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ぽかぽかと陽だまりが心地よい春先。
ある一国の公爵家で産声があがる。
その名はフランマ・プロクス公爵令嬢
名前のフランマは炎
彼女の髪色は燃えたぎる戦火の炎を連想させるほど強い赤。
火属性のマナを受け継ぐ公爵家らしい見た目だ。
彼女はすくすくと育ち、蝶よ花よと絆され傲慢、我儘とありきたりな性格となる。
赤髪に吊り目がどぎついありきたりな悪役令嬢へと進路が決まりそうだ。
もちろん婚約者は金髪に碧眼の第1皇太子殿下である。
(何それ?ド定番で胃もたれする。)
ありきたりな悪役令嬢になるべく日々、傲慢に我儘を兼ね備え、エベレストのようにプライドは高くギンギンと励んでいたそんなある日の出来事。
(頭に響く民衆の叫び声。
殺せ。悪魔。自分に向けて飛んでくる小石。全ての憎悪を一身に受ける。何を間違えたのか。全てはあの人のため。王妃なんてならなくていい。ただあの人の唯一無二になりたかっただけ。)
公爵令嬢は床に倒れ脱力している。
(悪役令嬢?断罪されてフェードアウトってオチ?ありきたりな?w
あれだ。乙女ゲームの悪役令嬢にみたいな?w
それか?前世思い出してポン!みたいなやつとか?w)
公爵令嬢に2種類の記憶が襲う。
遡ること昼にさしかかろうとする頃合。ここは王宮
公爵令嬢はイラついていた。
今日は婚約者である王太子殿下との週1のお茶会
待てど暮らせど王太子は現れない。
待つこと1時間
やっと王太子の従者が伝令を伝えに来た。
『会議が長引いており、お茶会には参加出来ません。ご足労下さったところ心苦しいですが、本日はお引き取りください。』
抑揚のない口調で言伝る。
心苦しいとは思っていないのは明らかだ。
傲慢、我儘でも分かる。
そう!公爵令嬢にも伝わったのだ。
わなわなと肩を震わせ、言伝えた従者を人睨みしたあと翻し去る。
ぱちぱちぱちぱち
拍手喝采の時だ。
良くぞ、暴れなかった。
王宮ではさすがにそれはしない。
ちゃんと出来る子なんだ。
悪役令嬢は。本当はね。
このイラつきをしっかり公爵邸まで持ち帰り自室で大暴れしていた最中
自身で倒した椅子に躓き頭を打った。
勿論、気を失い気絶した。
最後の記憶ではまだお日様がキラキラ光を放っていた。
目を覚ました時には夕暮れも終わりに差し掛かかる頃。
明るくもないが暗くもない微妙な頃合だ。
(私はあの日、あの人の前で断罪された。)
何かを思い出し始める。
(いいえ。ゲームよ。乙女ゲームの悪役令嬢に~っていう。。。。んー。なんか違う?ラノベのなんとやらかしら?)
はたまた何かを思い出したようだ。
(胃もたれする)
何かを悟ったようだ。
(ありきたりにありきたりを重ねて来たってわけね。
……めんどくさ。)
令嬢とは思えない表情で倒れたまま起き上がらない。
暫し、ぼーっとした所で
(とりあえず起きよう)
公爵令嬢は起き上がり部屋を見渡した。
暴れ尽くして汚れた部屋を片付け始める。
無心になり黙々と片付ける。
片付けついでにクローゼットの中を見る。
色とりどりの無数のドレスにアクセサリー類。
(要らねっ。)
ずんずんと広いクローゼットの中を奥へ奥へと突き進み片っ端から
『ゴミィ。これもゴミィ。あれもそれも。全部ゴミィ』と言いながらクローゼットから出していく。
チリンチリン
呼び鈴を鳴らす。
暫くするとドアをノックし専属侍女が部屋へと入りる。
『これ全て要らないからお金に換えたいんだけど。』
公爵令嬢は侍女に伝えながら山のように積み上がった富裕の象徴たちを指さした。
この光景に侍女は目を見開き言葉を失う。
『ねぇ?聞いてるの?これ要らないのよ。お金に替えられないかしら?』
公爵令嬢のイラついた物言いに侍女は我に返る。
『承知致しました。明日、商人をお呼び致します。』
侍女は返事をして外に控えている侍女を呼び、山積みのドレスやアクセサリー類を移動させる。
(なんかスッキリした。さて、これからどうすか考えよう。
とりあえず、ありきたりにありきたりと来てるからありきたりで行くしかないわなw
私は今、同じ人生をやり直している。
巻戻り?w
更にこの国とは全く異なる国で生きた記憶もある。転生悪役令嬢系?)
