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第十九話 無自覚
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写真を撮りながら終始嬉しそうで裕之にとっては何故そこまで
喜ぶのか理解できていなかった。
まさか、ネットで拡散されて、腐女子達のバイブルになるとは
知りようはずもなかった。
美桜 「よし!隆盛、裕之の横に立って!」
隆盛 「もう、ひろも疲れてるしいいだろ?どれだけ付き合
わせるんだよ!」
美桜 「もうちょっとよ!ほら、早くしなさい。」
おとなしく隆盛が裕之の横に立つと、ポーズの指示が飛ぶ。
美桜 「右手で裕之くんの腰を抱いて、そのまま引き寄せて
から、左手で肩を抱き寄せる!」
裕之 「へっ…/////」
隆盛 「はぁ~。よっと」
美桜 「そのまま裕之くんは力抜いてね。隆盛絶対に離しちゃ
ダメよ。」
隆盛 「はいはい。」
美桜 「そのまま裕之くんは背を逸らして…もうちょっと、うん、
そのくらいでおっけ。そしたら隆盛は首筋に顔を近づけ
て行って…もうちょっとギリギリまでね。そこでストッ
プ!」
パシャ。パシャ。パシャ。
と連続でシャッターを押される。
隆盛 「そろそろいいか?腕がピリピリしてきた…」
裕之 「ごめん、重いよね?…ひゃっ!」
隆盛 「あっ…ごめっ!」
ギリギリで息が当たるくらい近い距離が少しずれただけで首筋に
触れると甘い声が漏れていた。
それだけで理性など吹き飛びそうなほど密着した下半身が硬くな
っていくのが分かる。
今隆盛は、裕之の身体に密着している股間があきらかにおかしい
くらい膨れ上がっている。
きっと裕之も気づいているだろう。
生理現象として納めるには少し厄介な状況だった。
前で喜んで歓喜をあげていた姉が、即座に状況に気付いてくれて
いた。
美桜 「はい!ストーープ!離れて!隆盛部屋から出てって!
裕之くんマジ萌え感謝だよ!ありがとね!明日から
隆盛を好きに使っていいわよ」
裕之 「いえ、そんな…。」
春花 「もう、着替えて来ていいわよ。ありがとう!」
晴翔 「もう、二次元がリアルになるなんて奇跡だぁぁぁーー!」
春花 「それな!」
美桜 「もう、夏コミの表紙これで決まりでしょ?もちろん春花
やってくれるよね!」
春花 「もちろん!任せて!」
晴翔 「絶対に買いに行きます!」
盛り上がってる間に裕之は着替えに行き、メイクを落としに
風呂場へと向かった。
さっぱりして帰って来る途中でトイレから出てきた隆盛と鉢合
わせになった。
裕之 「あっ…大丈夫だった?あの…あれがさ…」
隆盛 「あぁ…うん…平気だから。ごめん。」
裕之 「あははっ。生理現象だし仕方ないよ」
隆盛 「あのさ、ひろだけだから…女性じゃ反応しないから…」
裕之 「…!!/////」
それだけ言うと、姉のいる部屋へと先にかけて行ってしまった。
残された裕之は耳まで真っ赤にすると、その場に座り込んだ。
裕之 「うそっ…やだっ…心臓の音がうるさ過ぎっ…」
全身が熱くてみんなのところに戻る事ができずに自分の部屋の
方に戻って来るとそのままベッドに横になった。
枕を抱きしめると顔を埋めた。
隣の部屋では大いに盛り上がっていて、裕之が帰って来ない事に
いまだに気づいていなかった。
隆盛 「ひろ、遅くないか?」
晴翔 「あー。そういえば…!」
春花 「あら?呼んでくるわ」
美桜 「いってら~」
そう言って一階へと見に行ったが、いなかったのでそのまま
裕之の部屋へとノックしたが、返事がなく、こっそりと中を
のぞいた。
そこにはベッドで横になってすやすやと寝息を立てて寝てい
る姿を見つけると、起こさない様に毛布をかけておいた。
美桜 「春花~どうだった?」
春花 「隣で寝ちゃってたわ。下に降りよう!ここで騒い
でたら起こしちゃいそうだし。」
美桜 「おっけ!隆盛あんたは隣の部屋に行ってきな!
