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第三部 そして動き始める
中ボスの彼女目撃する
しおりを挟む目の前に広がるのは、灰色だけの景色
そこにさっき一緒に寝床に着いた、ウィルミナ様がいた
さっきまで、熱で赤くなっていた顔色も、普通に戻っている。
しかし、夢にまで見るとは我ながら過保護か?と呆れてしまうが…夢??
え?と、思って周りを見回すと、どうも本当に夢らしい、俺は現実でこんな風景は見た事が無い。
しいて似てると言うなら、火山が噴火した後の風景に似ている様な気がする。
一面に灰が降り積もった様な景色
「ん…んん~ウィルミナしゃん~。」
寝言が聞こえて横を見ると 、フロルちゃんが幸せそうな顔で寝ていた。
マジで何なのこの夢
もう一度、ウィルミナ様に視線を戻すと、どうやら誰かと話をしているみたいだが
声は全然聞こえない
話してる相手は真っ白い人型で、顔は解らない、のっぺらぼうだ
(何だ"アレ")
それに向かって話をする、ウィルミナ様の表情は相変わらず、くるくる変わって楽しそうだが、それだけに何処か不気味だ。
もう少し確かめようと1歩踏み出したが、それ以上進め無かった、何か膜の様な物が俺と、彼女を遮断している。
夢で"誰か"に手が届かない、というのはよく見るので、それ自体は不思議には思わない、思わない…が
俺は、その手の夢は大っ嫌いなんだよねぇ
試しに目の前の空間に、拳を叩き込む
ボヨンッという音がしそうな、感触で弾かれた。思わず舌打ちが出る
次に、魔力が出るか試してみるが、うんともスンともいわない。
甚だ不愉快極まりないが、一体どういう状況だ?ウィルミナ様は 、相変わらず目の前の人影に、話かけている。
それにこの夢は普通の夢じゃない気がする、なんというか現実と感覚が同じ過ぎる
だから逆に違和感があるのだが
とりあえず今は、静観するしか無いらしい
今度は心の中で舌打ちしながら、ウィルミナ様と話ている相手を観察する。
目視だけで解るのは、仕草は女性の様だ
身長は、ウィルミナ様と同じ位…いや体型も同じに見える。
こちらに気づくかと、大声を出してみたが
2人は、相変わらずこちらに気付かず話をしている、あとフロルちゃんも寝たままだ
いや、眠らされているのかな?
「どういう事だ?」
当たり前だが、どこからも返事は無い
改めて周りを見る、360度どこまでも灰色の地平線、夢とはいえこの風景何かヤバい
死の世界というのは、こういうのを言うのだろうか、自分の想像にダメージを受ける
"あいつ"がこんな世界にいたらと想像するとたまらない気持ちになる。
軽く病みそうなので、早く目が覚めたい
そんな事を思っていたら、耳元で誰かの声が聞こえた
"ごめんなさいね、あの子との縁があったせいで貴方まで呼ばれてしまったの"
どういう事だ?!って言うか誰かいたのかよ!そう思った瞬間、TVの電源が切れる様に目の前の風景が消えて、そのまま意識は遠くなって行った。
「…意味解んないんだけどぉ。」
目が覚めたと同時につい言ってしまった。
横で寝るウィルミナ様を見ると、熱は下がったのか気持ち良さげに眠っている。
朝飯の支度をしようと台所に行くと、フロルちゃんも起きてきた。
「おはようございます。」
にこやかに挨拶され、こちらも返す
「おはよう、良く寝れたみたいだねぇ。」
俺は変な夢の所為で寝た気がしねぇけどな!
と、ちょっと思ってしまったが。
いかんいかん 、八つ当たりはみっともない
そんな俺の内心など知らぬげに、フロルちゃんは幸せそうに言葉を続けた
「いやぁ~昨日はウィルミナたんが隣にいたからか、ウィルミナたんが2人でお話してる夢を見ちゃいましたwいい夢でした~w」
その瞬間、肩を掴んで質問する
「どんな夢だった?覚えてる事教えて貰えるかな?」
一応優しく聞くよう心がけたが
「ヒェッ」
とか聞こえたので、失敗した様だどうも余裕が無いらしい。
ごめんねフロルちゃん。
「さっきは驚かせてごめんね。」
そう言って、フロルちゃんにお茶を渡す
ウィルミナ様がブレンドした、ハーブティーだ、鎮静効果があるらしい。
確かにいい匂いだ、少し落ち着く
「で、もう1回聞くね?君が昨夜見た夢を教えて欲しい、詳細に。」
そう言うと、何かを感じたのか、フロルちゃんも真剣な顔で、昨日の夢を教えてくれた。
辺り一面の、灰色の世界
そこで"2人のウィルミナ"が何かを話ていたらしい。
一人は自分達が知っている、ウィルミナ様
もう一人は、真っ白な服をきた、本来のウィルミナよりも髪が長くなった姿の"ゲームのウィルミナ"
「そういえば、もう一人のウィルミナたんは、表情がちょっと大人びてましたね。」
でも、良く見ないと解らない位の違いでしたけど
「夢の共演やん!」
と、嬉しくなったフロルちゃんは、2人の傍に行きたかったが、夢の中のせいか、身体が起き上がらなかったらしい。
起きようと頑張っていたら、耳元で
「貴方はちょっと遠慮してくれる?あの子が"貴女"を見てどうなるか解らないから。」
なんというお預けプレイ!と、嘆いていたらまた
「ごめんなさいね。」
と声がして、ブラックアウトしたらしい
「起きようなんて思わず、あの世界の地面に徹していれば良かった…。」
ええ…フロルちゃん、推しを見守りたい腐女子みたいな事言ってる…。
「そもそも、俺は百合に乱入する野郎は殺す派なのに…。」
フロルちゃん?!その話は血を見るから、それ以上はいけない!!
「俺が昨夜の夢で、覚えてるのはこれ位ですね。」
そうかぁ~、これウィルミナ様にも確認した方が良いのかなぁ、うーん
意見を聞こうと、フロルちゃんに昨日俺が見た夢の内容を話した。
フロルちゃんは、驚きながらも考え込んでいる。
「前に「under.the.Rose」の考察の話で、"樹はインターネットみたいに繋がってる"って話をしたじゃないですか。」
「ああ、あったね。」
「俺、あれを聞いた時に"似てるな"って思ったモノがあるんです。」
「"集合化無意識"人は意識のそこで繋がっている、ってヤツです。
ゲームとかでも、それを題材にしたモノはよく見ますが、今回のも何かそれと同じ様な気がします…でも。」
「うん、でも今回のは、それを繋げてる第三者がいるよね、そしてその人は彼女達の交流を、俺達に邪魔されたく無い様だ。」
一体誰で、何がしたいのか
「ウィルミナ様が起きてきたら、話をした方が良いね。」
「そうですね、これは情報交換した方が良いと思います。」
"何か"が起こった時に、一番怖いのは情報不足だ、備えておくのは無駄にはならない、2人で顔を目を合わせ、頷きあった。
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