公爵令嬢は頭の中を整理する。
(まず前の前の?人生とでも言うか。前前前世。違うw[前]が多いw)
公爵令嬢。。なんだか楽しそうだ。
黙々と整理した結果が出たようだ
前前世
日本人
女性
見た目も性格も平凡
取り柄なし。
学業
どの教科も赤点ギリギリか赤点以下のポンコツ
よって高卒止まり。
就職も中小の小企業にも入れず。
派遣で食いつなぐ。
趣味
宝くじで10億円当たったら何に使うかを想像すること
ラノベを読むこと。
(1日無料で読めるチケ内で読む。課金は無理な貧乏)
読み漁る系統は悪役令嬢系。
在り来り好き。シンデレラ系嫌い。
なかなかの少数派系統である。
多数派に属せたらもっと楽しめただろうに。。。(1日無料チケ範囲内で。)
人生普通以下だったと思われる。
死因は自殺
40代半ば
現実から離れすぎた想像をし過ぎた事により現実を見れず。生きにくくなる現実とマッチングしないことで病む
死にゆく時に思ったこと。
これで異世界転生だ!
(気の毒だな。現実を見れない人が異世界転生しだからといって上手くいくわけない。妄想の世界も転生すればそこが現実世界となるのだから。哀れだ。とりあえず今の私は現実を見て可能な限り今を生きる!ますは貧乏問題解決しましょうね。貧乏って負の始まりだわ。欲を持たずシンプルに生きられれば良いじゃない?不要な物は小銭でもいいから換金しよう。ドレスやアクセサリーはなるべく高く買い取って貰いたい。貧乏はいかん。)
公爵令嬢は[貧乏はきちぃ][無知は罪]スキルを身につけた。
ある一国の公爵家で産声があがる。
その名はフランマ・プロクス公爵令嬢
名前のフランマは炎
彼女の髪色は燃えたぎる戦火の炎を連想させるほど強い赤。
火属性のマナを受け継ぐ公爵家らしい見た目だ。
彼女はすくすくと育ち、蝶よ花よと絆され傲慢、我儘とありきたりな性格となる。
赤髪に吊り目がどぎついありきたりな悪役令嬢へと進路が決まりそうだ。
もちろん婚約者は金髪に碧眼の第1皇太子殿下である。
(何それ?ド定番で胃もたれする。)
ありきたりな悪役令嬢になるべく日々、傲慢に我儘を兼ね備え、エベレストのようにプライドは高くギンギンと励んでいたそんなある日の出来事。
(頭に響く民衆の叫び声。
殺せ。悪魔。自分に向けて飛んでくる小石。全ての憎悪を一身に受ける。何を間違えたのか。全てはあの人のため。王妃なんてならなくていい。ただあの人の唯一無二になりたかっただけ。)
公爵令嬢は床に倒れ脱力している。
(悪役令嬢?断罪されてフェードアウトってオチ?ありきたりな?w
あれだ。乙女ゲームの悪役令嬢にみたいな?w
それか?前世思い出してポン!みたいなやつとか?w)
公爵令嬢に2種類の記憶が襲う。
遡ること昼にさしかかろうとする頃合。ここは王宮
公爵令嬢はイラついていた。
今日は婚約者である王太子殿下との週1のお茶会
待てど暮らせど王太子は現れない。
待つこと1時間
やっと王太子の従者が伝令を伝えに来た。
『会議が長引いており、お茶会には参加出来ません。ご足労下さったところ心苦しいですが、本日はお引き取りください。』
抑揚のない口調で言伝る。
心苦しいとは思っていないのは明らかだ。
傲慢、我儘でも分かる。
そう!公爵令嬢にも伝わったのだ。
わなわなと肩を震わせ、言伝えた従者を人睨みしたあと翻し去る。
ぱちぱちぱちぱち
拍手喝采の時だ。
良くぞ、暴れなかった。
王宮ではさすがにそれはしない。
ちゃんと出来る子なんだ。
悪役令嬢は。本当はね。
このイラつきをしっかり公爵邸まで持ち帰り自室で大暴れしていた最中
自身で倒した椅子に躓き頭を打った。
勿論、気を失い気絶した。
最後の記憶ではまだお日様がキラキラ光を放っていた。
目を覚ました時には夕暮れも終わりに差し掛かかる頃。
明るくもないが暗くもない微妙な頃合だ。
(私はあの日、あの人の前で断罪された。)
何かを思い出し始める。
(いいえ。ゲームよ。乙女ゲームの悪役令嬢に~っていう。。。。んー。なんか違う?ラノベのなんとやらかしら?)