添い寝でもしてきなさい!」
隆盛 「あのな~。寝てるなら余計やばいだろ!」
美桜 「ふ~ん?誰も襲えなんて言ってないのに~」
隆盛 「!!」
春花 「まぁまぁ、下行くよ!みんなで!」
春花に促され、4人は一階のリビングに場所を移した。
お茶とお菓子を広げながら雑談を始める。
そのうち、オヤジの話題になりオジとヤジとして活動している
二人の新刊の話へと移っていく。
晴翔 「今回の新刊楽しみにしてますよ!」
美桜 「任せてよね!今回は春花がやる気は満々でしょ?これ
以上ないくらいにサンプル画像が多いから想像膨らむ
よね~」
春花 「そうだよね~、テレビの玉×清のシーン多かったもんね」
晴翔 「あそこで、清だけ潜入するとかマジ神回だった~」
春花 「だよね~。玉が駆けつけるシーンよかった~」
美桜 「やっぱり最後に駆け寄って抱きしめての首筋に歯を立て
るんだよね!あれはマジで昇天しそうだったわ」
隆盛 「なんで噛むんだ?ってか、それってどうなってんだよ?」
晴翔 「あー。玉はバンパイアなんだよ。人間の清春に惚れるん
だけど、眷属にはしなくてね、でも今回で傷ついた清春
を治す為に血を飲むんだよ」
春花 「きゃーー!素敵だよね~」
隆盛 「???」
見ていないアニメを説明されても、そのテンションにはついていけ
なかった。前に描いたと言われる薄い本を晴翔が取り出すと見せて
くれた作者名に『オヤジ』と書かれていた。
春花 「あー。懐かしい、去年の夏コミの時のやつじゃん」
美桜 「あの時は結構ギリギリまでできなくて、前日に滑り込み
したんだよね~」
春花 「そうそう。結構ガチで色々入れすぎたよね~」
美桜 「そうそう、まさか2期がやるとおもわなかったから、今年
も描けるとは思わなかったもんね、あの時は…」
春花 「それな!」
渡されたのをパラパラと見ると、最初は漫画が続き、そのあとは小説
が続いていた。
漫画の方は見やすいので見ているとその中の清春が裕之に見えて来て
仕方がなかった。
漫画の清春は可愛らしいが男っぽい性格なのだが、玉藻に毎回甘やか
され、夜には蕩かされ乱れまくる。
嫌がりながらも玉藻を受け入れる姿が印象的で、ついさっきの裕之を
重ねてしまうと顔が熱くなって来た。
さっき落ち着かせたモノが反応してしまう。
横でニヤニヤしている晴翔を見て、本を即座に閉じたのだった。
喜ぶのか理解できていなかった。
まさか、ネットで拡散されて、腐女子達のバイブルになるとは
知りようはずもなかった。
美桜 「よし!隆盛、裕之の横に立って!」
隆盛 「もう、ひろも疲れてるしいいだろ?どれだけ付き合
わせるんだよ!」
美桜 「もうちょっとよ!ほら、早くしなさい。」
おとなしく隆盛が裕之の横に立つと、ポーズの指示が飛ぶ。
美桜 「右手で裕之くんの腰を抱いて、そのまま引き寄せて
から、左手で肩を抱き寄せる!」
裕之 「へっ…/////」
隆盛 「はぁ~。よっと」
美桜 「そのまま裕之くんは力抜いてね。隆盛絶対に離しちゃ
ダメよ。」
隆盛 「はいはい。」
美桜 「そのまま裕之くんは背を逸らして…もうちょっと、うん、
そのくらいでおっけ。そしたら隆盛は首筋に顔を近づけ
て行って…もうちょっとギリギリまでね。そこでストッ
プ!」
パシャ。パシャ。パシャ。
と連続でシャッターを押される。
隆盛 「そろそろいいか?腕がピリピリしてきた…」
裕之 「ごめん、重いよね?…ひゃっ!」
隆盛 「あっ…ごめっ!」
ギリギリで息が当たるくらい近い距離が少しずれただけで首筋に
触れると甘い声が漏れていた。
それだけで理性など吹き飛びそうなほど密着した下半身が硬くな
っていくのが分かる。
今隆盛は、裕之の身体に密着している股間があきらかにおかしい
くらい膨れ上がっている。
きっと裕之も気づいているだろう。
生理現象として納めるには少し厄介な状況だった。
前で喜んで歓喜をあげていた姉が、即座に状況に気付いてくれて
いた。
美桜 「はい!ストーープ!離れて!隆盛部屋から出てって!
