4 / 50
【第1章】恋愛成就なるか?
4、恋
しおりを挟む
あたしは、峡くんに抱いている感情が、恋心なのだと、確信した。
その結論に至った経緯。それは、ただずっと考え続けていたことだけだ。
あの日、あたしは家に帰ってから、この気持ちのことを考えていた。恋情なのか、友情なのか。その2つのどちらかだと思って、どちらだろうと考えた。考えに考えた結果が、この『あたしが峡くんに抱いているものは恋心だ』というものだった。
「…………」
だからどうしろっていうの!? あたしは、自分に自分でツッコミを入れた。
あたしは峡くんに恋をしている。それは分かった。でもこれからどうするのよ! いきなり告白とかするのもどうかと思うし、でもこのままでいるのもなんか嫌だ。第一、彼に恋してるって知って、これからどう接すればいいのよ!
「はぁ~……」
登校中、あたしは溜息ばかり吐いていた。
「凛ちゃん、おっはよ~」
……来た。問題のやつ。
「おはよ~」
「ねぇ、昨日のあのアニメ見た?」
あたしの悩みなどつゆ知らず、峡くんはあたしとは反対に、朝からハイテンションで話しまくっている。
「うん、見たよ。でもまさかあいつがあそこでやられるなんて意外だったな」
平静を装って話す。
でも流石はアニオタ、とあたしは心の中で自画自賛。アニメの話となる普段のテンションで話せた。アニメ最強。
「そうかな? 僕は結構予想通りって感じだったけど」
「え~、あれは意外でしょ。あ、あとあのアニメも見た?」
「あ~見た見た! 最終回だったよね、確か。終わるの嫌だなぁ」
などと話しながら、またあたし達は学校への道を辿っていった。
そしてまたありふれた1日が終わり、放課後。あたし達は帰路を歩きながら、またアニメの話をしていたのだった。
「――あっそうだ。今日帰ったら、明日のことメールするね」
一瞬何のことかわからず、キョトンとするあたし。
…………あっ、ああああああああっ! そうだ、家に呼ばれてたんだ!!
「わ、分かった。じゃあね~」
いつの間にか岐路に着いていたため、あたしはぎこちなくそう返し、右に曲がるのだった。
「あぁもう、思い出したくなかったのに~……」
その思い出したくなかったこととは勿論、あたしが恋する乙女だということだ。いや、あたしは乙女じゃないけど。
家に着き、玄関のドアを開けた。
「ただいま~」
そう言って靴を脱ぎ、自室に上がる。
あたしの家は、共働き。父親は単身赴任で海外へ行っていて、母親は夕方と夜に勤務しているため、あたしが家に帰る頃には家にいない。
『ピロン♪』
スマホから、メッセージ通知を知らせる音が鳴った。
「えっと、なになに……」
件名は『明日』となっている。送り主は峡くん。内容は……。
「『朝10時に秋春公園に待ち合わせでいいかな?』か。うーん……」
10時待ち合わせってことは、9時半には起きないと。家から公園までは近いけど、朝ごはん食べたり服装や髪型を整えたりしてるうちに10時前にはなるだろう。
でも、9時半か~……いつもの時間に寝ると、絶対に起きられない時間なんだけど。
あたしは数分逡巡して――決めた。今日は早く寝て、早起きしよう。
いいよ~、と返し、スマホの電源を切る。といってもスリープ状態にするだけだが。
勉強会ってことだから、勉強道具持っていかなきゃだよね。何持っていこう……。
そんなことを考えているうちに、部屋が暗くなってきた。
「え、もう6時!?」
時計に目をやったあたしは、目を見開いた。
2、3時間も考えてたの……?
「確かにお腹減ってきたな……」
今まで何ともなかったのだが、時間を意識したせいか、急に空腹感が襲ってきた。
「チャーハンでも作るか」
あたしはそう独りごちて、台所へと足を運んだのだった。
その結論に至った経緯。それは、ただずっと考え続けていたことだけだ。
あの日、あたしは家に帰ってから、この気持ちのことを考えていた。恋情なのか、友情なのか。その2つのどちらかだと思って、どちらだろうと考えた。考えに考えた結果が、この『あたしが峡くんに抱いているものは恋心だ』というものだった。
「…………」
だからどうしろっていうの!? あたしは、自分に自分でツッコミを入れた。
あたしは峡くんに恋をしている。それは分かった。でもこれからどうするのよ! いきなり告白とかするのもどうかと思うし、でもこのままでいるのもなんか嫌だ。第一、彼に恋してるって知って、これからどう接すればいいのよ!
「はぁ~……」
登校中、あたしは溜息ばかり吐いていた。
「凛ちゃん、おっはよ~」
……来た。問題のやつ。
「おはよ~」
「ねぇ、昨日のあのアニメ見た?」
あたしの悩みなどつゆ知らず、峡くんはあたしとは反対に、朝からハイテンションで話しまくっている。
「うん、見たよ。でもまさかあいつがあそこでやられるなんて意外だったな」
平静を装って話す。
でも流石はアニオタ、とあたしは心の中で自画自賛。アニメの話となる普段のテンションで話せた。アニメ最強。
「そうかな? 僕は結構予想通りって感じだったけど」
「え~、あれは意外でしょ。あ、あとあのアニメも見た?」
「あ~見た見た! 最終回だったよね、確か。終わるの嫌だなぁ」
などと話しながら、またあたし達は学校への道を辿っていった。
そしてまたありふれた1日が終わり、放課後。あたし達は帰路を歩きながら、またアニメの話をしていたのだった。
「――あっそうだ。今日帰ったら、明日のことメールするね」
一瞬何のことかわからず、キョトンとするあたし。
…………あっ、ああああああああっ! そうだ、家に呼ばれてたんだ!!
「わ、分かった。じゃあね~」
いつの間にか岐路に着いていたため、あたしはぎこちなくそう返し、右に曲がるのだった。
「あぁもう、思い出したくなかったのに~……」
その思い出したくなかったこととは勿論、あたしが恋する乙女だということだ。いや、あたしは乙女じゃないけど。
家に着き、玄関のドアを開けた。
「ただいま~」
そう言って靴を脱ぎ、自室に上がる。
あたしの家は、共働き。父親は単身赴任で海外へ行っていて、母親は夕方と夜に勤務しているため、あたしが家に帰る頃には家にいない。
『ピロン♪』
スマホから、メッセージ通知を知らせる音が鳴った。
「えっと、なになに……」
件名は『明日』となっている。送り主は峡くん。内容は……。
「『朝10時に秋春公園に待ち合わせでいいかな?』か。うーん……」
10時待ち合わせってことは、9時半には起きないと。家から公園までは近いけど、朝ごはん食べたり服装や髪型を整えたりしてるうちに10時前にはなるだろう。
でも、9時半か~……いつもの時間に寝ると、絶対に起きられない時間なんだけど。
あたしは数分逡巡して――決めた。今日は早く寝て、早起きしよう。
いいよ~、と返し、スマホの電源を切る。といってもスリープ状態にするだけだが。
勉強会ってことだから、勉強道具持っていかなきゃだよね。何持っていこう……。
そんなことを考えているうちに、部屋が暗くなってきた。
「え、もう6時!?」
時計に目をやったあたしは、目を見開いた。
2、3時間も考えてたの……?
「確かにお腹減ってきたな……」
今まで何ともなかったのだが、時間を意識したせいか、急に空腹感が襲ってきた。
「チャーハンでも作るか」
あたしはそう独りごちて、台所へと足を運んだのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる