禁断の扉を開けたのは!?

秋元智也

文字の大きさ
49 / 123

賭けの結果は・・・

しおりを挟む
朝早くに起きると涼風はいつものように若菜の様子を見に来ていた。
体を固定された彼女は動くこともままならない状態で拘束されていた。
ジャラジャラと鎖が揺れて起きていることがわかる。
「おはよう、あら?お漏らししちゃったのかしら?」
下半身の方が濡れており、一見お漏らしのように見えたが臭いは違った。
「すぐに医者をここに!」
外の見張りの男に命じると遠ざかる足音が暫く響いていた。
「そろそろ、さよならね?安心した?」
「んーー。んんんーーー。」
猿轡で言葉にならない言葉を言うが涼風は一向に気にしない。
「若菜ちゃん、今までありがとう。もうすぐ産まれそうね?産まれたらいつでも好きにしていいわよ?彼の後を追う事も自由よ。だって、貴方が殺したんだものね?」
脅すように暗示をかけるかの如く何度も現実を突きつける。
薬で多少精神がおかしくなっていたとはいえ、兄に手を出したのは紛れもなく若菜なのだ。
その後を追うように自殺しようとしたが、そうはさせなかった。
彼女のお腹には子供がいるのだ。
彼の子供が・・・。
涼風は彼が手に入らないのなら、と彼の子供を育てることにしたのだ。
破水した彼女を医者に見せると産気ずいているということでそのまま産む事になった。
屋敷は慌ただしくなり朝から廊下を行き交う人でごった返していた。
勿論表向きは涼風の子供と言うことになっているため、八雲会の跡取りということで誰もが喜びに湧いていた。
ただ、当事者達だけは知っている。
そうでないことを・・・。
若菜は話す事すら禁じられている為、誰にも相談や告げ口などできようはずもない。
お昼頃になってようやく屋敷に赤子の泣き声が響き渡り、誰もが喜んで盛り上がりを見せた。
あらかじめ遼は綾音に涼風の女がし出産を控えていると聞いていたので早速見に行くべく重い体をこした。
「っ・・・きっついな~、あちこち痛くて年取った気分だな・・・」
昨日の朝まで続いたセックスの後で至るところがギシギシと軋む。
ひとしきり挨拶を終えたのか部屋は静かになっていた。
「あれ?いないのか?・・・涼風さん?」
ドアをノックしても何の返事もなく、ゆっくりと中を開いた。
薄暗い部屋の中には涼風の姿はなく、帰ろうとすると呻き声が聞こえてきた。
「・・・?誰かいるのか?」
電気をつけるとベットに手足を拘束され、へその緒もそのままに横たわる女性がいた。
「おいっ!大丈夫か?・・・すぐに涼風さんを呼んでくるよ!」
「んんーーんんんーーー。」
猿轡のせいか何を言っているかは解らないが必死で抵抗しているのはわかる。
すぐに猿轡を取ると手足の拘束もはずした。
「あんたが涼風さんの奥さん?」
「冗談じゃないわ、あの男にずっと監禁されてたのに?私の子供はどこ?」
なりふり構わず遼に掴みかかる裸体の女性はよくみるとまだ幼く遼とさほど変わらないのではないかと思えた。
意味が分からないので悪いとは思ったが心を覗かせてもらった。
彼女のこれまでの経緯と強い感情の根源を探すのは容易いことだった。
「子供は涼風さんのじゃないのか?・・・えっ・・・何で?お兄さん?」
遼の言葉にハッと我に帰った女性は取り乱しながら遼を押し倒した状況で馬乗りになりながら見下ろしていた。
「あんた、何者?お兄ちゃんを知ってるの?」
「知らないが、君から流れてくる感情を見せてもらった・・・こんなの酷いよ・・・」
「そうよ、酷い男よ。お兄ちゃんを自分の物にするために私に薬を盛って人芝居うたせたのよ。あの時は薬が切れる恐怖で何でもやってしまったわ。でも、今は後悔してる・・・耐えればよかったのよ、それももう、遅いけどね・・・ならせめて・・・」
「子供だけでも涼風さんの目の前で殺そうと?」
「・・・!!」
「そんなの良くないよ。生きてるんだから・・・」
「呆れた。なんでも分かるのね?でも、貴方も性奴隷なんでしょう?」
そう言いながら上着の襟首から胸元までのボタンをはずすとそっと撫でた。
「まだ若いけど中学位かしら?男に抱かれるなんて耐えられるの?」
「勘違いしてるよ。俺は気持ちよければ相手が男でも構わないし、綾音さんが好きなんだ。確かに臓器が欲しくて俺を買ったと分かっていても・・・それでも。」
いつかは臓器としてではなく、自分を好きになってほしかった。
後数日の命ではなく、相沢という男より自分を選んでほしい。
最初はそんな打算で体を重ねていた。
回数を重ねるうちに自分の気持ちにも気づき始めた。
誰かとじゃなく、綾音と七海に抱かれている時がとても心地が良いことに。
自分からもねだるようになったし、無茶はしないこともわかった。
たまには綾音の中にも入れさせてくれるがやっぱり遼は綾音に入れられる瞬間が好きだった。
最近では塞ぎがちな綾音には理由があった。
相沢の容態が芳しくないのだ。
その為いつ遼を身代わりにするかわからず、戸惑っていることも・・・。
最初はただのヤるためだけの体と割りきってきたが、最近では遼の思惑通りに感情がついていかなくなってきていた。
「俺は命がけの賭けをしてるんだよ!俺が勝てばこのまま生きていける・・・でも負ければ・・・」
「ふ~ん。あんたも大変なのね?」
そんな会話の途中で勢いよく扉が開くと入ってきた涼風が勢いよく遼の上に覆い被さっていた若菜の腹を蹴り飛ばしたのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

処理中です...