夢見るオメガは運命を探して~出会った瞬間、溺愛確定⁈

金剛@キット

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48話 一粒万倍日、前日

 膝の上で顔を真っ赤にして腹を立てるフユメを、カイリはギュッと抱きしめる。

「僕はすごくモヤモヤして悲しかった!! さっきもあの人と抱き合っていたし!! ああいうのは許せない!! 浮気するなら、カイリさんとは結婚しません!!」
 
「悪かった! 本当に私が悪かった! 浮気は絶対にしないから! 許してくれフユメ! 君を愛しているんだ! だから結婚してくれ、お願いだから私と結婚してくれ!!」

「僕は不安で不安で、つがいにしてとあんなに頼んだのに、カイリさんは簡単に僕の願いを却下するし!! もう、許せません!!」


「そ… そのことなら、今すぐ解決できる!」


 あわててカイリはフユメを抱き上げ、仕事用の机の椅子にフユメを座らせる。

 机の脇に置かれたビジネスバックから、封筒を取り出し、フユメの前に中身の書類を広げ、万年筆をコトリ… と置く。

 書類を見て、フユメは瞳を輝かせた。


「あっ!! 婚姻届け!」

 有能な実業家らしく… カイリは書き間違いを予想し、5枚も婚姻届けを用意していた。

 婚姻届けの書き方の見本まで、プリントアウトして並べてある。

「明日は“一粒万倍日いちりゅうまんばいび”なんだ! 今夜書いて出そうとちょうど思っていた… 結婚式はフユメが大学を卒業したらしよう?」
 明日は婚姻届けを出すのに、縁起のよい日である。

「わぁ~!!」
<すごく嬉しい!! 僕の戸籍謄本までそろえてある!! いつの間に?! うわっ僕の、朝日姓の印鑑まであるぅ!!>

「君を番に出来ないのが… 本当に、1日、1日が辛くて… 私はもう限界なんだ!」

「カイリさん?」

「だけどフユメのお母さんとの、約束を破ることは、やっぱり私にはできない… 将来、君と交わすであろう大切な約束でさえ、必要に応じて破ることができる人間だと… 君にそう思われるのが嫌なんだ!」

「あ…」
<約束自体は、母さんを安心させるためのものだけど… 約束を破るか、破らないかは、僕とカイリさんの信頼関係を築く為に、絶対に破らないと… カイリさんはそこまで考えてくれていたんだ?>

 どれだけ大切な約束でも、婚姻届けのように契約書で縛られるものでなければ、単なる口約束となる… だからこそお互いを信用する力が重要だった。

「ごめんなさい… カイリさん…」
<僕はそんな当たり前のことを嫉妬と不安にとらわれて忘れていたんだ!!>


 フユメとカイリは1枚も失敗すること無く、婚姻届けを無事に書き上げた。

 社長室のドアを開けると、心配そうに待っていたヒロキとその夫センリに頼み、婚姻届けの証人の欄に2人それぞれ記入してもらい、仕事用の印鑑で捺印。


 最期のしめでフユメとカイリは2人で婚姻届けを持って、弟センリに頼みパシャッ! と記念撮影をして、それぞれの実家に送信。




 明朝、一粒万倍日に2人揃って役所へ行き、入籍を済ませる予定だ。





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