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番外編 ~悪夢の世界で…
99話 騎士団長フィエブレ フィエブレside
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ちょうどフィエブレが、生意気な新人騎士たちを鍛錬中に叩きのめしていた最中だった。
騎士団長フィエブレ付きの従者イロに呼ばれ、イライラと執務室まで戻ると…
「これは、これは、エンペサル侯爵閣下! 今日は何のご用でしょうか?」
<この忙しい時に、何の用だエレヒル?!>
気が立ち不機嫌になっていたフィエブレは、自分とエンペサル騎士団の主人であるエレヒルに、仕事を邪魔されて少々無礼な口の利き方をした。
剣の師匠であるフィエブレの父の元で、子供の頃から一緒に学んで来た年下の弟弟子、エレヒルに対しての気安さからである。
「また、新しく入ったばかりの騎士たちを痛めつけていたらしいな? 少しやり過ぎではないか? これではまたすぐに辞めてしまうぞ?」
慇懃無礼なフィエブレの態度を軽く流して、エレヒルは冷徹な目で言い放つ。
「ですが、あそこまで軟弱では実際に役に立つとは思えませんが?」
<自分が侯爵だからと、何と生意気な!! 私よりも年下で剣の腕も劣るくせに、この私を見下すような態度が目に付く! カナルが死んでからは特にだ、クソッ!! エレヒルめ、子供の頃は私の後を付いて回る金魚のフンのような奴だったのに!!>
ムッ… とフィエブレは反抗的に言い返した。
「だが、実際に現場へ連れて行く前からあのように厳しく扱っては、萎縮した若い騎士たちが、自分たちが騎士団員である誇りを持つ前に、心を折ってしまうのではないか? それでは本末転倒だろう?」
弟弟子であるエレヒルは、師匠であるフィエブレの父の教えに忠実に従い、意見しているだけである。
「アナタは騎士団の現状を何も知らないから、その様な生ぬるいことを言っていられるのだ!!」
カッ… 声を荒げるフィエブレを…
エレヒルは冷徹な目を和ませること無く、ジッと観察する。
「そうか? 私には騎士団長殿が若い騎士たちに、八つ当たりで鍛錬と言う名の、イジメをしている様に見えるのだが… それでは部下たちの尊敬や期待、信頼を失うのではないかと心配したが、違うのなら申し訳なかったフィエブレ」
嫌味を込めてエレヒルは、冷ややかな微笑を浮かべ言いたいことを言うと…
フィエブレの無礼を真似て、慇懃無礼に胸に手を当て謝罪した。
「…っ! 口が過ぎました、私の方こそ申し訳ありませんでした、侯爵閣下!」
辛辣なエレヒルの皮肉に増々腹が立ったが…
さすがにフィエブレも、自分の主君に頭を下げて謝罪され(真意はべつにあるが)、自分の大人げない態度を恥じて怒りを静めた。
<クソッ! 以前はエレヒルが、私にこんな態度を示すことは無かったのに!! エリダが王都で死んで以来、何もかもメチャクチャだ!! エリダが生きて私の妻となっていれば、今頃私の人生は安泰だったのに!!>
この時、フィエブレはまだ気づいてはいなかった。
カナルとの結婚を受け入れたお陰で、ようやく騎士団長の地位に就けたフィエブレとは違い…
先代のエンペサル侯爵である父親が亡くなって以来、未熟で劣った部分が有ったとしても、側近たちの力を借りながら、エレヒルはフィエブレより何年も前から人の上に立つ立場、エンペサル侯爵としてこの地を守り運営して来た。
騎士の腕では未熟で劣っていても、フィエブレなどよりずっとエレヒルの方が、人の使い方を知っているのだ。
主君であるエレヒルの助言を、聞く気が無いフィエブレの目は、騎士団長となった時から、その傲慢さで曇っていた。
騎士団長フィエブレ付きの従者イロに呼ばれ、イライラと執務室まで戻ると…
「これは、これは、エンペサル侯爵閣下! 今日は何のご用でしょうか?」
<この忙しい時に、何の用だエレヒル?!>
気が立ち不機嫌になっていたフィエブレは、自分とエンペサル騎士団の主人であるエレヒルに、仕事を邪魔されて少々無礼な口の利き方をした。
剣の師匠であるフィエブレの父の元で、子供の頃から一緒に学んで来た年下の弟弟子、エレヒルに対しての気安さからである。
「また、新しく入ったばかりの騎士たちを痛めつけていたらしいな? 少しやり過ぎではないか? これではまたすぐに辞めてしまうぞ?」
慇懃無礼なフィエブレの態度を軽く流して、エレヒルは冷徹な目で言い放つ。
「ですが、あそこまで軟弱では実際に役に立つとは思えませんが?」
<自分が侯爵だからと、何と生意気な!! 私よりも年下で剣の腕も劣るくせに、この私を見下すような態度が目に付く! カナルが死んでからは特にだ、クソッ!! エレヒルめ、子供の頃は私の後を付いて回る金魚のフンのような奴だったのに!!>
ムッ… とフィエブレは反抗的に言い返した。
「だが、実際に現場へ連れて行く前からあのように厳しく扱っては、萎縮した若い騎士たちが、自分たちが騎士団員である誇りを持つ前に、心を折ってしまうのではないか? それでは本末転倒だろう?」
弟弟子であるエレヒルは、師匠であるフィエブレの父の教えに忠実に従い、意見しているだけである。
「アナタは騎士団の現状を何も知らないから、その様な生ぬるいことを言っていられるのだ!!」
カッ… 声を荒げるフィエブレを…
エレヒルは冷徹な目を和ませること無く、ジッと観察する。
「そうか? 私には騎士団長殿が若い騎士たちに、八つ当たりで鍛錬と言う名の、イジメをしている様に見えるのだが… それでは部下たちの尊敬や期待、信頼を失うのではないかと心配したが、違うのなら申し訳なかったフィエブレ」
嫌味を込めてエレヒルは、冷ややかな微笑を浮かべ言いたいことを言うと…
フィエブレの無礼を真似て、慇懃無礼に胸に手を当て謝罪した。
「…っ! 口が過ぎました、私の方こそ申し訳ありませんでした、侯爵閣下!」
辛辣なエレヒルの皮肉に増々腹が立ったが…
さすがにフィエブレも、自分の主君に頭を下げて謝罪され(真意はべつにあるが)、自分の大人げない態度を恥じて怒りを静めた。
<クソッ! 以前はエレヒルが、私にこんな態度を示すことは無かったのに!! エリダが王都で死んで以来、何もかもメチャクチャだ!! エリダが生きて私の妻となっていれば、今頃私の人生は安泰だったのに!!>
この時、フィエブレはまだ気づいてはいなかった。
カナルとの結婚を受け入れたお陰で、ようやく騎士団長の地位に就けたフィエブレとは違い…
先代のエンペサル侯爵である父親が亡くなって以来、未熟で劣った部分が有ったとしても、側近たちの力を借りながら、エレヒルはフィエブレより何年も前から人の上に立つ立場、エンペサル侯爵としてこの地を守り運営して来た。
騎士の腕では未熟で劣っていても、フィエブレなどよりずっとエレヒルの方が、人の使い方を知っているのだ。
主君であるエレヒルの助言を、聞く気が無いフィエブレの目は、騎士団長となった時から、その傲慢さで曇っていた。
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