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第二十二話 未来を思って
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意識が戻ったのは明け方だった。
身体中がギシギシと痛んで起き上がるのも一苦労だった。
喉が乾いて声も枯れて出てこない。
(あれ?昨日どうしたんだっけ…りゅうが来て…)
寝ぼけた頭で考えても思いだせずまずは起き上がろうとしたが全身筋肉痛
にでもなったかのように動かない。
側にある温もりに気づくとペタペタと触れてみる。
誰かが横で寝ている?
温かいそれに擦り寄ると動き出して電気がついた。
隆盛 「起きたか?ひろ…?」
裕之 「……」
水が欲しい…そう伝えたくても声が出てこない。
口をパクパクと動かすと、気付いたのかペットボトルを取って口に含んだ。
隆盛じゃなくて、僕が欲しいの!と言いたいが声にならない。
すると、近づいてきて口移しに緩くなった水が口の中に広がった。
必死に飲み込もうと隆盛を求めると次いで2口目と何度もキスをする様に水
を運んでくれた。
隆盛 「もっといるか?」
裕之 「…なんでこんな…!?」
昨日の事を聞こうとして隆盛から離れて始めて気がついたのだが、今裕之は
全裸のままだったのだ。
電気がついたせいで何も着ていない事に困惑し、布団を引き寄せた。
裕之 「な…なんで…?」
隆盛 「ひろ…?昨日の事…覚えてるか?」
裕之 「昨日…?」
考えても、思い出せない。何か出てきそうなのだが、きっかけがないと出て
こないみたいだった。
側にあったラップに包まれたおにぎりを取ると隆盛はベッドまで持ってきて
くれた。
隆盛 「食べるだろ?」
裕之 「うん…ありがとう」
ゆっくり食べながら考えるが隆盛が来たあたりから記憶があやふやになって
いた。
(なんか食べさせて貰うのって恥ずかしいな…ん?そういえば…昨日って…)
隆盛が家に来て、オナニーを手伝ってやるって言われて…それから…?
お尻が痛いのもきっと酷使したせいだろう。
ゆっくり考えながら咀嚼していると、隆盛の指までぺろりと舐めた。
その時の反応がやけにリアルに見えた。
隆盛の股間を直視して…それから…生暖かいものを口に入れた気がする。
入れながら上を見上げると、真っ赤になった隆盛の顔があったのを思い出す。
腕にはうっすらと赤い痕が両腕に残っている。
よく見れば身体中にキスマークがつけられ、乳首がヒリヒリしている。
(ナニをした?いや、もうわかってる…ヤったんだ、昨日。しかもいつもみた
いにじゃない、どうかしてるんじゃないかというくらい隆盛を求めてた。身体
が悲鳴をあげててもそれでも、求めていた。後孔が疼いて熱くて、止まらなか
ったんだ!まるで体を乗っ取られたみたいな感覚がして求め続けた。あんなの
僕じゃない!)
裕之 「りゅう…ごめん。昨日はどうかしてたんだと思う。」
隆盛 「謝るのはこっちの方だ。媚薬がこんなにひどい事になるなんて…」
裕之 「ん?媚薬…?」
隆盛 「あぁ、先生から貰ったやつなんだが、ひろの中に直接出されたせいで…」
裕之 「う…そ…。僕がおかしくなったのって…」
隆盛 「拘束したのも、口を塞いだままシタのも、悪かったと思ってる。でも、
あのまま喘がせてたら家族にバレてたし…」
裕之 「あわわわっ!いいから、気にしないからっ!まだヤっちゃいけなかった
のに、僕は…っっっっ!」
真っ赤になって布団の中に潜った。
隆盛 「あー。それなら痛みも引いてたし…それにひろの口の中も…よかったし
理性保つなんて無理だ!俺が無理やりしたんだし、ひろが悪い訳じゃな
いからな!」
裕之 「もう、忘れよう!うん、僕も忘れるから!」
隆盛 「嫌だ!ひろからあんなに求められたのなんて初めてなんだぞ?忘れられ
