君と共に在りたい

秋元智也

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最近拓実の様子がどうにもおかしい。
どうおかしいかっていうと、体を重ねてる時に高揚感に混じってたまに暴走しそうになるくらいの何とも言えない感じがゾワゾワっとするときがある。
気持ち悪いとかじゃなくて微かに何かを抜かれてるような感覚。
普通じゃ気付かない程度なんだけどね。
俺には多少のことも敏感だから気になる。
そんな感じが最近ではめっきりしなくなったのだ。
それは拓実が生気を吸ってるいないということになるのだ。
俺としては生気を持っていかれている事に別に何とも思っていない。
むしろ遠慮でもして命を縮めているのではないかと不安になる。
吸わないとどうなるのか、とか気になる。
お腹が空くだけじゃないんだろうなぁ~。

最近大事件が発生した。上手く生気が吸えなくなってきている。
いつもならそんなに気にしなくても夜の閨での行為で肌から体全体に行き渡るように生気が入り込んでくる感じがして満たされるのに最近はそれがない。
このままじゃ、マジでヤバイ。
生気が吸えなくなれば栄養分を取り入れられないということになる。
ちゃんと普通の食べ物は食べてるけど、一向に満たされない。
段々と体力の低下も著しい。
このままいくとあと何ヵ月も持たない。
どうしよう?原因もわからないし、誰に聞けばいいかもわからない。
徐々に気が滅入ってくる。
一日中ごろごろしながら体力の温存してみるが効果はあまりない。
どうしたもんかな?寛貴に話すべきか、、、

「拓実。ちょっと聞きたい事が有るんだけど?」
「ひゃう、、、、いきなり、な、なんだよ」
「何か隠してるでしょう?」
「か、隠してなんか、、、いない」
「最近ってちゃんと生気吸ってる?なんか余り前に比べて吸われてる気がしないんだけど?」
「あぁ、この間大量に吸っておいたからそれで賄えてるんだ」
「ふ~ん。俺の事を殺さない為とか言って控えてる訳じゃないんだ?」
「俺が、遠慮なんかするかよ」
「そっか、それならいいけど」
なんか腑に落ちないという顔をしたがそれ以上は聞いてこなかった。
何とかしなきゃ。
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