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第5章 濁乱の冬
第19話 怪しまれる
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「なるほどな……」
フィスティアの作戦を聞いた俺たちは頷いた。
「リスクもあるけど、それで行こう」
レイさんがそう言ったところで、廊下の方が騒がしいのに気づいた。
「外で何か起きたのかな?」
巴が疑問に思い、ドアの方に近づく。彼女がドアノブに手をかけたところで、ジュアがそれを制した。
「待ってください!」
全員ジュアの方を向く。
「もし、今なんの知らせもなく御二方の捜索がされていたら? もしそれで、無防備に開け放っていたドアから中を覗かれたら?」
確かに、その可能性もある……。
「そうとは言いきれないが、さっきの作戦を今やっておいた方が安全、ってことだな?」
俺が彼女に確認を取ると、ジュアは頷いた。
「分かった。じゃあ今から発動する」
フィスティアが言ったのを聞いて、俺は鈴音から手を離した。
「鈴音……」
「大丈夫、です。自分を強く保っていれば、暴走はしないはず、です」
鈴音はそう言うが、彼女の声は震えていた。
その鈴音の手首を、今度は俺の代わりにレイさんが優しく握る。
その後彼は何も言わなかったが、鈴音の顔は不安から安堵へと変わっていった。
「お願い、です」
鈴音の言葉を聞き、フィスティアは魔法を発動した。
発動されたのをそれぞれの目で確認してから、俺たちはドアの前にいる巴を見た。巴は頷いて、ドアを開ける。すると、今まで聞こえなかった会話が鮮明に聞こえた。
「鈴音 響華はどこだ!」
「ちょっ、何を……!」
「中を調べさせてもらう」
「えぇ、プ、プライバシーの侵害です!」
そんな会話。どうやら教師が部屋の中を調べられているようだ。
「やっぱり……!」
ジュアは険しい表情で呟いた。
彼女の予想は当たっていた。さっき魔法を発動していなければおそらく……。
そんなことを考えているうちに、その人たちは俺たちの部屋までやってきた。
「こんなところに生徒の部屋……?」
1人の男が怪しむが、直後には「まぁいい」と割り切って、「部屋の中を調べさせてもらうぞ」と、俺の返答も待たずにさっさと室内に入っていった。
「何故こんなに人がいる?」
5人も人がいるのを見て、別の1人が俺に尋ねた。俺は答える。
「友達とゲームしたり喋ったりしていたんですよ。別におかしくないでしょう?」
できる限り平静を装い、自然な感じで言う。
俺の、いや俺たちの緊張には気がつかず、彼らは部屋を隅から隅まで調べ始めた。
トイレの中、脱衣所や風呂場、ベッドの下、――クローゼットの中。
「っひ、ひゃぁぁぁ!?」
突然、ジュアが変な声を上げた。
「どうした?」
慌てる様子も見せずに捜索隊の1人が不審そうに訊く。
「いっ、いえ……別に……」
赤面し、俯きながら彼女は答えた。
あー……下着を見られて恥ずかしがってる感じか。
それを察せず、余計に怪しむ彼ら。
「今の反応、明らかにおかしいが」
「まさか、鈴音 響華を匿っているのではないだろうな?」
「匿ってなんかいませんよ……!」
ジュアは必死に真実を伝えるが、まぁもっと怪しまれるだろうな。
ということで、俺は後で絶対に怒られる助け舟を出した。
フィスティアの作戦を聞いた俺たちは頷いた。
「リスクもあるけど、それで行こう」
レイさんがそう言ったところで、廊下の方が騒がしいのに気づいた。
「外で何か起きたのかな?」
巴が疑問に思い、ドアの方に近づく。彼女がドアノブに手をかけたところで、ジュアがそれを制した。
「待ってください!」
全員ジュアの方を向く。
「もし、今なんの知らせもなく御二方の捜索がされていたら? もしそれで、無防備に開け放っていたドアから中を覗かれたら?」
確かに、その可能性もある……。
「そうとは言いきれないが、さっきの作戦を今やっておいた方が安全、ってことだな?」
俺が彼女に確認を取ると、ジュアは頷いた。
「分かった。じゃあ今から発動する」
フィスティアが言ったのを聞いて、俺は鈴音から手を離した。
「鈴音……」
「大丈夫、です。自分を強く保っていれば、暴走はしないはず、です」
鈴音はそう言うが、彼女の声は震えていた。
その鈴音の手首を、今度は俺の代わりにレイさんが優しく握る。
その後彼は何も言わなかったが、鈴音の顔は不安から安堵へと変わっていった。
「お願い、です」
鈴音の言葉を聞き、フィスティアは魔法を発動した。
発動されたのをそれぞれの目で確認してから、俺たちはドアの前にいる巴を見た。巴は頷いて、ドアを開ける。すると、今まで聞こえなかった会話が鮮明に聞こえた。
「鈴音 響華はどこだ!」
「ちょっ、何を……!」
「中を調べさせてもらう」
「えぇ、プ、プライバシーの侵害です!」
そんな会話。どうやら教師が部屋の中を調べられているようだ。
「やっぱり……!」
ジュアは険しい表情で呟いた。
彼女の予想は当たっていた。さっき魔法を発動していなければおそらく……。
そんなことを考えているうちに、その人たちは俺たちの部屋までやってきた。
「こんなところに生徒の部屋……?」
1人の男が怪しむが、直後には「まぁいい」と割り切って、「部屋の中を調べさせてもらうぞ」と、俺の返答も待たずにさっさと室内に入っていった。
「何故こんなに人がいる?」
5人も人がいるのを見て、別の1人が俺に尋ねた。俺は答える。
「友達とゲームしたり喋ったりしていたんですよ。別におかしくないでしょう?」
できる限り平静を装い、自然な感じで言う。
俺の、いや俺たちの緊張には気がつかず、彼らは部屋を隅から隅まで調べ始めた。
トイレの中、脱衣所や風呂場、ベッドの下、――クローゼットの中。
「っひ、ひゃぁぁぁ!?」
突然、ジュアが変な声を上げた。
「どうした?」
慌てる様子も見せずに捜索隊の1人が不審そうに訊く。
「いっ、いえ……別に……」
赤面し、俯きながら彼女は答えた。
あー……下着を見られて恥ずかしがってる感じか。
それを察せず、余計に怪しむ彼ら。
「今の反応、明らかにおかしいが」
「まさか、鈴音 響華を匿っているのではないだろうな?」
「匿ってなんかいませんよ……!」
ジュアは必死に真実を伝えるが、まぁもっと怪しまれるだろうな。
ということで、俺は後で絶対に怒られる助け舟を出した。
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