INNOCENT BOY

秋元智也

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67話 幸せの定義

部屋に入ると、キッチンへと向かう。
携帯をチラリと覗くと、もう向かっているのがわ
かった。

急いで食事の準備をしておかないと…。
浅緋は最近、お惣菜ばかりではなく、ちゃんと
作る事が多くなった。

始めて春陽と二人暮らしを始めた時はよく作って
いた。
だが、時間が合わなくなるうちに惣菜で済ませて
しまうようになって行ったのだった。

だが、今は好きな人の為に作りたいと思うように
なっていた。

難しいものは無理でも、簡単なものならできる。

炒めたり、煮込んだり。
作り終えると、すぐにシャワーを浴びた。

疲れた蓮城を癒してあげたい。
そう思うと、つい風呂場のジェルに手を伸ばす。

しっかり解していると、前も次第に反応してしま
う。

水音に混じって声がもれる。

「んっ……はぁ、はぁ、あっ……」

指だけでは届かない場所にもしっかりと届くよう
にと風呂場には玩具が置いてある。

それを手に取るとジェルで滑りけを与えてナカへ
と埋め込んだ。

ここの壁は防音もしっかりしているので、音が漏
れる心配はない。

蓮城が最初に浅緋を招き入れた時に言っていた。

浅緋は夢中になっていると、つい玄関の開く音を
聞き逃していた。



部屋の主は、キッチンへと行くと、出来上がって
いる料理を見て、誰もいない事に気づき寝室へと
向かう。
そして、風呂場へと来ていた。

中から漏れる声に、ネクタイを緩めるとスルッと
服を脱ぐ。

風呂場の扉を開けると、夢中になっていた浅緋が
ハッとして振り向いて来たのだった。

「そんなに玩具に夢中なのかい?」
「真琴さっ……」
「もう、こんなになって……俺と玩具どっちがい  
 いのかな?」
「そんな………意地悪っ…」
「はははっ…そうだね。浅緋は俺のが奥に当たる
 時、すっごくいい顔をするんだもんね」

蓮城の言葉に、真っ赤になると、玩具が手から滑
り落ちていた。

シャツを脱ぎ捨てると、中へと入る。
浅緋の濡れた肌に触れると、しっとりしていて、
細い腰は湿って色っぽく感じた。

「食事の前に誘ってるのか?」
「ちがっ………ご飯食べてから…僕もどうかなと」

最後は恥ずかしそうに小声になったが、間近にい
たせいで蓮城には聞こえていたのだった。

今日は可愛らしく誘う浅緋に蓮城は今すぐに食べ
たい方へと手を出した。

ここまでいやらしい姿を晒しておいて、おあずけ
にするなどもったいなかったからだ。

風呂場で散々頂くと、一緒に出てキッチンへと向
かった。

ご飯を盛ると、恥ずかしそうにしている浅緋が実
に可愛くて仕方がなかった。

「今日は俺の恋人からのサービスが良くて嬉しい
 んだけど?」
「なっ……サービスって……」

慌てるところも可愛い。
真っ赤になってふくれているのは分かるが、まるで
それさえも可愛くて怒っているとは思えなかった。

「今日も一緒に寝てくれる?」
「……これ以上は無理ですからね…」
「分かってる、分かってる。ちょっと抱きしめるだ 
 けだよ」

実際抱きしめるだけでは終わらなかったが、それで
もこんな風に甘えられる事に、喜びを感じていた。

今日、浅緋が会った女性はきっと自分の息子には幸
せになって欲しいと思って、自分が思う幸せを押し
付けたのだろう。

相手にとっての幸せは、きっと自分にとってだけで
はダメなのだ。
相手が本当に望む事をしてあげられる事が、きっと
お互いがいい関係でいられる事なのだと思う。

「真琴さん……真琴さんの幸せって……なに?」
「ん?……そうだな……」

ベッドに横になると、くっついたまま聞いてみた。

もちろん、浅緋にとっての幸せは今この瞬間が続
く事だ。

「浅緋にとっては、どんな時が幸せだと思うの?」
「僕は……真琴さんと一緒にいられればそれで……
 でも、それって僕の我儘だし……」

フッと上から笑うような息が漏れた。

「浅緋は本当に可愛いいよ。俺にとって幸せは君
 だよ。浅緋がずっと俺の腕の中で笑っていられ
 る事。それが俺には幸せなんだ」
「僕が笑ている?それだけ?」
「もちろん、色々あるよ?色っぽい浅緋が可愛く
 強請る姿や、イク時に見せる色っぽい顔や……」
「もういいですっ!」
「そう?俺はいつだって浅緋が一番なんだよ?嫉妬
 してくれるのは嬉しいけど、俺の事も信じて欲し
 いかな……」

ハッとして振り返った。
蓮城の顔を見て、嘘など言っていない事に気づく。

「僕も……です。真琴さんと、死ぬまでずっと一緒
 がいい……//////」

蓮城の胸に顔を埋めると、照れくさそうにぐりぐり
と頬を擦り合わせた。

下の方に硬いモノが当たっているのだが、知らぬふ
りをしながら目を閉じたのだった。




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