか」

目の前には金色の王子様がいた。

「それは私が訊きたいところなのだが、まあ、それは後でも構わない。
先にこちらを頂かせていただく。
よいな?」

「は?こちらって」

「そのような扇情的な姿で私のベッドに参ったのだ。そういう事なのだろう?」

「あ?は?」

長い指が顎を捉え、綺麗としか言いようのない顔が近付いてくる。

「ちょ、ま」

ってはもらえませんでした。

「っん!、ふ、あ、んん・・・っ」

後頭部に回った大きな手が逃げることを許さず、重なった唇の間から入り込んだ濡れた舌が、引っ込もうとした自分の舌に絡みつき引き出される。上顎を擽られ、背筋がビクッと震えた。
これはヤバい。

「んっ、ちょ、ま、あ、っふ・・んっ」

待って、と言いたいのに、激しくも甘く蹂躙てくる口付けに少しずつ身体の力が抜けていってしまう。
ヤバい、この人キス、気持ちヨ過ぎる。

「ああ、お前との口付けは甘いな・・・」

どのくらいそうしていたのか、ちゅ、と小さな触れ合いを最後にキスを解かれた時には俺の身体はすっかり脱力し、柔らかなベッドの上に押し倒されていた。

金色の髪が顔の脇に降ってくる。

「あの・・・っ」

訳も分からず流されていたが、大きな身体に跨られさすがに状況を理解した。
これって、このままいったら。

「無粋な事は言ってくれるな。
久方ぶりだが、決して乱暴にはしないと誓おう。
一緒に気持ちよくなるように努力するから、このまま私に身を委ねて」

「いや、あの」

「私を助けるためにこのような薄絹で現れたのだろう?渡り人よ」

「渡り人って」

「それは後できちんと教えるから、な?」

「!んんっ」

整った顔が下りてきて唇が重なると同時、きゅっと両方の乳首を摘ままれて背中が仰け反る。

「ああ、敏感だな、可愛らしい」

「んん・・・あっ」

一瞬だけ舌を擽って離れた唇は顎から首筋をなぞり、鎖骨の上で止まるとジュッと肌をキツく吸われた。
微かな痛みを伴うそれに、ああ、キスマークがついたな、などとぼやけた思考の中思う。

「こんな衣は見た事がないが、薄く肌が透けて確かに劣情を誘う衣だな・・・。
よく似合っている」

「れつじょう・・・」

「ふふ、とてもいやらしくて可愛いという事だ」

ひらり、と男が俺の着ているそれを手に取り口付ける。

「!?」

ソレは!!
目に入ったソレに目を見開く。
何でソレがここに!?
っていうか・・・。
なんで俺がそれを着てんの・・・・!!!!

ソレは、明後日のコレクションでお披露目される筈のベビードールだった。
薄紫のシルクオーガンジーを黒のパイピングとリボンで締めた、胸の先が透けるか透けないかギリギリの、ロマンを求めたソレは、ランジェリーデザイナーである俺の自信作。
を!なんで俺が着てんの!

「私の為にこれを纏ってくれたのだろう?」

「ちょ、あ、んっ」

ソコ、噛まないで!
薄い布越しに、刺激されてツンと立った右の乳首を甘噛みされる。
そのままべろりと舐め上げられ、チュッと吸われて小さな声が出てしまった。

「・・・本当に、可愛らしい。こちらもしてあげないとね」

うっとりと呟いた男は言ったとおりにもう片方にも唇を寄せる。
きゅ、きゅと強く弱く摘ままれていた乳首は期待に固くなっていた。

「あぁ・・・っ」

ああ、なんでこんなに気持ちいい?
そんなトコロ、なんでもなかった筈なのに。

ジュルジュル舐められ、くるりと転がされ舌で押しつぶされる。
倒れた乳首はすぐに戻り男の歯の間で弄ばれて、微かな痛みに恐怖と快感を同時に味わっていた。

「あっあっ、んんっ!」

カラダが、おかしい。
男の愛撫が気持ちヨ過ぎて、何も考えられない。
抵抗しなければならない筈なのに、触れられるほどに力が抜けて身を委ねてしまう。

「こちらも濡れているな。染みになっている」

「そん、なこと、言うなぁ・・っあ!」

躊躇なく先端を緩く擦られ腰がビクリと跳ねた。

「んんっ!」

喘ぎながらおそるおそる下を見れば、黒レースの、中央がぱっくり開いたガード力ゼロのエロ仕様ショーツから飛び出したペニスを、手入れをされた美しい手が握っていた。

こっちもかよ!
しかもコレ、ネット限定のヤツ!
繊細な美しいレースの、エロ可愛い下着は実はうちのブランドの隠れた売れ筋だったりする。
普段身に着けるには恥ずかしいが、たまには刺激的にという夜のお供に、OL層からアラフィフのお姉様まで購買層は幅広い。
それはいいんだ。