ねーよ。」
布団に潜り込んでくると、素肌を手でなぞっていく。
少し触れただけでも、身体は素直に反応してしまう。
裕之 「りゅう…もう、無理だから…本当にっ!んっ…」
隆盛 「触れるだけだから。これ以上無理はさせないから…触れさせて?ひろの
事全部。」
何も纏っていない姿を抱きしめられるとドキドキして眠れそうになかった。
ただ触れるだけと言われても、身体は次第に熱くなっていく。
真横で見つめられると恥ずかしくて視線を逸らすと、追って来るように唇に触れ
るだけのキスがなんども落ちてくる。
もちろんそれだけで済まず、舌が割入ってきて口内を蹂躙する。
裕之 「んぅっ…ふぁっ!…やっ…待って…勃っちゃう」
隆盛 「いいよ、出して…」
裕之自身に手を伸ばすとゆっくりと触れると扱きあげる。
身体中を痙攣するように電気が走り、布団の中でイってしまった。
ゴムがはめられていて、外に出ることはなかったし、出てくる液体はなかった。
イった感覚だけ味わって、静かに寝息に変わった。
隆盛 「ごめんな?疲れてるよな…今度はちゃんとホテル取ってやろうな?」
裕之が聞こえていないのを知っていて、耳元で囁いていた。
大学も決まり、隆盛と同棲する事を親に報告しようとしていた。
裕之 「父さん、大学の側でアパート借りようと思ってるんだけど。バイトもす
るから、いいかな?隆盛も一緒に住む予定なんだけど…。」
父 「うーん、家からじゃ通えないのか?」
春花 「いいじゃない?裕之だって男の子よ、友達とルームシェアするのもいい
経験よ。」
母 「そうねー。隆盛くんって美桜ちゃんの弟くんでしょ?しっかりしてる子だ
し、いいと思うわ。あなた~?」
父 「お前らがそこまで言うなら…学費とアパート代は出す、ただし遊び金くら
いは自分でなんとかしろよ!」
裕之 「ありがとう。うん。もちろん。」
父 「あんまり外食ばっかりするなよ?まぁ裕之なら器用だから自炊するか?」
裕之 「お弁当も今も作ってるし、平気だよ。」
父 「そうだったな…」
小声で母にありがとうと感謝する春花の姿があった。
身体中がギシギシと痛んで起き上がるのも一苦労だった。
喉が乾いて声も枯れて出てこない。
(あれ?昨日どうしたんだっけ…りゅうが来て…)
寝ぼけた頭で考えても思いだせずまずは起き上がろうとしたが全身筋肉痛
にでもなったかのように動かない。
側にある温もりに気づくとペタペタと触れてみる。
誰かが横で寝ている?
温かいそれに擦り寄ると動き出して電気がついた。
隆盛 「起きたか?ひろ…?」
裕之 「……」
水が欲しい…そう伝えたくても声が出てこない。
口をパクパクと動かすと、気付いたのかペットボトルを取って口に含んだ。
隆盛じゃなくて、僕が欲しいの!と言いたいが声にならない。
すると、近づいてきて口移しに緩くなった水が口の中に広がった。
必死に飲み込もうと隆盛を求めると次いで2口目と何度もキスをする様に水
を運んでくれた。
隆盛 「もっといるか?」
裕之 「…なんでこんな…!?」
昨日の事を聞こうとして隆盛から離れて始めて気がついたのだが、今裕之は
全裸のままだったのだ。
電気がついたせいで何も着ていない事に困惑し、布団を引き寄せた。
裕之 「な…なんで…?」
隆盛 「ひろ…?昨日の事…覚えてるか?」
裕之 「昨日…?」
考えても、思い出せない。何か出てきそうなのだが、きっかけがないと出て
こないみたいだった。
側にあったラップに包まれたおにぎりを取ると隆盛はベッドまで持ってきて
くれた。
隆盛 「食べるだろ?」
裕之 「うん…ありがとう」
ゆっくり食べながら考えるが隆盛が来たあたりから記憶があやふやになって
いた。
(なんか食べさせて貰うのって恥ずかしいな…ん?そういえば…昨日って…)
隆盛が家に来て、オナニーを手伝ってやるって言われて…それから…?