はたまた何かを思い出したようだ。
(胃もたれする)
何かを悟ったようだ。
(ありきたりにありきたりを重ねて来たってわけね。
……めんどくさ。)
令嬢とは思えない表情で倒れたまま起き上がらない。
暫し、ぼーっとした所で
(とりあえず起きよう)
公爵令嬢は起き上がり部屋を見渡した。
暴れ尽くして汚れた部屋を片付け始める。
無心になり黙々と片付ける。
片付けついでにクローゼットの中を見る。
色とりどりの無数のドレスにアクセサリー類。
(要らねっ。)
ずんずんと広いクローゼットの中を奥へ奥へと突き進み片っ端から
『ゴミィ。これもゴミィ。あれもそれも。全部ゴミィ』と言いながらクローゼットから出していく。
チリンチリン
呼び鈴を鳴らす。
暫くするとドアをノックし専属侍女が部屋へと入りる。
『これ全て要らないからお金に換えたいんだけど。』
公爵令嬢は侍女に伝えながら山のように積み上がった富裕の象徴たちを指さした。
この光景に侍女は目を見開き言葉を失う。
『ねぇ?聞いてるの?これ要らないのよ。お金に替えられないかしら?』
公爵令嬢のイラついた物言いに侍女は我に返る。
『承知致しました。明日、商人をお呼び致します。』
侍女は返事をして外に控えている侍女を呼び、山積みのドレスやアクセサリー類を移動させる。
(なんかスッキリした。さて、これからどうすか考えよう。
とりあえず、ありきたりにありきたりと来てるからありきたりで行くしかないわなw
私は今、同じ人生をやり直している。
巻戻り?w
更にこの国とは全く異なる国で生きた記憶もある。転生悪役令嬢系?)
公爵令嬢は頭の中を整理する。
(まず前の前の?人生とでも言うか。前前前世。違うw[前]が多いw)
公爵令嬢。。なんだか楽しそうだ。
黙々と整理した結果が出たようだ
前前世
日本人
女性
見た目も性格も平凡
取り柄なし。
学業
どの教科も赤点ギリギリか赤点以下のポンコツ
よって高卒止まり。
就職も中小の小企業にも入れず。
派遣で食いつなぐ。
趣味
宝くじで10億円当たったら何に使うかを想像すること
ラノベを読むこと。
(1日無料で読めるチケ内で読む。課金は無理な貧乏)
読み漁る系統は悪役令嬢系。
在り来り好き。シンデレラ系嫌い。
なかなかの少数派系統である。
多数派に属せたらもっと楽しめただろうに。。。(1日無料チケ範囲内で。)
人生普通以下だったと思われる。
死因は自殺
40代半ば
現実から離れすぎた想像をし過ぎた事により現実を見れず。生きにくくなる現実とマッチングしないことで病む
死にゆく時に思ったこと。
これで異世界転生だ!
(気の毒だな。現実を見れない人が異世界転生しだからといって上手くいくわけない。妄想の世界も転生すればそこが現実世界となるのだから。哀れだ。とりあえず今の私は現実を見て可能な限り今を生きる!ますは貧乏問題解決しましょうね。貧乏って負の始まりだわ。欲を持たずシンプルに生きられれば良いじゃない?不要な物は小銭でもいいから換金しよう。ドレスやアクセサリーはなるべく高く買い取って貰いたい。貧乏はいかん。)
公爵令嬢は[貧乏はきちぃ][無知は罪]スキルを身につけた。
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