問題は今それを身に着けているのが男の自分だって事で。
いや、実は同じデザインのメンズもあったりするけど!
でも俺はデザインはするけど自分が着ける趣味は無くて!
なのに。

「美しいレースからこんな卑猥なモノが飛び出しているのは、なんとも言えずクるものがあるな・・・」

ぐちゅ、ぐちゅっと零れた先走りを塗り付けながら扱かれ、出したくないのに唇の隙間からは甘い声があふれる。

「っあ、あ、あ、ああ・・っ」

「その恥じらいながら零れる声も可愛いぞ」

「っ、」

この人、エッチを実況する癖でもあるのか?
痴態に賛辞を向けられて恥ずかしさにカアッと顔に血が上る。
っていうか、なんで俺のカラダ動かないわけ?

「ふふ。本当に・・・・・・滾る」

「っ!?」

男の小さな呟きと同時、散々嬲られもう少しの刺激でイくという時、今まで誰にも触れられた事の無い後ろにするりと指が滑ってくる。
ヌル、と抵抗なく動くのはいつの間にか潤滑剤でも準備されていたのだろう。
窄まりから会陰にかけてをゆっくり行き来するそれにゾワゾワする。
何往復かして、当たる指先の圧が強くなるのを感じた。

「あ、・・っんん・・ソコっ、は」

親指で会陰を押されながら何本かの指が割れ目をなぞる。
そして、途中の窄まりに指先が引っ掛かり、やがて一本が入ってきた。

「っあ、あっあっ・・っ」

「キツイ、な・・」

口付けてくる男の服を握りしめ、慣れない感覚に耐える。
こんな事されてるのに、嫌だとか思えないのは何でなんだろう。

「ん、ふ、・・っ」

キスは最初から優しくて気持ちいい。
カラダを撫でる手は少しだけ圧があって、骨の上をなぞられると快感にびくびく震えてしまう。

「もう少し、増やすぞ」

「んんん・・・っ」

つぷりと入った指にくるりとナカの淵を撫でられ、ゾクゾクと背中に快感が上ってくる。
解放されないままの前に血が集まり、イきたいという事だけに意識が集中していく。

「あ、ああ、・・・く、んんっあ!」

快感に身を持て余し、解放されない苦しさに自分のモノに触れようと手を下ろそうと男の服を放すと、男が急に身体を起こし、俺の手がそこに触れる前に俺のを握ってきた。

「すべて、私に任せて?」

口調も表情も優しいのに、男の手だけは優しくない。
もう少しだけ擦ってくれれば解放できるのに、男は俺の者の根元をきゅっと締め付けイケないようにしてしまった。

「あ、やああっ」

「もうすぐだから、ね?」

「ん、あっ!」

くちゅくちゅと後孔を行き来する指が増え、そして、いきなりそれはきた。

「あ、ああああっ」

「っ、すごいな」

「んんんっ!」

これ、なに!?

「んんんっ」

ぐちゅ、と男の指がある一点を抉ると腰が跳ねるほどの快感が襲う。
怖い。
これ、知識だけでなら知ってる。
多分、前立腺とか言うやつ。
直で刺激されたらイキ狂っちゃう、とか、ゲイの友達が言ってたとこ。
嘘だろ(笑)とか思ってたのに。

「ああっ、あっ、も、や、イかせてぇっ!」

イきたいのに、俺のモノを拘束する男の指が許さない。

「気持ちいい?」

気持ちいい。気持ちいい気持ちいい気持ちいい!
けど。

「っ、い、。も、怖い」

優しく聞いてくる男に返す。
自分のカラダが自分のモノじゃないように震えて怖い。
こんな事初めてなのに、快感に溺れそうな自分が怖い。
目の前の男の名前も知らないのに。

「アナタ、誰・・・?」

「・・・ユーリだ」

「ゆーり、こわいよ」

「何が怖い?」

俺を見つめてくる瞳は欲を湛えていたけれど、じっと動かずに待っていてくれていた。

「俺、こんな・・っなのに」

「可愛いよ」

違う。そうじゃなくて。

「なんで、ゆーりは脱がないの」

俺だけ。こんななのに。

「寒い、よ」

「ああ、すまない。あまりに可愛くて、我を忘れた」

「っんん!」

ズル、とナカの指が抜かれ、その刺激にまた震える。

「少しだけ待ってくれ」

俺を見つめながら、バサバサと着ている服を脱いでいく男。
改めて見る男はやっぱり美しかった。
顔はもちろん、その身体も。
厚い胸板はそれでもみっともない程ではなく、締まった腰回りも程よい筋肉に覆われている。
メンズモデルのような均整の取れた身体だった。
美しい男や女を見慣れた自分でも美しいと思う、そんな男に俺は抱かれていたのかと思うと改めて羞恥心が襲ってくるが、不思議ともうやめてほしいとは思わなかった。

