encore

優未

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最近、幼馴染の様子がおかしい。

瑠璃るり!」

待ち合わせ場所へ向かって歩いていると、私に手を振る幼馴染の姿が見えた。

「ごめん、待たせちゃった?」

「全然。今来たとこ」

これは嘘だ。

「鼻、少し赤くなってるよ」

「…瑠璃だっていつも来るの早いじゃん」

「そうだけど」

人を待たせるのはあまり好きではない。

「じゃあ行こっか」

不意に手が握られる。

「へ?」

「人多いから、はぐれないように」

触れた指先が冷たい。やはり待ち合わせより早くからここにいたらしい。

昔は平気で待ち合わせに遅れてきたというのに。

いや、そういう話ではなかった。

「子供じゃないし手を繋ぐのはちょっと…」

「それなら腕にする?」

そういう問題ではない。

返事に困っていると指と指が絡められる。

これは俗に言う恋人繋ぎというものではないだろうか。

「ちょっと風雅ふうがくん」

「いいじゃん、周りの人たちもこうしてる」

「それは」

周りは恋人同士だからに決まっているではないか。

私たちはただの幼馴染で、それ以上でも以下でもない。

好きなのは、私だけ。

彼に恋人がいない期間だけ一緒に遊ぶ、ただの繋ぎだ。

「せっかくのクリスマスデートだしさ」

デートなんかじゃない。ただ2人で遊ぶだけ。

「そう、だね」

自分に言い聞かせないと勘違いしてしまいそうなくらい、最近の風雅くんは変だ。

せっかくの決意が揺らぎそうになる。

もう2人で遊ぶのはやめようと伝える決意を。
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