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番外編『邯鄲(かんたん)の夢』
まいさんとの『秘めごと』【2】
「いやだなぁ、まいさん。終わらせてくれないのは、まいさんのほうなのに?
それに……」
言いながら、僕を求めるように突き出された小さなふっくらとした唇に、指を這わせた。
「その瞳も、この唇も……僕より、まいさんのほうがいやらしいって、どうして解らないのかなぁ……?」
頬を傾けて顔を近づけると、まいさんが観念したように瞳を伏せる。
困ったような恥ずかしそうな表情が、僕の身内の衝動を煽る。
……ほら。やっぱり、まいさんのほうがいやらしいじゃないか。
やわらかな唇を感じながら、流し台にまいさんを押しつけるように、身体を密着させる。
蛇口から流れたままの水を止めてさらに奥深くまで侵入して、まいさんを捕えようとした時。
固定電話が、鳴った。
着信メロディからして、お父さんからなのは、すぐに解った。
まいさんの小さな手が、僕の胸を押しやろうとする。
強引に続行するのは簡単だったけど、相手がお父さんじゃ……仕方ないかな?
「───……もしもし、父さん? どうしたの?」
僕の束縛から逃れたまいさんは赤い顔のまま受話器を取り上げ、かすれた声で電話に出る。
「え? ……あぁ、ご飯食べてて……───大地? もうとっくに帰って来て、一緒に食べてるけど。
───ああ、そう、分かった。……うん。じゃあね、お疲れさま」
受話器を置いたまいさんが、僕を振り返った。
「父さん、会社の人と呑んでくるって」
思わず、ふふっと笑ってしまった。
「……ね、僕のご飯って、いつからまいさんになったの?」
「───っ……ばかッ! 父さんに変な言い訳しなきゃなんなかったのは、全部あんたのせいじゃないのよっ」
赤い顔をさらに赤くして、潤んだ瞳で僕に怒鳴るまいさんは、凶悪なほどに可愛い。
僕は、ラップを取り上げて、まいさんが作ってくれたオムレツの皿に、それをかけた。
そんな僕をいぶかしげに見守るまいさんに、にっこりと笑ってみせる。
「───じゃあ……『ご飯』の続き、しよっか?」
*****
まいさんが、後ろからされる方が感じやすいって気づいたのは、ごく最近で。
お父さんの手前、あんまり夜中にまいさんの部屋に行くのも、ためらわれて。
(僕が、じゃなくて、まいさんの気持ちを考えると、って意味だけど)
僕は、お父さんのいない『隙間時間』をぬって、まいさんとの『秘めごと』を楽しんだ。
「……っ……や、あんた、ソレ、ばっか……」
「だって、まいさん……ここ、こうされるの……好き、でしょう……?」
まいさんの大腿に伝う粘液は、僕の指先を濡らすものと同じで。
僕を締めつけ絡みつくそこからもあふれ出して、僕の動きをスムーズにする。
「───ね、まいさん……? ちゃんと、口にだして……言って……?」
呼びかけて、ささやく。
悦びに濡れた瞳が、肩ごしに僕を見つめ返した。
おもむろに開かれる、なまめかしい唇。
「……大地に、され……る、の……っ……す、きっ……!」
揺れながら紡がれる言葉が、苦しげに吐きだされる。
何度聞いても飽き足りず、執拗に求めて止まない、せつないあえぎ声。
聞かなければ、もっと長く、もっと激しく、欲望の波にのまれることができるのに。
常には聞けない『甘言』だと知っているから、僕は、つい、まいさんから引き出してしまう。
「……だい、ちっ……い、いの……あ、あっ……そこ、いっ……」
加速していくほどに、まいさんの唇からこぼれる落ちる言葉になりきれない卑猥な吐息が、僕の耳をくすぐった。
と、同時に、僕を包みこむ愛しい体温が、急激に収縮して───僕は、まいさんの身体を強く抱き寄せながら、自分を解き放った……。
それに……」
言いながら、僕を求めるように突き出された小さなふっくらとした唇に、指を這わせた。
「その瞳も、この唇も……僕より、まいさんのほうがいやらしいって、どうして解らないのかなぁ……?」
頬を傾けて顔を近づけると、まいさんが観念したように瞳を伏せる。
困ったような恥ずかしそうな表情が、僕の身内の衝動を煽る。
……ほら。やっぱり、まいさんのほうがいやらしいじゃないか。
やわらかな唇を感じながら、流し台にまいさんを押しつけるように、身体を密着させる。
蛇口から流れたままの水を止めてさらに奥深くまで侵入して、まいさんを捕えようとした時。
固定電話が、鳴った。
着信メロディからして、お父さんからなのは、すぐに解った。
まいさんの小さな手が、僕の胸を押しやろうとする。
強引に続行するのは簡単だったけど、相手がお父さんじゃ……仕方ないかな?
「───……もしもし、父さん? どうしたの?」
僕の束縛から逃れたまいさんは赤い顔のまま受話器を取り上げ、かすれた声で電話に出る。
「え? ……あぁ、ご飯食べてて……───大地? もうとっくに帰って来て、一緒に食べてるけど。
───ああ、そう、分かった。……うん。じゃあね、お疲れさま」
受話器を置いたまいさんが、僕を振り返った。
「父さん、会社の人と呑んでくるって」
思わず、ふふっと笑ってしまった。
「……ね、僕のご飯って、いつからまいさんになったの?」
「───っ……ばかッ! 父さんに変な言い訳しなきゃなんなかったのは、全部あんたのせいじゃないのよっ」
赤い顔をさらに赤くして、潤んだ瞳で僕に怒鳴るまいさんは、凶悪なほどに可愛い。
僕は、ラップを取り上げて、まいさんが作ってくれたオムレツの皿に、それをかけた。
そんな僕をいぶかしげに見守るまいさんに、にっこりと笑ってみせる。
「───じゃあ……『ご飯』の続き、しよっか?」
*****
まいさんが、後ろからされる方が感じやすいって気づいたのは、ごく最近で。
お父さんの手前、あんまり夜中にまいさんの部屋に行くのも、ためらわれて。
(僕が、じゃなくて、まいさんの気持ちを考えると、って意味だけど)
僕は、お父さんのいない『隙間時間』をぬって、まいさんとの『秘めごと』を楽しんだ。
「……っ……や、あんた、ソレ、ばっか……」
「だって、まいさん……ここ、こうされるの……好き、でしょう……?」
まいさんの大腿に伝う粘液は、僕の指先を濡らすものと同じで。
僕を締めつけ絡みつくそこからもあふれ出して、僕の動きをスムーズにする。
「───ね、まいさん……? ちゃんと、口にだして……言って……?」
呼びかけて、ささやく。
悦びに濡れた瞳が、肩ごしに僕を見つめ返した。
おもむろに開かれる、なまめかしい唇。
「……大地に、され……る、の……っ……す、きっ……!」
揺れながら紡がれる言葉が、苦しげに吐きだされる。
何度聞いても飽き足りず、執拗に求めて止まない、せつないあえぎ声。
聞かなければ、もっと長く、もっと激しく、欲望の波にのまれることができるのに。
常には聞けない『甘言』だと知っているから、僕は、つい、まいさんから引き出してしまう。
「……だい、ちっ……い、いの……あ、あっ……そこ、いっ……」
加速していくほどに、まいさんの唇からこぼれる落ちる言葉になりきれない卑猥な吐息が、僕の耳をくすぐった。
と、同時に、僕を包みこむ愛しい体温が、急激に収縮して───僕は、まいさんの身体を強く抱き寄せながら、自分を解き放った……。
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