禁断の扉を開けたのは!?

秋元智也

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計画の発端

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数日前。
綾音は涼風を呼び出してお茶に誘っていた。
「珍しいわね?お姉さまの方から誘うなんて、話でもあるんですの?」
綾音は苦笑いを浮かべると紅茶に口を付けた。
喫茶店といえどほとんど貸しきりに近く、まばらにしか人がいない。
ジャズがかかっていて離れた席の話声など聞こえてこない。
そんな空間が好きでたまに通っている。
涼風はもっと賑やかな方が好みらしい。
綾音は東大に通いながらの生活を続けている為、それほど時間が余裕にありる訳ではない。
それに、八雲会を継ぐのは涼風に任せるとしているので愛人の子供の綾音には涼風に子供が出来たとの知らせを受けてから居場所が微妙になってきているのだ。
「八雲会を継ぎたくなったとか?渡さないわよ~」
「それは涼風が好きにすればいいわ。相沢 貴史、彼の事よ。」
ジュースをすすりながら涼風がなるほど・・・と納得した。
ずっと探していた初恋の相手。
男でも大丈夫なように慣らすだけのつもりがそれだけじゃ済まなくなり、しまいには意識すら戻らないのだ。
「そろそろ、ヤバくなってきたんでしょ?代わりに遼ちゃんの心臓移植は大丈夫なんじゃないの?」
「えぇ、遼の心臓を移植しても大丈夫そうよ。一応もう一回調べる予定よ。でも、手放したくないの・・・我が儘よね?貴史君を助けるには遼の心臓を移植しなくちゃいけないのは分かってるの。彼とはどうしてももう一回話をしたいの。でも、遼といると楽しいのよ。もっと、ずっと一緒に居たいって思えるの。でも、そうもいかない・・・時間が・・ないっ。」
床を見つめる綾音に涼風はただ黙って聞いていた。
考えが纏まらないのか、それともどうしたいかがまだ決まっていないのか。
ただ明日、遼と最後のデートをするらしい事はわかった。
「いいじゃない?最後ならぱーっと遊んでこれば?それにお姉さまってタチだけじゃなくて遼ちゃんにも入れさせてるんでしょう?こないだかまかけたら遼ちゃんったら真っ赤になってたもん。」
「わっ、わるい?私はどっちでもいいの。気持ちよければそれでいいでしょう?それに、入れさせてあげると遼ったら結構可愛いのよ~?」
「ご馳走さまでーす。それで、遼ちゃんを手放せなくなったんだ?ふ~ん。」 
「仕方ないじゃない?あんなに無邪気なままの彼は始めてだったのよ。いつまでたっても恥ずかしがるし、七海には結構大胆になってるみたいだけど、私の前だとすっごくうぶなんだもん。」
涼風は呆れたように見詰めるとため息を吐いた。
「どうしたいのよ!相沢の事は諦めるつもりはないのよね?もし助かったら彼をどうするの?地下にでも閉じ込める?客を取らせずに自分専用に?」
綾音は首を振るときっぱりと言い切った。
「もう、二度と会わないわ。ただ、彼の安全だけは陰ながら見張らせてもらうつもりよ。」
「はぁ~?逃がすために助けるの?意味わかんないわ。私だったら死ぬまで逃がさないけどなぁ~それとも、そう思えるようになったのは遼ちゃんのせい?」
「わからない。でも、いつも私だけを見てくれる存在ってすっごく大切なんだなって思ったの。」
「ふーん。それはいいけど、相沢を助けたら遼ちゃんは助からないわよ?それでも助けたいの?」
「・・・・・・うん。多分そうなんだと思う。遼もそれを理解してくれてる。ただ、私が・・・」
「割りきれないのね?いっそのこと壊しちゃえば?」
「えっ・・・」
「精神的に壊れちゃえば諦めもつくじゃない?」
「そんなっ・・・彼には笑っててほしいの。最後まで笑顔でサヨナラしたい。ごめんね。ただの相談っていうか愚痴になっちゃったね?」
「いいわ、それで楽になるのなら構わないわ。」
「ありがとう。赤ちゃんおめでとう。名前は決めたの?」
「ええ。享よ、トオル・・・あの女の兄の名前よ!そして私の彼でもあった人・・・。」
その辺の詳しいことは知らないが兄弟を囲っていたのは知っていた。
「そう、それが誰の子でも八雲会の跡取りには代わりないわ。大事に育てるのよ?」
「ありがとう、まさか出ていく気じゃないでしょう?」
綾音はにっこりと微笑むと席を立った。
「ありがとう、聞いてくれて。そろそろ、講義の時間があるから行くわ。」
そう言って出ていった。
「ふ~ん。遼ちゃんもやるじゃない?でも、詰めが甘かったわね?」
電話を取り出すと手下に召集をかけた。
「今すぐ人を集めてちょうだい。あまり多いと動きがバレるから少数でやってほしいことがあるの、選りすぐりの精鋭と現地っぽい人を探して、出来ればチャラくて足がつかない人をお願い。」
電話を切ると前に停まっていた車に乗り込んだ。
再度の電話が鳴ると人員の用意が出来たとの知らせがあった。
倉庫に行くとチャラそうな男が二人ビクビクとしながら立っていた。
「あの~金くれるって本当ですかね?」
「えぇ、前金で100万、終わったら1000万ってのはどう?」
金額に喜ぶと何でもしますと即答された。
「やってほしいのはコレよ。」
写真を渡すとそこには遼が写っていた。
「男っすよね?殺しはちょっと・・・」
「殺したら貴方達もただじゃすまないわよ?その子、男とセックスするのが好きなのよ?貴方達でおもいっきりよくしてあげればいいの。壊れるぐらいにボロボロにしてほしいの。ただのセックスじゃ物足りないかも・・・そうね、これも使っていいわ。」
そう言ってアタッシュケースを渡した。
そこに入っているのは最近流通している新種のドラッグだった。
大麻から注射器、そして吸引するものまである。
「俺らも使っても?」
「いいわよ、ただし、彼を殺さないのが条件よ。」
「男なんて初めてですがね?」
「女と大差ないわ。顔だけならイケるでしょう?これも使えば綺麗に出来るわ。」
放り投げたのは浣腸用の機具だった。
「使い方は書いてあるわ、2個分使えば中は綺麗になるし女とやってるのと変わらないわよ?ボディーガードにうちのを付けるわ。車もこちらで用意するから上手くやりなさい。多少の怪我は多目に見るわ。」
それだけ言うと涼風は黒服と共に立ち去った。
後に残された男性はお互い100万を握りしめながら写真の人物を眺めた。
「こいつをね~まだ中学生だろ?」
「どんだけエロガキなんだよ?しかも、男に抱かれてるって相当な色物だぞ?」
「まぁ、1000万となりゃ~しかたねーか?俺達も楽しませて貰うか?」
「女が良かったなー?」
「贅沢言うなよ。金さえ貰えば幾らでも女が付いてくるぜ?」
お互いに顔を見合わせイヤらしい笑いを浮かべた。
それから数日後に沖縄行きが決まるのであった。
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