好きか?嫌いか?

秋元智也

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第三十六話 後悔

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後孔の感覚が無くなってきて、快楽も我慢する事さえ忘れて声が
漏れていた。

(何も考えたくない…誰かここから連れ出してくれるなら誰でも
 いい、助けて…何してもいいから…いっそ、心さえ無ければた
 だ快感だけを感じて、楽しめたのかな?痛い…すっごく痛いよ)

意識を手放す前に、大和の顔が一瞬見えた気がした。
多分、幻覚だろうけど…それでもいい。心配そうな顔が見れただ
けでも…。
次第に薄れていく意識のなか温かいぬくもりに包まれた気がした。

大和 「守?おい!まもるー!」
宮野 「…。」

何か言いかけた宮野の側に耳を近づけるが聞き取れなかった。



遡る事、昼休憩後。
宮野に邪険にされて別館を出て、一回抜いた後に教室に向かっ
ていた。
空き教室を見つけると、そこには先客がいて声が漏れていた。
いつもなら、そのまま素通りするのだが何故か立ち寄るとドア
を開けた。
そこには先輩と後輩の女性が2人いたのだ。
何をしているかは衣服の乱れで分かる。
悲鳴を上げられたが、大和は注意すると後輩を先に教室へと
帰した。

大和 「ここ、結構見つかるよ?気をつけなきゃ。彼女傷つけ
    たくないでしょ?」
先輩 「…ありがと。そう言うあんたは歩く生殖器って言われ
    てるらしいけど、意外ね?」
大和 「あぁ、それは前まではね。俺さ本気で好きな子できた
    んだ~。」
先輩 「そっかぁー。それはいいことね。気をつけるわ。こんな
    ところその子に見つかったらやばいんじゃない?」
大和 「大丈夫。俺信頼されてっから」

そういうと一緒に教室を出て、授業をサボると少し話をした。
そのところを、偶然腹痛でトイレに駆け込んだ生徒に見られて
いたのだった。
帰り、宮野に声をかけようとすると、振り払われて帰ってしま
った。
結弦からは嫌味を言われ、なんの事か分からなかった。
部活が終わって電話しても全くかからなかった。
家にも帰っていない。
考えられるのは医者に行っているだろう事だった。
しかし、『本日休業』の文字。そこで電話を鳴らすと中で音
がして確信した。

行動は素早かった、ドンドン!と何度も叩いてチャイムを鳴
らす。
とにかく、くどいと思わせるくらい叩いた。
出る気がないのか近くコンクリートを持ち上げると、中から
白衣の先生らしき人が出てきた。

先生 「一体なんだい?今日は休みと書いたはずだが?」
大和 「急患でね…少しいいか?」
先生 「今、忙しいんだよ。手短に頼むよ?」
大和 「なら、宮野守はどこにいる?」
先生 「何の事かな?そんなくだらない事なら帰ってくれ。」

宮野の名前を出すと、眉を顰めた。
ただそれだけでいい、確信はある。思いっきり殴りかかると
奥へと向かった。
着信の鳴る方へ駆け出していた。
カーテンを開け宮野を見つけた。
見つけたが…一瞬息を止めた。

大和 「まもる…。守ーー!!」

近寄ると、拘束を解くと機械を止めて守の中から取り出す。
パンパンに膨れ上がったペニスは色が変色してきていて痛
そうだった。
少し戸惑ったが、クリップを外すと中から血の混じった液体
がどっと溢れでてきた。
ぐったりして意識が朦朧としているのだろう。
何か話しかけているようなので耳を近づけるが、聞こえなか
った。
ぎゅっと抱きしめると、後ろに来ていた白衣の男の殺意が湧
いていた。

大和 「何でこんな真似をした?」
先生 「何って?彼は男なら誰とでもヤるんだろう?なら俺と
    でもいいんじゃないか?そうだよ人数呼んで廻せばい
    い、きっと喜ぶよ。その身体は実によく受け入れるだ
    ろう?きっと調教されたんだろう?」
大和 「こいつは俺の物なんだよ!誰にも触れさせるかよ!」
先生 「そうかい?でも彼の身体は一人のじゃ満足しないだろ?」
大和 「何を言ってる?」
先生 「無理に広げるにしても、よく広がるんだよ?彼のそこは!
    2本くらい飲み込めるんじゃないか?いや、試したんじゃ
    ないのか?」
大和 「俺ので試したんだよ?俺の精子以外は受け付けねーんだよ!」
先生 「そうかい?でもこのまま帰ると後悔すると思うよ?」
大和 「ふざけんなよ!もう二度と来させねーよ!どけよ!」

宮野の身体にズボンを履かせ服をかけると抱き上げた。
流石に宮野の家には連れて行けない。だからといって大和の家も
結弦が帰っているはずで、何故か怒っていたし、連れていきずら
かった。
だからといって、このままにしてはおけなしチューブは刺さった
ままにはしておけない。
覚悟を決めて、大和の家に連れていくと、丁度玄関に結弦がいた。

結弦 「大和、お前また…!守に何しやがった?」

腕の中にいる宮野を見つけるとすごい剣幕で大和を壁に押し付けた。

大和 「守の顔色が悪いんだよ…それに早くこれ抜いてやらねーと」
結弦 「お前がやったのかよ?」
大和 「違う。身体が冷たくなって来てんだよ!」
結弦 「…まぁ、いい。風呂つけてくる」

それだけ言うと、後で事情を話せと言わんばかりの視線を投げてきた。
風呂が沸くまではリビングで抱きしめて少しでも温めてようとした。
風呂場に行くと全部脱がして、お湯の中にゆっくり付けた。
自分も一緒に入ると暫く抱きしめていた。
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