僕を抱いて下さい

秋元智也

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36 刻みつけられた悪夢

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気づけば、真っ白になった頭で無意識に叫んでいた。
強すぎる刺激に呼吸も出来ず、意識が飛びそうになる。
しかし、慣れた手つきでギリギリを彷徨うような動きを調節され、それすら許さ
れなかった。

 涼介 「ッーーーーー」

喉を仰け反らせ目も喉も開いたまま、何度目になるか分からない絶頂を迎えて
いた。
男がようやくソレを抜いたときには感覚が麻痺した性器からはダラダラと白濁
した液体が流れ続けていた。

 涼介 「ぁ……ッ…ァぐ……」

脱力した筋肉が後孔を緩め、動いていたローターを吐き出す。
同時にドプドプッ と後孔から白濁色の液が溢れてきていた。
どうしようもない疲労感にぐったりして目を閉じる。

 男  「なに休んでるんだ?まだまだこれからだろ?」
 涼介 「ッ……」

乱暴に髪を掴まれ、力の入らない身体を無理やり引き起こされた。
あぐらをかいた男の上に座らされたと思った時には、勃ちあがったソレの先端
を後孔に宛てがわれていた。

 涼介 「待っーーーー!!」

後ろでを拘束されると受け身も取れず凶器が後孔を満たしていく。
自分の体重を支え様にも足には力が入らず、無常にも性器を最奥へと突き入れ
られた。

 涼介 「ぁあ゛ッ………!!」

力が入らないせいで、与えられる衝撃にぐらりとバランスを崩す。
男に寄りかかる様に前に倒れ込み、目の前にあった肩に衝突しその際、歯を
立ててしまった。
ビクッ と男の身体が跳ねた。

その一瞬後にはくっきりと残った歯形から恐る恐る視線を上げると、男の顔
からは加虐に満ちた目光った気がした。

 男  「わざとか?それとも…もっと欲しかったのか?」

満面の笑みを浮かべる男に、心臓が嫌な音を立てていた。

それからは朝になるまで何度も意識を手放しては、無理やり引き戻され、痛み
と快楽を彷徨った。
途中で薬を追加で飲まされたが延々と行為は続けられ、やがて限界を迎え、深
く意識が沈むと、もう何をされても目を醒さなかった。

深く息を吐き出し、ぐったりとベッドの上で動かなくなった涼介を見下ろすと、
わずかに浅く上下する胸は弱々しい。

 男  「今回はたっぷり楽しめたな。また呼んでくれよっ!」
 平山 「今度躾ける時は、また頼むよ。」
 男  「俺はこいつがいいな…貰っちゃダメか?」
 平山 「だーめ。俺のオモチャなんだから。もし壊れちゃったら連絡するよ」
 男  「いつでも待ってるぜ」

ベタベタと何の液体か分からない体液が身体に纏わりついているのが気持ち悪い
のか、男はシャワーを浴びにいった。

朝、目を覚ますと全身に激痛が走った。
身体を起こすのすら苦痛で尻から流れ出てくる液体も気持ち悪かった。
全身についた精液がカピカピに固まっていて、シャワーを浴びてスッキリしたかった。

 平山 「起きた?シャワーはそこの奥だよ。昨日は煽られて良かった?今日はゆっ
     くりするといいよ。でも、呼んだらすぐにくる事。じゃないと昨日撮った
     やつ、流しちゃうよ?」
 涼介 「…っ……」

悔しさを堪え、這う様にシャワー室に入った。
暖かいお湯を浴びながら自分の選択を呪ったのだった。

その日を境に平山に呼ばれるたびに、犯され続けた。
精液の味を覚えさせられ、身体は平山を見るだけでムズムズしてきて毎回錠剤を飲ま
されると、女性との行為をその後ろから平山はじっと眺めてくる。
途中から涼介の尻を弄ると煽ってくる。
前も後ろも存分に慣らされ続けるとどっちも弄らないとイけなくなってしまった。
勉強の合間に呼び出される。最初の時にきた男は二度と顔を出す事はなかった。
あの極太のモノを飲み込まされた時は気が狂いそうになったが、それに比べたら
まだ、ましとしか思えなかった。
そんな毎日も平山先輩の卒業と共に、ぴたりとやんだ。
サークルも解散され、それ以降見た覚えはない。

その頃には涼介の身体は後ろに入れてほしくて抑制が効かなくなっていた。
薬はもう飲んでいなくても禁断症状みたいに部屋で自分の尻にディルドを入れいて
慰めるようになっていた。
大学を無事卒業し、就職した先でも女性を好きになれず、自慰行為はやめられなか
った。

狂ったような大学時代を思い返しながら新たな就職先へと辿りついた。
東京ではうまくやっていたつもりだったが、この性癖は周りには受け入れ難いよう
だった。

東京を追われる様に出て、愛知に来たけど今度こそは平穏に生きると心に決め、新
たな人生を踏み出した。

会社はそんなに大きくはないが、社員達も親切で雰囲気も良かった。
何より独身者が少ない為か、言い寄ってくる女性もいなかった。
もちろん涼介は顔だけはイケメンなので男性から言い寄られる事も少なからずあった
が、こっちに来てからはなかった。
いつも仏頂面で愛想が無い様に振る舞っていたが、愛知に来てからは普通に笑って話
すようになった。
秋野康。彼はこっちに来てから知り合った同僚だ。
面倒見が良く世話焼きで、、とにかく良く喋る。

 秋野 「今日も残業だよ~。なぁ荒川は終わりそうか?」
 涼介 「あぁ、なんとかな。手伝ってやろうか?」
 秋野 「マジ?助かる~飯奢るから頼むわ」
 涼介 「じゃ~。味噌カツな!」
 秋野 「おっけおっけ。ヤバトン行こうぜ」

いつも要領が悪いのか、時間までに終わらないみたいだった。
涼介は慣れたもので二ヶ月もすれば、仕事も覚え開発の方からも声がかかっていた。

 秋野 「荒川ってなんだかんだ言ってなんでも器用だよな~。顔もいいし、仕事も
     できるって…しかも、可愛い彼女いるんだろ?」
 涼介 「いないよ。」
 秋野 「東京で付き合ってた子いないのかよ~」
 涼介 「…いない…かな?」

 (男とは性的な意味では付き合ってたけど…これってノーカンだよな…ふつう)

 秋野 「マジか~選びたい放題だろ?」
 涼介 「そんな事ないって。ほらっ手を動かさないと時間までに終わらないぞ」
 秋野 「へーい。俺も荒川みたいなイケメンに産まれたかったぜ。そうすりゃ
     女抱き放題だったりして♪」
 涼介 「無駄口叩くなら手伝ってやんねーぞ」
 秋野 「あーうそ嘘。荒川様お願いします!」
 涼介 「仕方ない!今回だけだぞ!」

ふたりで冗談を交えて笑いながら仕事に取り掛かった。

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