豪奢な、刺繍や金釦がたくさんついた衣装というのが正しいような服を脱ぎ捨て、下着も何も取り去った男があらためて自分に伸し掛かってくる。

「お前の名は?」

ちゅ、唇を重ねながら訊かれて「海人」と答えた。

「カイト」

「ん」

名前を呼ばれながらの優しいキスは怖いと感じる気持ちを止めるのに十分だった。

「抱いてもいいか?」

「ものすごく今更だけど、いいよ。続き、して」

はだけたベビードルの前を合わせてしまうくらいは許してほしい。
足の間はユーリの身体があるせいで開けっぴろげで恥ずかしいトコロが丸見えなのだから。

「・・・ここに、挿れてもいいか」

「っん!」

片足を持ち上げられ、つぷ、と先程までいいだけ解した窄まりに指が入り込んでくる。

「ああ・・っ」

すぐにおかしくなる場所を見つけてはグリュッと押し上げ、そのたびにあられもない声が上がってしまう。

「ああっ、あっ、っんん」

「カイト、いいか?」

「んんっ、いい、からっ!もう・・・っ」

こんな風にしながら訊くのはズルいと思う。
気持ちよくて、もうどうにでもしてほしいと思ってしまっているのに。

「ゆっくり、するから・・・っ」

「あ、んん・・・」

くちゅ、と指が抜かれたソコに指とは違うつるんと丸いものが当てられる。

「あ、あ、んんん、んん、っんん・・・っ」

ぐっと圧力をかけられ、包むように窄まりが開いていくのが分かる。

「あ、っ・・・っん、く・・っ」

ゆっくり、ゆっくり、それでも少しずつ奥に挿いるにつれて苦しい。
亀頭の太さで限界まで肉輪が開いた後孔に少しの吐き気が上がってくる。
けれど。

「んあっ!ああっ」

息が詰まった瞬間、萎えかかった前を握られかくんと顎が上がる。
濡れた手でゆるゆると扱かれてあっという間に芯を持つ自身を更に攻め立てられ、力の抜けた後ろにグプッと押し込まれた。

「ああああっ!」

「っ、はいった・・・」

「んんっ・・ンッん、んあ・・」

一番太いトコロが挿いってしまえば、苦しさは過ぎる。
それでもユーリのモノは大きくて、初心者の俺のナカに全部収めるのはきっと無理だ。
それなのに。

「カイト、カイト、ありがとう・・・」

半端に挿入して苦しいだろうに、ユーリは俺にそう言って優しいキスをした。

「・・・もう一生、治らないものだと、諦めていた」

「え、っと、」

何のこと?
としか言いようがない。
電車に轢かれたと思ったらいきなりユーリのベッドにいて、そのままなし崩しにエッチしてるこの状況で、泣くほど感謝されるような事があっただろうか。

「ふふ、後で説明する。今は・・・」

「んああっ!」

グリ、とナカの大きなモノが動く。
抉るように突き上げられて、声を我慢できなかった。

「あああっ深い、や、ああっ」

完全に力を取り戻した前も一緒に扱かれ痺れるような快感に、出したいとしか考えられなくなる。
しかし、ズチュッ、ズチュッとユーリが出入りする度にいやらしい水音が上がり射精感を強くするが、慣れないアナルセックスに最後の一押しが足りない。

「も、イきたい・・っ!」

ユーリに縋りついて、イかせてと訴える。

「っ、分かった・・っ」

「あああ――――っ」

ヌチュヌチュと前を扱かれながら、グリュッと大きなモノで前立腺を押し上げられるともう我慢は出来なかった。
ビュルッ!と放たれたそれは俺の顎まで飛び、ユーリの胸元をも汚した。
そしてその瞬間。

