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第2章 マタドール
バーへ再来
しおりを挟むー翌日
昨日はお酒を飲まなかったため、二日酔いもしていない。
正直おとといの失態を思い出すと、恥ずかしくてもう行きたくないのだが、
お金を払わないわけにはいかない。
ー最悪、代金を支払ったら帰ろう。
そう思いながら、バーに向かった。
「こんばんは、お待ちしておりました」
バーにおそるおそる入ると、
例のバーテンダーがコップを拭きながら出迎えてくれた。
「この前はすみませんでした。
お金を払いに来たのですが、いくらでしょうか?」
「…その前に新しいカクテルを飲んでみませんか?」
バーテンダーがまたシェイカーを振り始めた。
「こちら、マタドールになります」
黄色いカクテルが出てきた。
一口飲むと、甘酸っぱい味がした。
今回のカクテルはアルコールが感じられる。
「美味しいです」
「良かったです。
こちらのカクテル言葉は、『負けないで』です」
ーこの前話していたことを言ってくれているんだろう。
「ありがとうございます。
でももうプロジェクトに負けちゃったんですけどね」
「プロジェクトだけではないですよ。
自分が負けたくない相手…時には自分自身にも負けないでください」
ー自分自身にも負けないでか…
おとなになってから、
弱音がなかなか吐けなくなり、
誰かに相談したり励まされたりするのが初めてだったかもしれない。
気を抜くと泣きそうになる気がして、
咄嗟に話を変えた。
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