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登校!転校生が来た
しおりを挟む月曜日!
学校だ。
可愛いリボンにオシャレな緑色のブリーツスカートがお気に入り。
校則は厳しくないから、今日は下ろしていくよ。
前髪は聖お兄ちゃんがブローしてふんわりしてくれた!
「おはよー! 今日はどっちのお兄ちゃんに送ってもらったの~?」
送迎用の駐車場から校門に向かって歩いていると、ミナコちゃんに後ろから声をかけられた。
「ミナコちゃん、おはよう~! 今日は暗黒お兄ちゃん」
やっぱり男の子達が『すっげー!』って言ってたな。
ミナコちゃんはカレーが得意で、きょうだいも沢山いて……すごく仲良し家族なの。
お泊りに行くと、お姉ちゃんと弟君達とワイワイ遊んで賑やかで!
いつもすごく羨ましかったんだ。
「やっぱり、車目立っちゃうよね」
「いいんじゃない? 自転車だとルウは、ちょっと危なっかしいところがあるからね~」
引っ越してから、学区がギリギリになっちゃって自転車通学も許可されたんだけど……。
パパママお兄ちゃんズが『心配だ~!』って言ってね。
たまには歩くんだけど、ほぼお兄ちゃん二人が交互に送ってくれるの。
帰りもお迎え来てくれたり、タクシー呼べって言われたり。
やっぱり甘え過ぎだよねーーー!?
お兄ちゃんができて半年……ちょっと、もうちょっと自立しないと、と思う毎日です。
「ごきげんよう」
「ごきげんよう」
校門前でみんなが微笑みながら、挨拶してる。
実はこの学校は、パパの母校の大学付属の私立中学校。
一応、名門なんだよね。
私は幼稚園からここ。
お兄ちゃん達の大学の付属でもある。
本当のママも此処に通ってたんだって。
パパとママはこの中学校からの同級生。
お互いに初恋で、幼馴染で……お付き合いして結婚して……私が生まれて……。
この校舎で二人が恋してたなんて、ロマンチック!
でもママは私が赤ちゃんの時に、亡くなってしまった。
物心がつく前の前だから、いなくて寂しいって気持ちはわからない。
でもそれでも、ママってどんな人なんだろう? っていつも考えてたよ。
新しいママのマリアさんは、きっとママに似てるんだろうな~って思う。
複雑な家庭だけど、みんな優しくて今とっても幸せ!
学校に来ると、ママ見てる? 私も学校で頑張ってるよ! って毎日が参観日みたいな気持ちになるんだ。
お嬢様で上品な人が多いけど、私は私らしく……! 地味でもね!
最近、ちょっとお兄ちゃん達の影響で~私もポジティブになってきてるかも!?
「ミナコちゃん、転校生が来るってホント?」
「ホント! ホント~!! 私は委員長だからさ金曜日に言われてたの! ルウにだけ教えてあげたの。詳しい事は知らないけどね」
「えへへ、ありがと。楽しみだね」
私達はヒソヒソ話をした。
あまり転校生って来ないから、どんな子かな。
「きっと緊張してるだろうから、いっぱい話しかけてあげないと」
ミナコちゃんって元気いっぱいで、人見知りもしないの。
私も見習って転校生の子には沢山優しくしてあげなきゃ。
そして……朝の学活。
「皆さん、はじめまして。雨塚ナビキと言います」
栗色の巻き髪で、青い瞳。
雰囲気が聖お兄ちゃんにちょっと似てる。
天使みたいな男の子だった。
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