お尻が痛いのもきっと酷使したせいだろう。
ゆっくり考えながら咀嚼していると、隆盛の指までぺろりと舐めた。
その時の反応がやけにリアルに見えた。
隆盛の股間を直視して…それから…生暖かいものを口に入れた気がする。
入れながら上を見上げると、真っ赤になった隆盛の顔があったのを思い出す。
腕にはうっすらと赤い痕が両腕に残っている。
よく見れば身体中にキスマークがつけられ、乳首がヒリヒリしている。
(ナニをした?いや、もうわかってる…ヤったんだ、昨日。しかもいつもみた
いにじゃない、どうかしてるんじゃないかというくらい隆盛を求めてた。身体
が悲鳴をあげててもそれでも、求めていた。後孔が疼いて熱くて、止まらなか
ったんだ!まるで体を乗っ取られたみたいな感覚がして求め続けた。あんなの
僕じゃない!)
裕之 「りゅう…ごめん。昨日はどうかしてたんだと思う。」
隆盛 「謝るのはこっちの方だ。媚薬がこんなにひどい事になるなんて…」
裕之 「ん?媚薬…?」
隆盛 「あぁ、先生から貰ったやつなんだが、ひろの中に直接出されたせいで…」
裕之 「う…そ…。僕がおかしくなったのって…」
隆盛 「拘束したのも、口を塞いだままシタのも、悪かったと思ってる。でも、
あのまま喘がせてたら家族にバレてたし…」
裕之 「あわわわっ!いいから、気にしないからっ!まだヤっちゃいけなかった
のに、僕は…っっっっ!」
真っ赤になって布団の中に潜った。
隆盛 「あー。それなら痛みも引いてたし…それにひろの口の中も…よかったし
理性保つなんて無理だ!俺が無理やりしたんだし、ひろが悪い訳じゃな
いからな!」
裕之 「もう、忘れよう!うん、僕も忘れるから!」
隆盛 「嫌だ!ひろからあんなに求められたのなんて初めてなんだぞ?忘れられ
ねーよ。」
布団に潜り込んでくると、素肌を手でなぞっていく。
少し触れただけでも、身体は素直に反応してしまう。
裕之 「りゅう…もう、無理だから…本当にっ!んっ…」
隆盛 「触れるだけだから。これ以上無理はさせないから…触れさせて?ひろの
事全部。」
何も纏っていない姿を抱きしめられるとドキドキして眠れそうになかった。
ただ触れるだけと言われても、身体は次第に熱くなっていく。
真横で見つめられると恥ずかしくて視線を逸らすと、追って来るように唇に触れ
るだけのキスがなんども落ちてくる。
もちろんそれだけで済まず、舌が割入ってきて口内を蹂躙する。
裕之 「んぅっ…ふぁっ!…やっ…待って…勃っちゃう」
隆盛 「いいよ、出して…」
裕之自身に手を伸ばすとゆっくりと触れると扱きあげる。
身体中を痙攣するように電気が走り、布団の中でイってしまった。
ゴムがはめられていて、外に出ることはなかったし、出てくる液体はなかった。
イった感覚だけ味わって、静かに寝息に変わった。
隆盛 「ごめんな?疲れてるよな…今度はちゃんとホテル取ってやろうな?」
裕之が聞こえていないのを知っていて、耳元で囁いていた。
大学も決まり、隆盛と同棲する事を親に報告しようとしていた。
裕之 「父さん、大学の側でアパート借りようと思ってるんだけど。バイトもす
るから、いいかな?隆盛も一緒に住む予定なんだけど…。」
父 「うーん、家からじゃ通えないのか?」
春花 「いいじゃない?裕之だって男の子よ、友達とルームシェアするのもいい
経験よ。」
母 「そうねー。隆盛くんって美桜ちゃんの弟くんでしょ?しっかりしてる子だ
し、いいと思うわ。あなた~?」
父 「お前らがそこまで言うなら…学費とアパート代は出す、ただし遊び金くら
いは自分でなんとかしろよ!」
裕之 「ありがとう。うん。もちろん。」
父 「あんまり外食ばっかりするなよ?まぁ裕之なら器用だから自炊するか?」
裕之 「お弁当も今も作ってるし、平気だよ。」
父 「そうだったな…」
小声で母にありがとうと感謝する春花の姿があった。
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