あやかしあいし

さざなみ

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出会い

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妖が暮らす街、妖酪(ようらく)。

「此奴が侵入者かえ?」

「ハイ!シキサマ!」

争いを好まない妖達の為に妖酪には外部からの侵入を防ぐ協力な結界が張られている。

「お前が…此処の主か?」

「ええ」

彼女は恐ろしくも美しい妖酪の女帝。

それが屍鬼(しき)。

結界は勿論、様々な妖術を操る事ができる。

「追われている…助けてほしい。」

「………。」

人狼と呼ばれる類の妖は酷く傷ついていた。

女帝は迷った。

助けたい気持ちはあるが、この屈強そうな妖に深傷を負わせた者が妖酪の者達を傷付ける可能性がある。

「傷が癒えたら直ぐに此処を出ると約束する。頼む、美しい妖(えう)よ。」

「え!?」

屍鬼は美しい。

だが、屍鬼にしては美しいというだけ。

肌は顔から足にかけて乾燥し皮膚の薄皮は捲れ、包帯はあちこちに巻かれている。

少し戸惑った屍鬼に畳み掛けるように妖は喋り始めた。

「すまない名乗っていなかったが、私は獄狼(じんおう)。とある国で暮らしていたのだが訳あって旅をしているのだ。」

「訳?」

「嫁を探している。」

「!?」

獄狼の言葉と眼差しに戸惑う屍鬼に周りの小鬼(こおに)達が騒ぎ始めた。

「ダレニ、クチヲキイテイル!」

「マドワサレナイデ!屍鬼サマ!」

しかし、騒ぐ小鬼とは裏腹に屍鬼の心は振り子のようにグラグラと揺れ動いていた。

「もし!許しが得られるのなら、妖とゆっくり話もしてみたい!我儘な私をどうか助けてはくれないだろうか?」

「………いいでしょう。」

「屍鬼サマ!?」

「ただし!傷が癒えるまでです!」

「感謝する。」

屍鬼は小鬼達に獄狼の手当てを頼み、自分の館へと姿を消した。
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