竜に育てられた子

ルー

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1章

入学手続き

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15分ほど歩くと学校の校門が見えてきた。校庭には、誰もいなかった。「ヴィカさん。校庭に誰もいないのは、みんな精霊を探しているからですか?」ヴィカはハルに視線を向けると微かに頬笑んだ。「ええ。そうよハルは鋭いわね。さあこっちよ。」ハルはヴィカについて学校の中に入って行った。

ヴィカは校長室の扉を開けハルを中に招き入れた。「ここに自分の名前と年、出身地を書いてね。」と言ってハルに一枚の紙を渡した。ハルはヴィカに案内された机に座ると必要事項を記入していった。その時、ハルの手が止まった。「ヴィカさん。ここって誰の名前を書けばいいんですか?」ハルの手が止まった欄は「推薦者」だった。それを見たヴィカは「あはは。」と笑った。「私の名前を書いてね。ヴィカって。」ハルはヴィカの言う通りにヴィカと書いた。この学校では平民は推薦者がいなければ入れないのだ。「この学校には寮があるの。食堂もあるから。夜9時以降は出歩かないこと。そして食堂の料金はみんな1ヶ月ごとに授業費と食堂費をもらいます。授業は、月曜日から金曜日まであって、授業のない土曜日と日曜日はだいたいの人が遊んでいるわね。でも平民は家の手伝いとかお店のアルバイトとかしてるわ。ハルがこの学校に入るのは4月9日からね。いわゆる4月9日の8時にこの学校に来てね。ハルの寮の部屋は111だから。これが鍵ね。なくさないようにしてね。」ハルはヴィカと別れて女子寮にやって来た。自分の部屋を開けると後ろにいた精霊王達が部屋に飛び込んで来た。ハルは入学の日まで魔法の練習をすることにした。
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