僕の好きは、君とは違う!

秋元智也

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第二十七話 嫉妬

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教授の前で無理矢理引かれるようにして出てきてしまって、頼まれた事も
中途半端になってしまった。

流石にこれは人として失礼過ぎる行為だった。

「俊、いい加減にしろよ!教授にあんな態度はさすがに…」
「あの変態が何を考えてるのか分かってるのか?」
「俊、いい加減にしろって。キャンパス内で何ができるって言うんだ?それ
 に確かに噂は色々あるけど、そんなのを信じるのか?俺はそんなの信じる
 気はねーよ。悪い人じゃないし、いきなり襲うような人じゃないよ?」
「荒太は何も分かってない…俺がどんなに…」
「どんなに?」

部屋に入るなり鍵をかけずにそのまま玄関でキスをした。
唇を塞ぎ、それ以上何も言わないようにと何度も吸い上げるように激しく求
めた。

俊の胸をトントンッと荒太の手が抗議するように叩くが無視して続けた。

「ぷはっ…はぁ、はぁ、はぁ、お前なぁ~いきなり何すんだよ!」
「ベッド行こう。いいよね?」
「ちょっ…やだって、シャワー浴びてからっ…」
「なら一緒に浴びればいいよね?ナカも洗ったげる」

俊の声が冷たくてビクッと震えた。

「俊?怒ってる…?」
「…」

ただ黙って洗われると夕飯も取らずじまいでいつも以上に激しく求められた
のだった。
目が覚めたのは朝になってからで、身体中が痛くて起き上がれなかった。

「俊のばーか!ばーか!ばーか!」
「悪かったって…何か欲しいものある?」
「飯!昨日何も食ってねーし、腹は減るし…腰は痛てーし…」
「すぐに持ってくるから待っててくれ」

そう言ってコンビニへと走っていった。
残された荒太はゆっくりと起き上がると洗面所へと向かった。
首筋から至るところにまで赤い鬱血の痕が残っていた。
頭を抱えるとしゃがみ込む。

「う…嘘だろ…」

この気持ちは一体なんだろう?
少しづつ教授に対して嫉妬してくれたのかもしれないという事実に
ふつふつと嬉しい気持ちが込み上げてくる。

俊が帰ってきた時にはベッドに寝転がって布団の中でくるまっていた。

「ごめんって、機嫌直してくれよ?な?」

いつもならゼリーや紅茶を差し出してくるのだが、今日に限って生クリームと
チョコの乗ったプリンといちごミルクを差し出してきた。
食事はキッチンに置いてあるらしい。
布団から出すためにデザートで釣ってくる作戦らしい。
まぁ、仕方ないから乗ってやらんでもないかな…。

シャツを着たまま下はパンツだけの姿でキッチンへと来ると一緒に弁当をつついた。
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