「っく、私もっ!」

「っんん!・・っ」

ガツンと突き上げられたユーリのモノから、熱い迸りが俺のナカに放たれた。

「っん、んんっ」

ビュルッと一気に広がった熱さにビクビクと身体が震える。

「ユーリ・・ぃ」

「カイト、ありがとう」

「ん・・・」

抱き締められ、見つめ合いまたキスを交わす。
初対面の男とのいきなりセックスでも、幸せになれてしまう事を知った。









そして。
俺は今何故かこの国の王様から事の真相の説明を受けている。

「えー・・と、つまり、渡り人とは国の危機に突然現れる救世主のような存在だと」

「ようなではなく、間違いなく救世主だ、カイト殿。
一番必要な場所に、必要な姿で現れる。
今回はウチの息子が大変に世話になった。
王としてもユリウスの父としても礼を言う。ありがとうカイト殿」

「はあ・・・」

まあ、確かに救ったと言えばそうなのかもしれないが、アレは俺じゃなくちゃダメだったのだろうか?という疑問がおおいに残る。
渡り人っていうのは神様が選んで降臨させるものすごーく珍しくて尊い存在らしいけど、ランジェリーを着せるなら華奢な女の子の方がよくないか?と俺は思うのだかしかし。

「カイトは私を救ってくれた」

ユーリは熱い眼差しで見つめながら俺を抱きしめるのだ。
まるで愛しい人を抱くように。

コトが済んだ後、ユーリからも説明を受けた。
主に最中の「ありがとう」の意味について。

なんとユーリこの国の第一王子で王太子。
いずれ妃を娶って子を成さないといけないのにインポだったらしい。
まだ26歳なのに。
閨教育が始まった15歳の時はまだ元気だったらしい。
まあ、興味があるお年頃だしね!
しかし、18歳の成人を迎える頃にはもう朝にすら勃起しなくなっていたらしい。
だが、王太子が勃起不全だなどど大っぴらに言える訳もなく。
ただただ文献を漁り、ソレに良いらしいとあれば実践してきたが結果は芳しくなく。
さすがにもう諦めかけていたところに落ちてきた俺、という訳だ。
初めて見た卑猥な下着姿の俺に、ユーリの息子さんは数年ぶりに勃ちあがったと。

どうやら、こちらの世界の下着というのはとてもとても地味ぃーで、勃つものも勃たないという程の色気の無さ。
おそらくそれが主な原因で、国全体の出生率も下がり気味だったのだという。
王様は俺がランジェリーのデザイナーだ自己紹介し、何故かユーリのベッド下にあった俺のバッグの中の実物数点を見ると、若干顔を赤くしながら国を挙げて工場を立ち上げすぐに国中に広めると仰った。
いや、嘘だろ。とか思ったけど、こっちの世界の下着を見せてもらうと色はベージュ一択、デザインはボクサーパンツ一択。ブラジャーだってただの伸縮性のある輪っかだ。
他の衣装は煌びやかなのに、なぜここは発展しなかったのだろうか。
確かに色気も何もない下着にこれは萎えるかもと思ってしまった。

ユーリ、俺のベビードールひとつであんなになってたし・・・。
すぐ近くにある整った顔に一瞬昨夜の痴態を思い出しかけ、プルプルと首を振る。

「・・・ユーリ、俺、一人で座れるけど」

「まだ力が入らないだろう?このままここにいなさい」

「いや、王様の前でこれは無いだろう」

俺は説明を受けながら羞恥に震えている。
何故って、王様の前なのに俺はユーリの膝の上で横抱きにされているからだ!
そして、その理由も王様に説明済み!
恥ずかし過ぎるだろ。
しかし、王太子のこれまでを知り一緒に悩んできた王様はその説明に大いに喜んだ。
そりゃそうだ。
王太子なのに10年近くインポだったんだから!
ユーリのユーリが勃った!なんて事態に喜ばない訳はない。

「ああ、構わないよ。仲睦まじい事は良き事だ」

「ほら」

「ほら、じゃなくて!恥ずかしいんだって!」

「恥ずかしがる顔も可愛いからそのままで」

「話聞いて!」

「さて、説明も済んだことだし、邪魔だろうから私は先に失礼する。
カイト殿、この国はあなたを歓迎するよ。うちの息子の元に来てくれて本当にありがとう。
何かあればすぐに言ってくれて構わないから。
ユーリの愚痴でも、何でも。私の事はパパだと思っ「ではごきげんよう父上」」

ユーリが王様のセリフに被せるように挨拶をしたがしっかり聞こえてしまった。

「パパ・・・って(笑)」

「言わなくていい。いや、将来的には言ってほしいが・・・」

「なんか言った?」

「いや、さて、いい時間だし、食事でもしながら話をしよう。
カイトの事をもっと知りたい」

「うん」

俺も、何がどうなって俺がここに来たとかいろんな知りたい事はたくさんあるけど、とりあえずは嬉しそうに俺を抱き上げる王子様の事を知りたいかな。






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