裕之くんマジ萌え感謝だよ!ありがとね!明日から
隆盛を好きに使っていいわよ」
裕之 「いえ、そんな…。」
春花 「もう、着替えて来ていいわよ。ありがとう!」
晴翔 「もう、二次元がリアルになるなんて奇跡だぁぁぁーー!」
春花 「それな!」
美桜 「もう、夏コミの表紙これで決まりでしょ?もちろん春花
やってくれるよね!」
春花 「もちろん!任せて!」
晴翔 「絶対に買いに行きます!」
盛り上がってる間に裕之は着替えに行き、メイクを落としに
風呂場へと向かった。
さっぱりして帰って来る途中でトイレから出てきた隆盛と鉢合
わせになった。
裕之 「あっ…大丈夫だった?あの…あれがさ…」
隆盛 「あぁ…うん…平気だから。ごめん。」
裕之 「あははっ。生理現象だし仕方ないよ」
隆盛 「あのさ、ひろだけだから…女性じゃ反応しないから…」
裕之 「…!!/////」
それだけ言うと、姉のいる部屋へと先にかけて行ってしまった。
残された裕之は耳まで真っ赤にすると、その場に座り込んだ。
裕之 「うそっ…やだっ…心臓の音がうるさ過ぎっ…」
全身が熱くてみんなのところに戻る事ができずに自分の部屋の
方に戻って来るとそのままベッドに横になった。
枕を抱きしめると顔を埋めた。
隣の部屋では大いに盛り上がっていて、裕之が帰って来ない事に
いまだに気づいていなかった。
隆盛 「ひろ、遅くないか?」
晴翔 「あー。そういえば…!」
春花 「あら?呼んでくるわ」
美桜 「いってら~」
そう言って一階へと見に行ったが、いなかったのでそのまま
裕之の部屋へとノックしたが、返事がなく、こっそりと中を
のぞいた。
そこにはベッドで横になってすやすやと寝息を立てて寝てい
る姿を見つけると、起こさない様に毛布をかけておいた。
美桜 「春花~どうだった?」
春花 「隣で寝ちゃってたわ。下に降りよう!ここで騒い
でたら起こしちゃいそうだし。」
美桜 「おっけ!隆盛あんたは隣の部屋に行ってきな!
添い寝でもしてきなさい!」
隆盛 「あのな~。寝てるなら余計やばいだろ!」
美桜 「ふ~ん?誰も襲えなんて言ってないのに~」
隆盛 「!!」
春花 「まぁまぁ、下行くよ!みんなで!」
春花に促され、4人は一階のリビングに場所を移した。
お茶とお菓子を広げながら雑談を始める。
そのうち、オヤジの話題になりオジとヤジとして活動している
二人の新刊の話へと移っていく。
晴翔 「今回の新刊楽しみにしてますよ!」
美桜 「任せてよね!今回は春花がやる気は満々でしょ?これ
以上ないくらいにサンプル画像が多いから想像膨らむ
よね~」
春花 「そうだよね~、テレビの玉×清のシーン多かったもんね」
晴翔 「あそこで、清だけ潜入するとかマジ神回だった~」
春花 「だよね~。玉が駆けつけるシーンよかった~」
美桜 「やっぱり最後に駆け寄って抱きしめての首筋に歯を立て
るんだよね!あれはマジで昇天しそうだったわ」
隆盛 「なんで噛むんだ?ってか、それってどうなってんだよ?」
晴翔 「あー。玉はバンパイアなんだよ。人間の清春に惚れるん
だけど、眷属にはしなくてね、でも今回で傷ついた清春
を治す為に血を飲むんだよ」
春花 「きゃーー!素敵だよね~」
隆盛 「???」
見ていないアニメを説明されても、そのテンションにはついていけ
なかった。前に描いたと言われる薄い本を晴翔が取り出すと見せて
くれた作者名に『オヤジ』と書かれていた。
春花 「あー。懐かしい、去年の夏コミの時のやつじゃん」
美桜 「あの時は結構ギリギリまでできなくて、前日に滑り込み
したんだよね~」
春花 「そうそう。結構ガチで色々入れすぎたよね~」
美桜 「そうそう、まさか2期がやるとおもわなかったから、今年
も描けるとは思わなかったもんね、あの時は…」
春花 「それな!」
渡されたのをパラパラと見ると、最初は漫画が続き、そのあとは小説
が続いていた。
漫画の方は見やすいので見ているとその中の清春が裕之に見えて来て
仕方がなかった。
漫画の清春は可愛らしいが男っぽい性格なのだが、玉藻に毎回甘やか
され、夜には蕩かされ乱れまくる。
嫌がりながらも玉藻を受け入れる姿が印象的で、ついさっきの裕之を
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横でニヤニヤしている晴翔を見て、本を即座に閉じたのだった。
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