禁断の扉を開けたのは!?

秋元智也

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救出はピンチから

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「大丈夫だった?もう安心していいわよ~」
「・・・」
入ってくるなり場違いな声で話し出したのは涼風だった。
遼に手を差し出すがそれに掴まる気にはなれなかった。
「あんたがここにいるって事は綾音もいるのか?」
「嫌だな~助けに来てあげたのよぉ~お姉さまは暫く病院に付きっきりだったから今はきっとはねを伸ばす為に沖縄にでも行ってるはずよ!」
にっこりとわざとらしく笑みを浮かべてきた。
「さぁ、帰りましょう?もう、貴方の用事も終わったのよ?相沢君、いえ、貴方のお兄さんも助かったわよ!手術が成功したの。意識はまだ戻らないみたいだけど体の方は心配要らないわ。」
遼の顔に触れてくるとぐいっと持ち上げられ少し苦しくて眉を歪めると弄んでいるような手つきで触れてきた。
両サイドから抱え上げられ立たされると足元は覚束無いが両腕をがっしりと捕まれているのでなんとか立っていられた。
「どうするつもりなんだよっ・・・」
「・・・?やだな~助けに来たって言ったじゃない。帰るのよ?うちに・・・。」
「違うだろ?あんたが仕組んだんだ。沖縄で俺を拐わせたのも、乱暴するように命じたのも!」
「・・・何を言って」
「そんなに自分の立場が大事かよ!」
涼風の笑みが消え鋭く睨まれると今までと感じがガラリと変わった。
今まではただの可愛らしい少女のような雰囲気だったのだが、今は確実に極道の目をしていた。
生まれが生まれなのでそうなることは分かっていたのだが鋭い視線で睨まれると一瞬で足がすくんでしまった。
気圧されてもここで負けたらダメだと自分に言い聞かせると震える声を絞り出した。
「あんた俺を使って綾音を追い出したいんだろ?残念だったな・・・!俺がそんな価値があると思ったのかよっ。俺はただの臓器の提供者に過ぎないんだぜ?」
「そうね、でも、お姉さまにとって特別にはなってきたみたいよ?」
「・・・?」
「そうだ、賭けをしましょう?さっき遼ちゃんが見つかったことを連絡しておいたわ。今日中にここに来たら私の勝ち。明日になっても来なかったら貴方の勝ち。好きにすればいいわ。でも、私が勝ったら・・・そうね一生私に忠誠を誓って地下で客を取って稼いでもらおうかしら?地下はまだ知らなかったわよね?」
その薄ら笑いに寒気がして身震いした。
「そんな賭けに乗るわけないだろ!やり方がきたねーんだよ。綾音がいたらそんなにヤバイのか?伯父さんに疑われてるんだろう?子供が本当は誰の子かってな?」
「・・・何を言ってるの?あの子は私の・・・」
「違うな!惚れた男の子供だろ?あのねーちゃんの兄貴のっ」
パシィーン。
一瞬何が起きたか分からず目眩に襲われた。
言葉を言い終わる前に横から平手打ちが来たのだ。
左頬にヒリヒリした感覚が残り呆気にとられていた。
「それ以上は命取りになるわよ?どこで知ったか知らないけど口は災いの元っていうの、知らないの?」
遼の頬に軽く触れあとゆっくりと首筋に触れていき、頸動脈をゆっくりと押していく。
「!!」
「お姉さまには会えないわね?」
「あんたも、言いなりかよっ!・・・っ・・・恋人がどうなってるか・・・気にならないのかよ!」
横で押さえていた男が遼の言葉に反応するかのように動揺して見せた。
「そんな事、お前に分かるわけが・・・」
「分かるっつーの!他の男に乱暴されてんだぜ!涼風の命令でっ・・・うっ・・・」
「本当におしゃべりね?どこでそんな出鱈目を考えてるのかしら?」
「・・・うっ・・・・・・かはっ・・・ぁ・・・」
「さっきの話は本当なのですか?」
「なぁ~に?子供の嘘に動揺しないでよ!ちゃーんと部屋で監禁してるわよ?丁重にね。」
一層締め付けが強くなり力がこもる。
声を出そうにも苦しくて出てこない。
腕は押さえられているのでもがいても外れなかった。
ー助けてっ・・・嫌だっ、こんなところで死にたくないっ!ー
叫びたくても叫べない!
叫べたとしてもここには誰も助けてくれる人間はいなかった。
段々と酸欠になっていって意識が朦朧としてくる。
浮かぶのは綾音と七海の顔だけだった。
口を大きく開けて息を吸おうとするが空気が入ってこない。
痛みは麻痺してきて意識が無くなる瞬間後ろで物音が響いてきた。
かすれる意識の中に七海の姿を見た気がした。
深く混濁していく意識に飲み込まれるように力が抜けていった。


倉庫に駆けつけた七海の前には涼風がしおらしい姿で遼の首を締め付けていた。
握っていた拳銃を構えると涼風に向けていた。
「遼さんを離して下さい、さもないと貴方を撃ちますよ!」
「あらっ?七海じゃないの?生きていたのね?」
「離して下さい。今すぐに!」
笑いながら手を離すとぐったりして意識を失っていた遼は男達に支えられてただなすがままになっていた。
「彼らに離すように言ってください!」
「注文が多いのね?離してあげたらぁ?」
その言葉に男達は手を離すとその場に倒れ込んでいった。
そこへ走り込んでいくと遼の体を支えた。
意識はなく息もしていなかった。
愕然となり抱き締めると一緒についてきていた吉野が七海を引き離し脈を取ると心臓マッサージを試みた。
咄嗟の判断は流石医者であった。
伊達ではない。
数分間の処置のお陰か息を吹き返すと脈も戻っていた。
意識はないままだが一先ず安心できた。
あとはこの状況から抜け出せれば何も言うことはないのだが・・・。
吉野は今の状況が最悪の状態だと理解していた。
周りはこちらに拳銃を向けていて、こちらには七海の持っている一丁しかない状況なのだ。
部が悪いにも程がある状況だった。
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